光の姫巫女

古川優亜

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始まり

2 お化け森

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こんにちは、突然ですが今エミはどこにいるでしょうか!!
・・・。
はい、正解は誘拐されてます!!
どうしてかというと本編をどうぞ!!





エミリーが一人庭で遊んでると知らない男たちがにこやかに話しかけてきた。
「お嬢様、こんにちは。ついてきてほしいのですがよろしいでしょうか?」
小さくうなずくとエミリーは軽々と持ち上げられる。
(案外、あっさりと捕まえれたな。)
男の一人はにやりと笑う。
エミリーは眠たそうにあくびをすると数秒もしないうちに寝た。
男たちは、さっさとエミリーを袋に入れると用意していた馬車に乗せる。
「うまくいったな!!」
男たちは歪な顔で笑う。
だが、何も知らない男たちはこの後来る恐怖にただ唖然と向き合う。
エミリーの本当の実力に。
そして、エミリーに手を出すことはエミリー自身だけでなく優秀な屋敷の使用人全員を敵に回すことに。
魔法の天才のエミリーは魔具を身に着けたところでその膨大な魔力を抑え込むことは非常に難しい。
ほら、今もゆっくりと草や蔓を魔力で再生速度を早くして男たちの足を絡めてる。
それでも気付かない愚かな誘拐犯。
自分の首がゆっくりと閉まることに気づかないことほど恐ろしいことはない。
「うわぇ!!なんだこれ!?」
「俺を持ち上げるな!!」
「おい!お嬢がいないぞ!!!!!!!」
「「「「嘘だろ!?」」」」
騒ぎに乗ってちゃっかし物陰に隠れてるエミリー。
眠たそうにあくびをしながら風を操り始める。
「さぁ、愚かなるものよ。」
なるべくおどろおどろしく。
女性のすすり泣く声に聞こえるように。
小さな赤ん坊の泣き声にも。
そして、子供の喘ぎ苦しむ声。
ありとあらゆる恐怖の声を作り出すエミリーは天才を通り越して楽しんでいた。
来た目的が変わってるが本人も気づいてない。
ただ、驚くほど震え上がる誘拐犯たちに愉快に笑うエミリー。
(たくさんの子供たちを誘拐した罰。悲しませた罰。怖がらせた罰!!!)
エミリーは草をいきおいよく横に倒し、風で木を大きく揺さぶる。
「どうして、僕をお母さんから引き離したの?」
「痛いよぉ。」
「帰りたいよぉ。」
「「「どうしてぇ。」」」
不気味な子供たちの声は響いた。
男どもはそこまでが限界だったらしく口から泡を吹いて倒れた。



「で、屋敷にひょっこりと戻ってきたんですね。」
アンは怖いくらい優しい笑顔で言った。
エミリーは小さく震えており説教を受けた。
ラムはその隣で苦い薬を処方し、アンの説教に加わる。
エミリーは誘拐犯たちを懲らしめた後は、魔法で誘拐犯を屋敷まで運び、地下牢につなげ事情を軽く説明すると案の定屋敷の使用人たちから大目玉をくらう。
延々と説教を受けたエミリーはもう二度と無茶しないと約束したのである。
そして、誘拐犯たちはあの森での出来事を「お化け森」として認識したのであった。
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