18 / 21
始まり
2 僕らは
しおりを挟む
僕には母さんがいた。
父さんは僕が生まれる前に死んだ。
僕の母さんは、君たちにとっての”エミリー”の母親でもあるんだ。
「「「「「「「は!?」」」」」」
うるさい、あんたら。
話てるのはこっちなんだから、黙ってくれる?
「「「「「「「はい、すみません。」」」」」」」
で、話を戻すけど。
母さんは使用人として、ル・ラーン家で働いてたんだ。
そしたら、ある日突然泣きながら帰ってきた。
何があったのか聞いても答えてくれない。
それどころか、数か月したら家にすら帰ってこなくなった。
それで、母さんが働いてる屋敷に行ったんだ。
どうしても入ることはできなかった。
それでも、毎日朝日が昇る前から、日付が変わるまで。
雨が降ろうと雪が降ろうと嵐がこようと毎日大きな門の前にいたんだ。
それを見て門番の人が教えてくれたよ。
母さんは貴族様に襲われて子供を身ごもったとね。
最初は怒りを覚えた。
その貴族を殺してやる。
生まれてきた赤ん坊を目の前で酷いように殺してやると思った。
んで、門番の人に頼んで貴族の人に会わせてもらえるように取り計らってもらったんだ。
何度も、無理だと言われたから偶然を装って接点を作った。
すりにあったと思わせて財布を取り返してくれた心優しき男の子を演じたのさ。
そしたら、あーら不思議。
あっという間に長女の従者の仕事が転がり込んできたわけ。
そこから面白いように話が進んで。
屋敷に入って母さんの様子を見て絶望したよ。
日に日に痩せていくし、目に光が消えていく。
それなのに、ずっと笑ってるグレースを見て腹がたった。
何も知らずに笑いやがってと思ったよ。
何度か殺そうとしたけど母さんに気づかれて止められた。
何度も、何度も。
必死な顔してさ、「この子も私の可愛い子供なの。この子はかわいそうな子供なの。」って言ってさ。
それで殺せずにずるずるといたらさ、ようやくわかったんだ。
母さんも被害者だ。
でも、この小さな女の子も被害者なんだって。
だから、俺なりに助けてたよ。
パンを盗んでいたから極力多く盗めるようにしたり。
寝てる間に傷薬を塗ったりしてさ。
理不尽な命令で一人で何かしてる時ちゃっかし魔法とかで助けてたよ。
命に関わるほどの大けがしないように常にル・ラーン家の奴らの行動を監視して。
おかげでスパイになれるほど隠密に行動が得意になったよ。
あ、ちなみにみんなが持ってる祝福あるじゃん?
あね、俺ねめちゃくちゃ勘が鋭いんだよ。
優しい母さんが壊れていくのも気づいてた。
父さんは僕が生まれる前に死んだ。
僕の母さんは、君たちにとっての”エミリー”の母親でもあるんだ。
「「「「「「「は!?」」」」」」
うるさい、あんたら。
話てるのはこっちなんだから、黙ってくれる?
「「「「「「「はい、すみません。」」」」」」」
で、話を戻すけど。
母さんは使用人として、ル・ラーン家で働いてたんだ。
そしたら、ある日突然泣きながら帰ってきた。
何があったのか聞いても答えてくれない。
それどころか、数か月したら家にすら帰ってこなくなった。
それで、母さんが働いてる屋敷に行ったんだ。
どうしても入ることはできなかった。
それでも、毎日朝日が昇る前から、日付が変わるまで。
雨が降ろうと雪が降ろうと嵐がこようと毎日大きな門の前にいたんだ。
それを見て門番の人が教えてくれたよ。
母さんは貴族様に襲われて子供を身ごもったとね。
最初は怒りを覚えた。
その貴族を殺してやる。
生まれてきた赤ん坊を目の前で酷いように殺してやると思った。
んで、門番の人に頼んで貴族の人に会わせてもらえるように取り計らってもらったんだ。
何度も、無理だと言われたから偶然を装って接点を作った。
すりにあったと思わせて財布を取り返してくれた心優しき男の子を演じたのさ。
そしたら、あーら不思議。
あっという間に長女の従者の仕事が転がり込んできたわけ。
そこから面白いように話が進んで。
屋敷に入って母さんの様子を見て絶望したよ。
日に日に痩せていくし、目に光が消えていく。
それなのに、ずっと笑ってるグレースを見て腹がたった。
何も知らずに笑いやがってと思ったよ。
何度か殺そうとしたけど母さんに気づかれて止められた。
何度も、何度も。
必死な顔してさ、「この子も私の可愛い子供なの。この子はかわいそうな子供なの。」って言ってさ。
それで殺せずにずるずるといたらさ、ようやくわかったんだ。
母さんも被害者だ。
でも、この小さな女の子も被害者なんだって。
だから、俺なりに助けてたよ。
パンを盗んでいたから極力多く盗めるようにしたり。
寝てる間に傷薬を塗ったりしてさ。
理不尽な命令で一人で何かしてる時ちゃっかし魔法とかで助けてたよ。
命に関わるほどの大けがしないように常にル・ラーン家の奴らの行動を監視して。
おかげでスパイになれるほど隠密に行動が得意になったよ。
あ、ちなみにみんなが持ってる祝福あるじゃん?
あね、俺ねめちゃくちゃ勘が鋭いんだよ。
優しい母さんが壊れていくのも気づいてた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
人見知り転生させられて魔法薬作りはじめました…
雪見だいふく
ファンタジー
私は大学からの帰り道に突然意識を失ってしまったらしい。
目覚めると
「異世界に行って楽しんできて!」と言われ訳も分からないまま強制的に転生させられる。
ちょっと待って下さい。私重度の人見知りですよ?あだ名失神姫だったんですよ??そんな奴には無理です!!
しかし神様は人でなし…もう戻れないそうです…私これからどうなるんでしょう?
頑張って生きていこうと思ったのに…色んなことに巻き込まれるんですが…新手の呪いかなにかですか?
これは3歩進んで4歩下がりたい主人公が騒動に巻き込まれ、時には自ら首を突っ込んでいく3歩進んで2歩下がる物語。
♪♪
注意!最初は主人公に対して憤りを感じられるかもしれませんが、主人公がそうなってしまっている理由も、投稿で明らかになっていきますので、是非ご覧下さいませ。
♪♪
小説初投稿です。
この小説を見つけて下さり、本当にありがとうございます。
至らないところだらけですが、楽しんで頂けると嬉しいです。
完結目指して頑張って参ります
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる