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始まり
2 一筋の希望
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ハルキは茫然とエミリーが消えた場所を見ている。
「エミリー様?」
ハルキは小さく呟いた。
「エミリー様!どこにいるんだよ!!」
立ち上がりエミリーの名を叫ぶ。
ハルキは星や月の光に照らされた庭で必死にエミリーを探した。
「くそっ!!」
ハルキはエミリーを見つけることができずに小さな花を蹴る。
目からは一筋の涙が流れた。
一方、屋敷の中では。
「うわぁ!なんだ、これは!!!」
物が浮いたり水や火などがあちこちで突然現れたりしていた。
「ジョン様、これは。」
リンカがジョンの服をそっと掴む。
「あぁ、エミリーの魔法だ。暴走している・・・!!」
ジョンはすぐにエミリーの部屋に向かおうとするが。
「うわぁ!!!」
「ジョン様!!」
風魔法によって会場から出れなかった。
「ジョン伯爵!これは一体どういうことですか!?」
「すみません、公爵。娘の魔法が暴走しているようなんです!魔力が強すぎて近づくことさえできません。」
ジョンは腕や顔から血を流していた。
公爵はハンカチをそっとジョンの顔にあてる。
「すみません。」
ジョンは公爵からハンカチを受け取り止血する。
「父上!」
「ハルキ!」
ハルキが公爵の名を呼びながら走ってきた。
「良かった、ハルキ!無事だったんだな。」
魔法で沢山の人が怪我していく中ハルキだけは無傷だった。
「伯爵!令嬢の名前は。」
「え。エミリーですが。」
突然の質問に戸惑うジョン。
切羽詰まったように言うハルキに連れて焦ったように言った。
そして、名前を聞いたハルキは
「見つけた。」
と安心したように笑った。
「ハルキ、なぜ。」
何故笑ってる。
伯爵はそう言おうとしたがハルキが突然立ち上がり慌てる。
「止めなさい!!ハルキ!!!」
伯爵の静止も聞かずに優しく微笑むハルキ。
「エミリー様。聞こえますか?俺だ、ハルキだ。」
ハルキは何もない場所に向かって話しかける。
「ごめんけど、俺は丁寧な言葉遣いが苦手なんだ。パーティーに参加できないとはこういうことだったんだよな。いつになるかわからない。でもそのいつかになったら俺と一緒に踊ろう?」
ハルキはゆっくりとだがはっきりとエミリーとこれからしたいことを述べていく。
「一緒に色んな場所に行こうよ。春の命の芽吹きを一緒に感じよう。冬の寒さも。たくさんの季節を一緒に見ていこう。エミリー様と乗馬もしてみたい。それで、色んな場所を一緒に見るんだ。森の中を駆け回って、小鳥のさえずりを聞いてみようよ。俺はいつまでも。これから、ずっとエミリー様とたくさんの物を見ていきたい。」
風が少し弱まり招待客は安心する。
『ハルキ様は怖くないの。』
エミリーの声が頭の中に響きハルキは驚いた。
透き通った声は小さくて震えていてエミリーが怯えているのが分かる。
「怖くない、と言えば嘘になる。でも不思議とあまり怖くないんだ。エミリー様は望んで人を傷つけないだろう?エミリー様だからこそ怖くないのかもしれない。」
ハルキはゆっくりと目を閉じるともう一度開いた。
何もない空間に向かってゆっくりと手を伸ばす。
「たとえ君が化け物だろうと俺は構わない。国中から追われる身になっても構わない。俺は君の苦しみは全部は理解できないし、まだ子供だ。それでも。たとえそれでもエミリー様の苦しみを少しでも知りたいんだ。」
ハルキの目の前で優しいピンク色の光が現れる。
「この光りは・・・!!」
ジョンとリンカが驚いてハルキを見る。
光はゆっくりと少女の形に変わる。
ハルキの手を細くて小さな手が包む。
ふわふわと浮いている桜色の髪は息を飲むほどきれいで。幻想的だった。
「また会えたな、エミリー様。」
ハルキは嬉しそうに微笑む。
優しい光の中には足でしっかりと立っているエミリーがいる。
「ハルキ様、ありがとうございます。」
エミリーの瞳には濁りもなくきらきらと輝いていた。
今までのエミリーの目はきれいなマリンブルーとサファイアだったが、どこか重く濁っていた。
それが今は霧が晴れたようにエミリーの瞳は輝きを取り戻していた。
「助けてくれてありがとうございます。気づいてくれてありがとう。」
エミリーは優しい光の中微笑む。
美しい瞳からは涙が溢れた。
雫のように透き通ていて。
水晶のように少し大きくて。
「会いに来てくれてありがとう。」
ハルキはエミリーの手を強く握り言った。
こらえきれずにハルキも涙を浮かべていた。
涙を浮かべながらもお互いが微笑みあい。
エミリーは嬉しそうに頷くとハルキの胸に寄り掛かるように眠った。
「エミリー様!?」
ハルキは慌てて受け止める。
「お嬢様は魔力の使いすぎですね。」
騒ぎを聞きつけたラム医師がポツリと呟いた。
エミリーの暴走を止めようと集まったレイもアモンもアンやロキは涙を流して喜んだ。
誰もが涙を浮かべながら喜ぶ中安らかな表情で眠るエミリー。
久しぶりに目覚めたエミリーは言うまでもなく屋敷で働く者たちを喜ばすのに十分だった。
「エミリー様?」
ハルキは小さく呟いた。
「エミリー様!どこにいるんだよ!!」
立ち上がりエミリーの名を叫ぶ。
ハルキは星や月の光に照らされた庭で必死にエミリーを探した。
「くそっ!!」
ハルキはエミリーを見つけることができずに小さな花を蹴る。
目からは一筋の涙が流れた。
一方、屋敷の中では。
「うわぁ!なんだ、これは!!!」
物が浮いたり水や火などがあちこちで突然現れたりしていた。
「ジョン様、これは。」
リンカがジョンの服をそっと掴む。
「あぁ、エミリーの魔法だ。暴走している・・・!!」
ジョンはすぐにエミリーの部屋に向かおうとするが。
「うわぁ!!!」
「ジョン様!!」
風魔法によって会場から出れなかった。
「ジョン伯爵!これは一体どういうことですか!?」
「すみません、公爵。娘の魔法が暴走しているようなんです!魔力が強すぎて近づくことさえできません。」
ジョンは腕や顔から血を流していた。
公爵はハンカチをそっとジョンの顔にあてる。
「すみません。」
ジョンは公爵からハンカチを受け取り止血する。
「父上!」
「ハルキ!」
ハルキが公爵の名を呼びながら走ってきた。
「良かった、ハルキ!無事だったんだな。」
魔法で沢山の人が怪我していく中ハルキだけは無傷だった。
「伯爵!令嬢の名前は。」
「え。エミリーですが。」
突然の質問に戸惑うジョン。
切羽詰まったように言うハルキに連れて焦ったように言った。
そして、名前を聞いたハルキは
「見つけた。」
と安心したように笑った。
「ハルキ、なぜ。」
何故笑ってる。
伯爵はそう言おうとしたがハルキが突然立ち上がり慌てる。
「止めなさい!!ハルキ!!!」
伯爵の静止も聞かずに優しく微笑むハルキ。
「エミリー様。聞こえますか?俺だ、ハルキだ。」
ハルキは何もない場所に向かって話しかける。
「ごめんけど、俺は丁寧な言葉遣いが苦手なんだ。パーティーに参加できないとはこういうことだったんだよな。いつになるかわからない。でもそのいつかになったら俺と一緒に踊ろう?」
ハルキはゆっくりとだがはっきりとエミリーとこれからしたいことを述べていく。
「一緒に色んな場所に行こうよ。春の命の芽吹きを一緒に感じよう。冬の寒さも。たくさんの季節を一緒に見ていこう。エミリー様と乗馬もしてみたい。それで、色んな場所を一緒に見るんだ。森の中を駆け回って、小鳥のさえずりを聞いてみようよ。俺はいつまでも。これから、ずっとエミリー様とたくさんの物を見ていきたい。」
風が少し弱まり招待客は安心する。
『ハルキ様は怖くないの。』
エミリーの声が頭の中に響きハルキは驚いた。
透き通った声は小さくて震えていてエミリーが怯えているのが分かる。
「怖くない、と言えば嘘になる。でも不思議とあまり怖くないんだ。エミリー様は望んで人を傷つけないだろう?エミリー様だからこそ怖くないのかもしれない。」
ハルキはゆっくりと目を閉じるともう一度開いた。
何もない空間に向かってゆっくりと手を伸ばす。
「たとえ君が化け物だろうと俺は構わない。国中から追われる身になっても構わない。俺は君の苦しみは全部は理解できないし、まだ子供だ。それでも。たとえそれでもエミリー様の苦しみを少しでも知りたいんだ。」
ハルキの目の前で優しいピンク色の光が現れる。
「この光りは・・・!!」
ジョンとリンカが驚いてハルキを見る。
光はゆっくりと少女の形に変わる。
ハルキの手を細くて小さな手が包む。
ふわふわと浮いている桜色の髪は息を飲むほどきれいで。幻想的だった。
「また会えたな、エミリー様。」
ハルキは嬉しそうに微笑む。
優しい光の中には足でしっかりと立っているエミリーがいる。
「ハルキ様、ありがとうございます。」
エミリーの瞳には濁りもなくきらきらと輝いていた。
今までのエミリーの目はきれいなマリンブルーとサファイアだったが、どこか重く濁っていた。
それが今は霧が晴れたようにエミリーの瞳は輝きを取り戻していた。
「助けてくれてありがとうございます。気づいてくれてありがとう。」
エミリーは優しい光の中微笑む。
美しい瞳からは涙が溢れた。
雫のように透き通ていて。
水晶のように少し大きくて。
「会いに来てくれてありがとう。」
ハルキはエミリーの手を強く握り言った。
こらえきれずにハルキも涙を浮かべていた。
涙を浮かべながらもお互いが微笑みあい。
エミリーは嬉しそうに頷くとハルキの胸に寄り掛かるように眠った。
「エミリー様!?」
ハルキは慌てて受け止める。
「お嬢様は魔力の使いすぎですね。」
騒ぎを聞きつけたラム医師がポツリと呟いた。
エミリーの暴走を止めようと集まったレイもアモンもアンやロキは涙を流して喜んだ。
誰もが涙を浮かべながら喜ぶ中安らかな表情で眠るエミリー。
久しぶりに目覚めたエミリーは言うまでもなく屋敷で働く者たちを喜ばすのに十分だった。
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