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始まり
1 望まぬ声
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それからリンカは毎日エミリーに会いに来た。
「見てみて!本が好きだと聞いたから買ってきたのよ!後で一緒に読みましょうね!!」
リンカはいつも何かしらエミリーのために物を買ってきている。
最初エミリーは困惑していたが今では素直に受け取っている。
「エミリーちゃん!これ見て!!とても可愛い人形が売ってあったの!!」
ある日、リンカは息を弾ませながらエミリーに人形を渡した。
エミリーは人形を持ち上げてみたり横にしたりして見てる。
リンカはニコニコとエミリーを見ている。
エミリーは少しづつだがリンカに心を開き始めていた。
チラリとリンカを見た後人形の髪を優しく撫でるエミリー。
「ありがとうございます。いつも素敵な物をくださり。」
エミリーは丁寧な言葉を言うと頭をさげる。
「ふふ。本当に賢い子ね。でも今のは間違ってるわ。ありがとう、だけでいいの。私は親だから娘のために物を買うのは当たり前なのよ?」
リンカは優しくエミリーの頭をなでる。
エミリーは首を傾げながら言った。
「当たり前なのですか?」
「えぇ、愛しい娘のために物を買うのは。お人形や可愛いお洋服、アクセサリーを買うのはもはや母親の楽しみなの。」
リンカは嬉しそうに語りだす。
「私は小さいころから素敵な母親になるのが夢だった。私にできた娘か息子が恥ずかしくないように、立派な処女になるための教育も頑張った。そして子供ができたら、いっぱい、いっぱい可愛がろう。愛情を注ごうって決めてたの。」
リンカは愛おしそうにエミリーの額に唇をあてる。
「これはおまじないよ。早く元気になるし、私の愛がたーくさん詰まってるわ。」
リンカはそう言うと
「また来るわね。」
リンカは軽く手を振るとエミリーも手を振る。
そしてエミリーは何を思ったのか魔法で体を浮かせると
「また来てください、お母様。」
と言いながらリンカの額に軽く口づけををする。
「え?」
驚くリンカを残してエミリーは瞬間移動をする。
「・・・・???」
リンカはしばらく固まっていたが表情を緩めると嬉しそうに歩きながら屋敷をでた。
その日を境にエミリーは寝込むようになった。
前はベットの上で起きていたのに今では起きることさえなくなってきた。
たとえ起きたとしても薬を飲んで魔法を開放して寝込む。
一日中寝ているときもある。
そして、魔法が解放できない時もあるので、部屋中にはラピスラズリがずらりと並べられていた。
毎日、ラピスラズリを変える。
そして、エミリーの魔力にあたって体調を崩す人も現れた。
「先生、エミリーは。」
リンカとジョンは心配でエミリーの屋敷に寝泊まりをしていた。
家族の契約をしたリンカとジョンは、エミリーの魔力に適応している。
「残念ながらまだ何も言えません。」
ラムは土気色の顔で言った。
夜中、突然苦しみだすエミリーを寝ずに看病を侍女と交代でやっているラムは、もはや死人のようになっていた。
「ラム、交代するから、いい加減仮眠休みなさい。」
アンがそう言うとラムは
「助かるよ、姉さん。何かあったら起こしてほしい。」
と言い残して客室へと歩いて行った。
「エミリーはどうなるんでしょうか。」
リンカは隣に座るジョンにぽつりと言った。
「分からない。リンカ、君まで弱音を言わないでくれ。エミリーは体は弱いが心は清く美しき強い子なんだ。」
ジョンは眉間を抑えながら言った。
ジョンの目の下の隈はひどかった。
リンカもジョンもエミリーが心配であまり寝れてなかった。
そして2人はラムから出してもらった薬を飲み、何とか今寝れている。
「苦しい、よ、、、きついよ。おか、、、あさま。おとう、さまぁ。」
エミリーの部屋からは幼い少女の声がする。
途切れ途切れで。
消え入りそうな声で、両親を呼ぶ声。
「「エミリー。」」
リンカとジョンが苦しそうにエミリーの名前を読んだ。
今、エミリーにはブレスレットを外している。
これは本来ならエミリーが出すはずの声。
魔力が強すぎると魔力持ち主の心の声が魔力によって声となり出ることがある。
エミリーはあまりにも魔力が強すぎたのでジョンやジークとルイスと会話ができていた。
そして誰もがいつかエミリーの口から声を聴けることを願っていた。
「いつかエミリーの声を聴きたいと思っていた。エミリーの口から。なの。俺はこんな風にエミリーの声を聴くことを望んでない。」
ジョンは低く唸るように言った。
リンカは何も言わずに目から涙をこぼす。
「・・・。」
ロキは空気のようになってずっと立っていた。
いつもと変わらない無表情。
だが、無表情なのに目から涙が溢れていた。
誰もがエミリーの声に心を痛めていた。
こんな声は。
誰もこんな声は望んでない。
今、エミリーが出している声は望まぬ声となってしまった。
「見てみて!本が好きだと聞いたから買ってきたのよ!後で一緒に読みましょうね!!」
リンカはいつも何かしらエミリーのために物を買ってきている。
最初エミリーは困惑していたが今では素直に受け取っている。
「エミリーちゃん!これ見て!!とても可愛い人形が売ってあったの!!」
ある日、リンカは息を弾ませながらエミリーに人形を渡した。
エミリーは人形を持ち上げてみたり横にしたりして見てる。
リンカはニコニコとエミリーを見ている。
エミリーは少しづつだがリンカに心を開き始めていた。
チラリとリンカを見た後人形の髪を優しく撫でるエミリー。
「ありがとうございます。いつも素敵な物をくださり。」
エミリーは丁寧な言葉を言うと頭をさげる。
「ふふ。本当に賢い子ね。でも今のは間違ってるわ。ありがとう、だけでいいの。私は親だから娘のために物を買うのは当たり前なのよ?」
リンカは優しくエミリーの頭をなでる。
エミリーは首を傾げながら言った。
「当たり前なのですか?」
「えぇ、愛しい娘のために物を買うのは。お人形や可愛いお洋服、アクセサリーを買うのはもはや母親の楽しみなの。」
リンカは嬉しそうに語りだす。
「私は小さいころから素敵な母親になるのが夢だった。私にできた娘か息子が恥ずかしくないように、立派な処女になるための教育も頑張った。そして子供ができたら、いっぱい、いっぱい可愛がろう。愛情を注ごうって決めてたの。」
リンカは愛おしそうにエミリーの額に唇をあてる。
「これはおまじないよ。早く元気になるし、私の愛がたーくさん詰まってるわ。」
リンカはそう言うと
「また来るわね。」
リンカは軽く手を振るとエミリーも手を振る。
そしてエミリーは何を思ったのか魔法で体を浮かせると
「また来てください、お母様。」
と言いながらリンカの額に軽く口づけををする。
「え?」
驚くリンカを残してエミリーは瞬間移動をする。
「・・・・???」
リンカはしばらく固まっていたが表情を緩めると嬉しそうに歩きながら屋敷をでた。
その日を境にエミリーは寝込むようになった。
前はベットの上で起きていたのに今では起きることさえなくなってきた。
たとえ起きたとしても薬を飲んで魔法を開放して寝込む。
一日中寝ているときもある。
そして、魔法が解放できない時もあるので、部屋中にはラピスラズリがずらりと並べられていた。
毎日、ラピスラズリを変える。
そして、エミリーの魔力にあたって体調を崩す人も現れた。
「先生、エミリーは。」
リンカとジョンは心配でエミリーの屋敷に寝泊まりをしていた。
家族の契約をしたリンカとジョンは、エミリーの魔力に適応している。
「残念ながらまだ何も言えません。」
ラムは土気色の顔で言った。
夜中、突然苦しみだすエミリーを寝ずに看病を侍女と交代でやっているラムは、もはや死人のようになっていた。
「ラム、交代するから、いい加減仮眠休みなさい。」
アンがそう言うとラムは
「助かるよ、姉さん。何かあったら起こしてほしい。」
と言い残して客室へと歩いて行った。
「エミリーはどうなるんでしょうか。」
リンカは隣に座るジョンにぽつりと言った。
「分からない。リンカ、君まで弱音を言わないでくれ。エミリーは体は弱いが心は清く美しき強い子なんだ。」
ジョンは眉間を抑えながら言った。
ジョンの目の下の隈はひどかった。
リンカもジョンもエミリーが心配であまり寝れてなかった。
そして2人はラムから出してもらった薬を飲み、何とか今寝れている。
「苦しい、よ、、、きついよ。おか、、、あさま。おとう、さまぁ。」
エミリーの部屋からは幼い少女の声がする。
途切れ途切れで。
消え入りそうな声で、両親を呼ぶ声。
「「エミリー。」」
リンカとジョンが苦しそうにエミリーの名前を読んだ。
今、エミリーにはブレスレットを外している。
これは本来ならエミリーが出すはずの声。
魔力が強すぎると魔力持ち主の心の声が魔力によって声となり出ることがある。
エミリーはあまりにも魔力が強すぎたのでジョンやジークとルイスと会話ができていた。
そして誰もがいつかエミリーの口から声を聴けることを願っていた。
「いつかエミリーの声を聴きたいと思っていた。エミリーの口から。なの。俺はこんな風にエミリーの声を聴くことを望んでない。」
ジョンは低く唸るように言った。
リンカは何も言わずに目から涙をこぼす。
「・・・。」
ロキは空気のようになってずっと立っていた。
いつもと変わらない無表情。
だが、無表情なのに目から涙が溢れていた。
誰もがエミリーの声に心を痛めていた。
こんな声は。
誰もこんな声は望んでない。
今、エミリーが出している声は望まぬ声となってしまった。
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