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始まり
1 エミリーの魔法
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それからアモンはエミリーに様々な事を教えていき今では領の金銭面すらも理解できるようになってしまった。
「ロキ、魔石ができたから、ギルドに売って来て。」
エミリーは魔法も習うようになった。
魔法はレイという魔法使いから習っていた。
エミリーの魔法が暴走しないようにという計らいで教わっていたようなのだが、エミリーは魔力が膨大なため、毎日何かしらで消費しないといけなかった。
そこでレイが考えたのがラピスラズリと魔石だった。
魔石はそこらへんの石に魔法をこめて火や水、風などを出すことができる。
ラピスラズリはただ魔力をこめるだけなので魔力が無い人が使うものだ。
そして、エミリーの領は貧乏といっていい。
前領主がかなり金遣いが荒かったらしく、民を苦しめるだけのお荷物となっていたようだ。
エミリーは毎日苦しみながら生きている民のためにも金を稼がないといけなかった。
なおかつエミリーは魔力を消費できる、という一石二鳥の提案だった。
「お嬢様、ここ最近の魔力が安定し始めましたね。」
ロキはエミリーから魔石を受け取りながら微笑んだ。
(まだ、感情は乏しいがお嬢様は少しづつ年相応の行動をするようになってきた。)
ロキもアンもエミリーが苦しむ姿を見たくなかった。
最初の頃は薬の影響もあってあまり苦しむ様子はなかったのに突然エミリーは高熱をだした。
熱の原因は魔力が体にたまっていたから。
毎日、人は何かしらで魔力を発散させている。
だが、ベットから出られないエミリーは発散させることができなかったのだ。
高熱を出しながらもエミリーは1人で闘い続けて、レイとラムの力で何とか熱が下がった。
だが、ただでさえ弱い体は今まで以上に弱り切ってしまい、座ることでさえ苦しかったようだ。
今もベットに横になったまま魔力を発散させている。
「お嬢様、お薬の時間ですよ。」
アンがお薬を持ってくるとロキは
「それでは、私はこれで。」
と言いながら部屋を出て行った。
(子供らしくはなったが体が弱っていく一方だ。)
ロキは廊下を歩きながら拳を握りしめていた。
「ねぇ、アン。また車いすに座って美味しいご飯食べれるかな?」
エミリーはアンのエプロンを握りながら言った。
「もちろんですよ、お嬢様。ラム先生がいますし、私どもがいます!それにお嬢様には心強い騎士様もいるので怖いものはありませんよ。きっと前よりも元気になります!!」
アンが力強く言った。
エミリーはその言葉を聞くと安心したように眠りについた。
「大丈夫ですよ、お嬢様。必ず私たちがお守りしますから。」
アンの目からは小さな涙が流れた。
エミリーはどんなことがあろうと屋敷あから出ようとしない。
人見知りのせいかもしれない。
もしくは他の理由があるのかもしれない。
それでも、エミリーはこの屋敷で毎日、幸せそうに生活している。
「ロキ、魔石ができたから、ギルドに売って来て。」
エミリーは魔法も習うようになった。
魔法はレイという魔法使いから習っていた。
エミリーの魔法が暴走しないようにという計らいで教わっていたようなのだが、エミリーは魔力が膨大なため、毎日何かしらで消費しないといけなかった。
そこでレイが考えたのがラピスラズリと魔石だった。
魔石はそこらへんの石に魔法をこめて火や水、風などを出すことができる。
ラピスラズリはただ魔力をこめるだけなので魔力が無い人が使うものだ。
そして、エミリーの領は貧乏といっていい。
前領主がかなり金遣いが荒かったらしく、民を苦しめるだけのお荷物となっていたようだ。
エミリーは毎日苦しみながら生きている民のためにも金を稼がないといけなかった。
なおかつエミリーは魔力を消費できる、という一石二鳥の提案だった。
「お嬢様、ここ最近の魔力が安定し始めましたね。」
ロキはエミリーから魔石を受け取りながら微笑んだ。
(まだ、感情は乏しいがお嬢様は少しづつ年相応の行動をするようになってきた。)
ロキもアンもエミリーが苦しむ姿を見たくなかった。
最初の頃は薬の影響もあってあまり苦しむ様子はなかったのに突然エミリーは高熱をだした。
熱の原因は魔力が体にたまっていたから。
毎日、人は何かしらで魔力を発散させている。
だが、ベットから出られないエミリーは発散させることができなかったのだ。
高熱を出しながらもエミリーは1人で闘い続けて、レイとラムの力で何とか熱が下がった。
だが、ただでさえ弱い体は今まで以上に弱り切ってしまい、座ることでさえ苦しかったようだ。
今もベットに横になったまま魔力を発散させている。
「お嬢様、お薬の時間ですよ。」
アンがお薬を持ってくるとロキは
「それでは、私はこれで。」
と言いながら部屋を出て行った。
(子供らしくはなったが体が弱っていく一方だ。)
ロキは廊下を歩きながら拳を握りしめていた。
「ねぇ、アン。また車いすに座って美味しいご飯食べれるかな?」
エミリーはアンのエプロンを握りながら言った。
「もちろんですよ、お嬢様。ラム先生がいますし、私どもがいます!それにお嬢様には心強い騎士様もいるので怖いものはありませんよ。きっと前よりも元気になります!!」
アンが力強く言った。
エミリーはその言葉を聞くと安心したように眠りについた。
「大丈夫ですよ、お嬢様。必ず私たちがお守りしますから。」
アンの目からは小さな涙が流れた。
エミリーはどんなことがあろうと屋敷あから出ようとしない。
人見知りのせいかもしれない。
もしくは他の理由があるのかもしれない。
それでも、エミリーはこの屋敷で毎日、幸せそうに生活している。
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