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第2章
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スマートフォンから、俺の作った曲が聞こえてくる。
裕太と俊樹、そして和樹の三人の顔をちらりと見た。
裕太はときおり頭を揺らしながら、俊樹は無表情で、和樹は目を閉じて聞いていた。
「いやほんとこれ、五分、いや三分とかで作った曲だからさ。ほんとテキトウに作ったからまだまだ修正箇所多いんだけど」
早口で言う俺に、俊樹が無言で人差し指を立てて口もとに当てた。
静かにしろということらしい。
そう言われても、自分が作った曲を聞いてもらうのは落ち着かない。
曲と言っても、ギターで簡単なコードを鳴らしながら、歌っただけのものだ。
曲が終わった。三人の顔を見る。
「良いと思う」裕太が言った。二人も頷いた。
「自分を猫に見立てているのが面白いな」和樹が言った。
「この歌詞も、字の汚さ以外は良いと思うぞ」俊樹はそう言って、手元のくしゃくしゃの紙を見た。
そこには俺が文字書きの練習も兼ねた歌詞が書いてあった。
タイトルは『オレはネコ』。これまでの生活を素直に書いてみたのだ。
「そうそう。『オレよりつよいヤツはいない』とか黒田っぽい」裕太が言った。
「ひらがなとカタカナしかないけど」
「仕方がないだろ。文字書くの慣れてないんだから」
「とりあえず、この曲をもとに俺たちで作ってみよう」
初めてライブに出演してから、すでに二週間が経っていた。
俺はすぐにでも楽曲制作に入りたかったが、全員の予定がなかなか合わなかった。
裕太はホワイト以外でバイトをしていた。
曰く、ホワイトはほとんどタダ働きに近いので、他で稼いだほうが良いらしい。
「大学が休みの間に、バイトしまくって稼いでおくんだよ」
大学が始まれば、大学とバンド活動で、バイトをする時間がなくなる。
その分の穴埋めを今のうちにするのだそうだ。
それでも、週末はホワイトを手伝っているようだった。
裕太が相手をしてくれないので、和樹の家に行くと繁忙期とやらで忙しいと言われた。
正確には、言ったのは和樹の彼女だ。
和樹は仕切りの向こうで終始パソコンを見つめていた。
時々、打ち合わせなのか誰かと話す声が聞こえる。
和樹の彼女はなぜか不機嫌そうだった。
彼女の詰問から察するに、どうやら俺が和樹の家の合鍵を持っていることが気に食わないらしい。
合鍵はバンドメンバー全員が持っていると言うと、さらに不機嫌になった。
なぜ俺が合鍵を持っていると不機嫌になるのか、どうすれば機嫌を直してくれるのか、全然わからなかった。
仕方なく、スタジオにこもって裕太から借りたギターの練習をしていた。
そして一番暇そうな俊樹も忙しかった。
ある日、突然ホワイトに現れた俊樹を思い出す。
「バンド活動が親父にバレたら、俺たちは全員終わりだ」
俊樹はブラックコーヒーを飲みながら説明した。
偉い役人である父親は、バンド活動などに理解を微塵も示さない。
おまけに和樹とは仲が悪いらしい。
かつて「天才児」と言われるほど優秀な成績の、良い子だった和樹がバンド活動を始めてから不良になってしまったことが原因らしい。
「そんな兄貴とバンドやってるなんて知られたら、俺もただじゃ済まないだろ」
はじめの頃、俺たちに和樹を紹介するのをためらっていたのも、これが理由のようだ。
それでも、R2で優勝すればいずれ父親の耳に入ることになるだろう。
そのときはどうするのだろうか。
「結果を出してしまえば文句も言いづらいだろう。それに、強力な味方を今引き込んでいる最中なんだ」
俊樹の父親は、再婚した現在の母親にべた惚れしているらしい。
さらに二年前に生まれた二人の子どもである俊樹の妹(正確には和樹と俊樹の腹違いの妹)にメロメロになっているそうだ。
母親も幼い妹も、俊樹との関係は良好だ。
更に、この休みの間に二人とさらに仲を深めて自分の味方につけてしまおう、というのが俊樹の作戦らしかった。
実際、ホワイトに母親と妹を連れて訪れたこともあった。
裕太も俺も彼らを連れてくることに驚いたが、何より驚いたのは、俊樹の変わりようだった。
口元に笑みを浮かべ、冗談を口にし、手を叩いて笑っている。
後で尋ねると、無表情で「あれは擬態だ」と言った。
全員の予定が合うまで日程がまだあったので、俺もアルバイトとやらをすることにした。
そもそも、最近ではサラからの小遣いが足りず、数カ月分の前借りをしていた。
「そろそろ自分のご飯代くらい稼いだら?」
米を三合平らげた俺に、呆れたサラの言うことを聞くことにしたのだ。
道路工事のアルバイトを裕太に紹介してもらった。
サラや裕太からは、変なことはしないようにと何度も釘をさされた。
今のところは何も問題は起きていない。
むしろ、どれだけ重い資材でも楽々と運ぶ俺は、監督者から気に入られた。
もともと体力には自信がある。おまけに、重い資材を運ぶのは筋トレ効果もあった。
バンドマンには、体力づくりも重要な要素だ。体を鍛えられて、金ももらえる。
体がへとへとになるし、きついこともあったが、バンドのためだと思えば頑張れた。
バイトがないときには、地下室で乾やヤスさんたちから教えてもらった音楽を貪るように聞いていた。
聞いては歌い、動画サイトでライブ映像を探してパフォーマンスを真似する。
ろくに弾けもしないのに、ギターをかき鳴らしてお気に入りのギタリストの真似をすることもあった。
やがてメロディがひらめき、それに歌詞をつけスマホに録音していた。
そうしてできたうちの一つが、先ほどの『オレはネコ』だ。
ギターのつんざくような音で我に返る。
三人が音を鳴らしていた。いつの間にか、三人の準備が終わったらしい。
『オレはネコ』を演奏する。
重厚な音が部屋に溢れる。
一人で演奏しているときには感じなかった、高揚感が溢れてくる。
いつの間にか、俺は草の上を疾走していた。
地面の土の固さを感じ、顔に当たる草の柔らかさに心踊り、水と土と草の匂いを味わった。
全能感が身体に溢れた。ここでは、俺は最強なのだ。誰も俺に勝てやしない!
走り終えると同時に、音楽が鳴り止んだ。気付くと、スタジオの中に戻っていた。
三人の顔を見ると、全員、満足気に頷いた。
そこから、お互いに気になるところを微調整した。
簡易的な録音装置を用いて、演奏を録音する。
予想以上にスムーズに曲ができて、全員が高揚していた。
何でもない雑談から、前回のライブやEssentialsをはじめとした共演バンドの話しとなった。
自然と自分たちのライブの反省へと発展する。
四人で演奏しているときは、自分たちが世界で最強のバンドだと思っていたが、実際ライブに出てみると、いかに自分たちの世界が小さいのかわかった。
皆は上手いと褒めてくれたが、それは「結成して間もないにしては」という枕詞がつく。
しかし俺たちの目指すところは、こんなものではない。
R2での優勝だ。今のままでは、優勝はおろか、予選の通過も難しいだろう。
個人の技量は高いが、バンドとしてのまとまりが足りないとも感じていた。
本気でやるのならば、これからはもっと本腰を入れて挑まねばならない。
正直、俺はこの二週間のロスすら惜しかった。
話してみると、それは俺だけでなく他の三人も感じていることだった。
とはいえ一番の弊害は、互いのスケジュールを合わせることだ。
各々、優先するべき事項は数多あるだろう。俺は今一度、三人に確認した。
「俺は本気でR2の優勝を目指している。三人には、その覚悟ができているか確認しておきたい」
三人の顔を見る。それぞれの目には、形は違えど、本気の色が宿っていた。
「いいよ、やってやろうぜ」和樹がにやりと笑う。
「俺らなら目指せると思うよ」裕太も続けた。
俊樹も無言で頷いた。
「じゃあ次はこの曲だな」勢いづいて、次の曲に取り掛かろうとした。
ポケットから紙を取り出す。
「何だよこれ。鼻かんだ後のちり紙かよ」和樹が笑いながら紙を受け取った。
歌詞を書いた紙だったが、ジーンズのポケットに入れていたので、丸い団子のようになっている。
和樹は団子を広げ、シワを伸ばし文字を読み上げた。
「タイトルは……『チェリーブロッサム』?」
「あっ!」渡す紙を間違えた。
慌てて紙を取り戻そうとするが、慌てた俺を見て何かを感じ取った和樹は、素早く俺の手を避け「押さえろ」と言った。
俊樹と裕太が俺の両腕をそれぞれ掴む。
さすがに二人がかりで押さえつけられては動けない。
「『コーヒーは苦いけれど君がいれば甘い チェリーブロッサム』……好きな子へのラブソングか?」
「あれ、チェリーブロッサムって」俺の右脇を抱える裕太が言った。
「そう言えば、裕太の姉貴の名前」左脇を抱える俊樹も同時に呟く。
二人の声を聞いた和樹が悪魔のような笑みを浮かべた。体中の血液が沸騰したかのように、かぁっと体温が上がる。
絶対にバレたくない奴らにバレてしまった。
俺がさくらを好きなこと。
裕太と俊樹、そして和樹の三人の顔をちらりと見た。
裕太はときおり頭を揺らしながら、俊樹は無表情で、和樹は目を閉じて聞いていた。
「いやほんとこれ、五分、いや三分とかで作った曲だからさ。ほんとテキトウに作ったからまだまだ修正箇所多いんだけど」
早口で言う俺に、俊樹が無言で人差し指を立てて口もとに当てた。
静かにしろということらしい。
そう言われても、自分が作った曲を聞いてもらうのは落ち着かない。
曲と言っても、ギターで簡単なコードを鳴らしながら、歌っただけのものだ。
曲が終わった。三人の顔を見る。
「良いと思う」裕太が言った。二人も頷いた。
「自分を猫に見立てているのが面白いな」和樹が言った。
「この歌詞も、字の汚さ以外は良いと思うぞ」俊樹はそう言って、手元のくしゃくしゃの紙を見た。
そこには俺が文字書きの練習も兼ねた歌詞が書いてあった。
タイトルは『オレはネコ』。これまでの生活を素直に書いてみたのだ。
「そうそう。『オレよりつよいヤツはいない』とか黒田っぽい」裕太が言った。
「ひらがなとカタカナしかないけど」
「仕方がないだろ。文字書くの慣れてないんだから」
「とりあえず、この曲をもとに俺たちで作ってみよう」
初めてライブに出演してから、すでに二週間が経っていた。
俺はすぐにでも楽曲制作に入りたかったが、全員の予定がなかなか合わなかった。
裕太はホワイト以外でバイトをしていた。
曰く、ホワイトはほとんどタダ働きに近いので、他で稼いだほうが良いらしい。
「大学が休みの間に、バイトしまくって稼いでおくんだよ」
大学が始まれば、大学とバンド活動で、バイトをする時間がなくなる。
その分の穴埋めを今のうちにするのだそうだ。
それでも、週末はホワイトを手伝っているようだった。
裕太が相手をしてくれないので、和樹の家に行くと繁忙期とやらで忙しいと言われた。
正確には、言ったのは和樹の彼女だ。
和樹は仕切りの向こうで終始パソコンを見つめていた。
時々、打ち合わせなのか誰かと話す声が聞こえる。
和樹の彼女はなぜか不機嫌そうだった。
彼女の詰問から察するに、どうやら俺が和樹の家の合鍵を持っていることが気に食わないらしい。
合鍵はバンドメンバー全員が持っていると言うと、さらに不機嫌になった。
なぜ俺が合鍵を持っていると不機嫌になるのか、どうすれば機嫌を直してくれるのか、全然わからなかった。
仕方なく、スタジオにこもって裕太から借りたギターの練習をしていた。
そして一番暇そうな俊樹も忙しかった。
ある日、突然ホワイトに現れた俊樹を思い出す。
「バンド活動が親父にバレたら、俺たちは全員終わりだ」
俊樹はブラックコーヒーを飲みながら説明した。
偉い役人である父親は、バンド活動などに理解を微塵も示さない。
おまけに和樹とは仲が悪いらしい。
かつて「天才児」と言われるほど優秀な成績の、良い子だった和樹がバンド活動を始めてから不良になってしまったことが原因らしい。
「そんな兄貴とバンドやってるなんて知られたら、俺もただじゃ済まないだろ」
はじめの頃、俺たちに和樹を紹介するのをためらっていたのも、これが理由のようだ。
それでも、R2で優勝すればいずれ父親の耳に入ることになるだろう。
そのときはどうするのだろうか。
「結果を出してしまえば文句も言いづらいだろう。それに、強力な味方を今引き込んでいる最中なんだ」
俊樹の父親は、再婚した現在の母親にべた惚れしているらしい。
さらに二年前に生まれた二人の子どもである俊樹の妹(正確には和樹と俊樹の腹違いの妹)にメロメロになっているそうだ。
母親も幼い妹も、俊樹との関係は良好だ。
更に、この休みの間に二人とさらに仲を深めて自分の味方につけてしまおう、というのが俊樹の作戦らしかった。
実際、ホワイトに母親と妹を連れて訪れたこともあった。
裕太も俺も彼らを連れてくることに驚いたが、何より驚いたのは、俊樹の変わりようだった。
口元に笑みを浮かべ、冗談を口にし、手を叩いて笑っている。
後で尋ねると、無表情で「あれは擬態だ」と言った。
全員の予定が合うまで日程がまだあったので、俺もアルバイトとやらをすることにした。
そもそも、最近ではサラからの小遣いが足りず、数カ月分の前借りをしていた。
「そろそろ自分のご飯代くらい稼いだら?」
米を三合平らげた俺に、呆れたサラの言うことを聞くことにしたのだ。
道路工事のアルバイトを裕太に紹介してもらった。
サラや裕太からは、変なことはしないようにと何度も釘をさされた。
今のところは何も問題は起きていない。
むしろ、どれだけ重い資材でも楽々と運ぶ俺は、監督者から気に入られた。
もともと体力には自信がある。おまけに、重い資材を運ぶのは筋トレ効果もあった。
バンドマンには、体力づくりも重要な要素だ。体を鍛えられて、金ももらえる。
体がへとへとになるし、きついこともあったが、バンドのためだと思えば頑張れた。
バイトがないときには、地下室で乾やヤスさんたちから教えてもらった音楽を貪るように聞いていた。
聞いては歌い、動画サイトでライブ映像を探してパフォーマンスを真似する。
ろくに弾けもしないのに、ギターをかき鳴らしてお気に入りのギタリストの真似をすることもあった。
やがてメロディがひらめき、それに歌詞をつけスマホに録音していた。
そうしてできたうちの一つが、先ほどの『オレはネコ』だ。
ギターのつんざくような音で我に返る。
三人が音を鳴らしていた。いつの間にか、三人の準備が終わったらしい。
『オレはネコ』を演奏する。
重厚な音が部屋に溢れる。
一人で演奏しているときには感じなかった、高揚感が溢れてくる。
いつの間にか、俺は草の上を疾走していた。
地面の土の固さを感じ、顔に当たる草の柔らかさに心踊り、水と土と草の匂いを味わった。
全能感が身体に溢れた。ここでは、俺は最強なのだ。誰も俺に勝てやしない!
走り終えると同時に、音楽が鳴り止んだ。気付くと、スタジオの中に戻っていた。
三人の顔を見ると、全員、満足気に頷いた。
そこから、お互いに気になるところを微調整した。
簡易的な録音装置を用いて、演奏を録音する。
予想以上にスムーズに曲ができて、全員が高揚していた。
何でもない雑談から、前回のライブやEssentialsをはじめとした共演バンドの話しとなった。
自然と自分たちのライブの反省へと発展する。
四人で演奏しているときは、自分たちが世界で最強のバンドだと思っていたが、実際ライブに出てみると、いかに自分たちの世界が小さいのかわかった。
皆は上手いと褒めてくれたが、それは「結成して間もないにしては」という枕詞がつく。
しかし俺たちの目指すところは、こんなものではない。
R2での優勝だ。今のままでは、優勝はおろか、予選の通過も難しいだろう。
個人の技量は高いが、バンドとしてのまとまりが足りないとも感じていた。
本気でやるのならば、これからはもっと本腰を入れて挑まねばならない。
正直、俺はこの二週間のロスすら惜しかった。
話してみると、それは俺だけでなく他の三人も感じていることだった。
とはいえ一番の弊害は、互いのスケジュールを合わせることだ。
各々、優先するべき事項は数多あるだろう。俺は今一度、三人に確認した。
「俺は本気でR2の優勝を目指している。三人には、その覚悟ができているか確認しておきたい」
三人の顔を見る。それぞれの目には、形は違えど、本気の色が宿っていた。
「いいよ、やってやろうぜ」和樹がにやりと笑う。
「俺らなら目指せると思うよ」裕太も続けた。
俊樹も無言で頷いた。
「じゃあ次はこの曲だな」勢いづいて、次の曲に取り掛かろうとした。
ポケットから紙を取り出す。
「何だよこれ。鼻かんだ後のちり紙かよ」和樹が笑いながら紙を受け取った。
歌詞を書いた紙だったが、ジーンズのポケットに入れていたので、丸い団子のようになっている。
和樹は団子を広げ、シワを伸ばし文字を読み上げた。
「タイトルは……『チェリーブロッサム』?」
「あっ!」渡す紙を間違えた。
慌てて紙を取り戻そうとするが、慌てた俺を見て何かを感じ取った和樹は、素早く俺の手を避け「押さえろ」と言った。
俊樹と裕太が俺の両腕をそれぞれ掴む。
さすがに二人がかりで押さえつけられては動けない。
「『コーヒーは苦いけれど君がいれば甘い チェリーブロッサム』……好きな子へのラブソングか?」
「あれ、チェリーブロッサムって」俺の右脇を抱える裕太が言った。
「そう言えば、裕太の姉貴の名前」左脇を抱える俊樹も同時に呟く。
二人の声を聞いた和樹が悪魔のような笑みを浮かべた。体中の血液が沸騰したかのように、かぁっと体温が上がる。
絶対にバレたくない奴らにバレてしまった。
俺がさくらを好きなこと。
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