DECIDE

yuri

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帰り道、あの時の渚の顔が俺の頭から離れなかった。
そもそも、入り込んだ人がいるとしたら、どうやって入ったんだ?まあ、明日調べればいいか。

「ただいまー」
そう言うと、リビングかドタドタ足音が聞こえたかと思うと、小雪が猛ダッシュでこちらに向かってきた。
「お兄ちゃん遅い!いったい今まで何してたんですか!…まさか…女…。」
小雪が床に倒れ、ぴくぴくして釣り上げられたばかり魚のようになっている。
「まあ、あながち間違ってはいないが、その言い方には語弊があるというか…。」
それを聞くなり、小雪の動きが止まったかと思うと、体勢を立て直しこちらを睨みつけてくる。
「やっぱり、女なんだね!お兄ちゃんの浮気者!」
「ちょっと待て、俺がいつ、誰と浮気した!そんなことするわけないだろ。ただ、クラスの女子に相談受けていただけだ!全然そういう関係じゃない。」
「ほ…本当?」
小雪を上目遣いで聞いてくる。
「本当。」
それから、小雪の顔は、ぱぁぁっと明るくなった。前にもこんなことあったな。
「まあ、気にする事じゃないいって。」
そう言って俺は自分の部屋に向かった。
「気にする事だもん…。」



次の日の放課後、渚の家に行こうと思ったが渚はいなかった、教室を見渡すと、騒がしい中一人もくもくと黒板を消している渚を見つけた。
「手伝おうか?」
聞くついでに手伝ってやろうと思ったが。
「いえ…あ、いや大丈夫…だよ。」
ふられってしまった。なんか初めてふられた気がするな、というか中学の頃は、自発的に手伝おうとは、しなかったからな。
「そうか…じゃあ本題に入ろうか、今日、渚さんの家に行っていいかな。昨日の夜は、なんもしなかったし。」
「へえ!!」
「ん?」
何だろう?急に教室が静かになったったきが…ってか、渚は何でこんなに動揺してんだ?さっきより顔が赤いし、俺なんかしたか?
「二人ともいつからそんな関係に…。」
葵の言葉に今までの謎な空気の意味がやっとわかった。
「い、いや、そんなもなにもない。」
言ってるうちに、渚から手を引かれ、教室から出た。
「どうしてあんな言い方するの!みんなに誤解されるでしょ!」
怒っている。たしかに、あの言い方はだめだったな。
「ごめん、確かに場所が悪かったと思う。」
「分かればいいよ。それより、今日の事…、今日は私、補修があるから先に家に行っておいてくれないかな?」
そう言って、渚は家の鍵を渡してきた。
「いいのか、ただのクラスメイトを勝手に上がらせて。」
「うん、零二君の事は信用してるから。」
「そうか。じゃあ先に行っておくけど、見られたくない部屋とかあるか?」
「いや、ないよ好きに見て。」
渚のそのその言い方も誤解を産むと思うぞ。なんてこと言えるをけでもなく。
「うん。」
こうして俺は一人で渚の家に行くこととなった。
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