28 / 40
第一章
第28話 帰るまでがダンジョン探索
しおりを挟む
その後、僕たちは一度、状況報告のためにミサキとセネリーと合流することにした。中央の建物に戻り、右側の回廊へと進むと、そこにはちょうどこちらに歩いてくる二人の姿があった。僕たちは二人と合流し、互いの状況を報告した。
「……え!? もうマンドラゴラ四体も倒したの?」
僕は驚いた顔をして言った。
「そうだよ。こっちだと、結構そこら辺にいたからね。ほら、これが魔石」
セネリーはそう言って革袋から魔石を取り出した。それは紛れもなくマンドラゴラのものだった。
「……二人はどうやってマンドラゴラを倒したの? やっぱり精神攻撃に耐性があったりする?」
すると、二人はきょとんとした顔をした。
「いや、それはない。というか、マンドラゴラは攻撃される前に倒すのが基本だろ? 爆発系の魔導具で一撃だよ。ほら、前に試作品見せたことあったでしょ? あれの威力が控えめのやつを持って来てるから」
セネリーはそう言って懐から魔導具を取り出してみせた。それは以前にセネリーとダンジョンに潜ったときに、セネリーが爆破のために使ったものと同じタイプのものだった。……なるほど、確かに爆発系の魔導具なら、マンドラゴラが攻撃する前に吹っ飛ばせるなと僕は思った。
「……私は【流星突き】で瞬殺してるわ」
ミサキが涼しい顔をして言った。【流星突き】は以前に一度だけ見せてもらったことがあるけど、確か精神力をエネルギーに変えて一点突破で放つスキルだ。現代でいうところのフェンシングの一撃がエネルギー波のように放たれる感じだろうか。【流星突き】なら確かにマンドラゴラを引き抜かずとも直接根の部分を攻撃できるだろう。
(……あれ? よくよく考えてみると、マンドラゴラって基本近づかなくても倒せるのでは……?)
そもそも僕は弓矢を具現化できるスキルを持っている。それで遠くからマンドラゴラを狙撃すれば、攻撃されることなく簡単に相手を倒せるんじゃないだろうか……? というか、剣でもマンドラゴラを抜かないでそのまま根の部分を刺せばよくない? マンドラゴラって抜く必要あった? 僕がそんなことを考えていると、ネフィが僕を見て言った。
「君、『マンドラゴラってわざわざ抜かなくても倒せるし、抜く必要なくない?』……なんて考えてるでしょ」
「えっ? ま、まぁ、そうだけど……」
「それは全くもってその通りだよ。……でも、それじゃつまらないでしょ? やっぱりマンドラゴラなんだし、引き抜いたところをざくっと殺らないと。ふふ……マンドラゴラの絶望した顔を見るのがマンドラゴラ刈りの醍醐味だからね。……というわけで、これからも引き抜く役をよろしくね」
ネフィは妖しく笑いながらそう言った。
「え? で、でも引き抜かなくていいのなら引き抜く必要はないんじゃ――」
「私、君のこと助けたよね? ゲラングスの毒にやられた君を介抱してあげた……そうでしょ?」
「…………」
僕は何も言い返すことができなかった。ミサキやセネリーも面倒くさいと思ったのか、特に助け舟は出してくれなかった。
「せっかく助けてあげたのに君は――」
「だああ! わ、わかったよっ。引き抜けばいいんでしょ、引き抜けばっ!」
「ふふ、わかってくれて嬉しいよ」
……その後、僕はいくつものマンドラゴラを引き抜くことになった。耳栓のおかげで精神攻撃は受けることはなかったけど、正直、面倒くさかった。ネフィはというと嬉々としてマンドラゴラにナイフを刺していた。
「……結構取れたね」
ネフィがマンドラゴラの魔石でいっぱいな革袋を見て言った。あれから別の建物を探索したりして、ひたすらマンドラゴラを狩り続けたのだった。おかげで僕たちはかなり大量のマンドラゴラの魔石を手に入れることができた。ちょうど時間もいいところだったので、僕たちはマンドラゴラ狩りをやめてダンジョン入り口の広場まで戻ることにした。
入り口の広場まで戻ってくると、僕たちと同様にマンドラゴラ狩りを終えた冒険者たちが多くいた。
「それじゃ私は報告に行ってくるね。任務は魔石を渡した時点で終了だから、君たちはもう帰っても大丈夫だよ」
ネフィは魔石でいっぱいの革袋を抱えてそう言った。
「そ、そう? それじゃあ、僕たちはこのまま帰ることにするね」
僕はそう言ってミサキとセネリーを見る。……二人とも異議なしのようだった。
「さすがに、今日は疲れたわ……」
「私もおかげで試作型魔導具が全部なくなっちゃったよ。そろそろ量産化をすることを考えなきゃ……」
ミサキとセネリーがそう話していた。二人じゃないけど、僕も今日はかなり疲れたのでさっさと帰ってシャワーを浴びたいと思った。
「それじゃあ、ネフィ。僕たちはこれで失礼するよ」
「うん、バイバイ」
「また今度。それじゃ!」
僕はネフィに向かって軽く手を振った。すると、ネフィも僕に軽く手を振って返してくれた。ほぼ一日中、行動をともにしたせいか、ネフィとは結構仲良くなれた気がする。ネフィも冒険者だし、任務によってはまた一緒になることがあるかもしれない。
ちょっと変わった子ではあるけれど、僕は初めてクラン外での知り合いができて嬉しく思った。
「……え!? もうマンドラゴラ四体も倒したの?」
僕は驚いた顔をして言った。
「そうだよ。こっちだと、結構そこら辺にいたからね。ほら、これが魔石」
セネリーはそう言って革袋から魔石を取り出した。それは紛れもなくマンドラゴラのものだった。
「……二人はどうやってマンドラゴラを倒したの? やっぱり精神攻撃に耐性があったりする?」
すると、二人はきょとんとした顔をした。
「いや、それはない。というか、マンドラゴラは攻撃される前に倒すのが基本だろ? 爆発系の魔導具で一撃だよ。ほら、前に試作品見せたことあったでしょ? あれの威力が控えめのやつを持って来てるから」
セネリーはそう言って懐から魔導具を取り出してみせた。それは以前にセネリーとダンジョンに潜ったときに、セネリーが爆破のために使ったものと同じタイプのものだった。……なるほど、確かに爆発系の魔導具なら、マンドラゴラが攻撃する前に吹っ飛ばせるなと僕は思った。
「……私は【流星突き】で瞬殺してるわ」
ミサキが涼しい顔をして言った。【流星突き】は以前に一度だけ見せてもらったことがあるけど、確か精神力をエネルギーに変えて一点突破で放つスキルだ。現代でいうところのフェンシングの一撃がエネルギー波のように放たれる感じだろうか。【流星突き】なら確かにマンドラゴラを引き抜かずとも直接根の部分を攻撃できるだろう。
(……あれ? よくよく考えてみると、マンドラゴラって基本近づかなくても倒せるのでは……?)
そもそも僕は弓矢を具現化できるスキルを持っている。それで遠くからマンドラゴラを狙撃すれば、攻撃されることなく簡単に相手を倒せるんじゃないだろうか……? というか、剣でもマンドラゴラを抜かないでそのまま根の部分を刺せばよくない? マンドラゴラって抜く必要あった? 僕がそんなことを考えていると、ネフィが僕を見て言った。
「君、『マンドラゴラってわざわざ抜かなくても倒せるし、抜く必要なくない?』……なんて考えてるでしょ」
「えっ? ま、まぁ、そうだけど……」
「それは全くもってその通りだよ。……でも、それじゃつまらないでしょ? やっぱりマンドラゴラなんだし、引き抜いたところをざくっと殺らないと。ふふ……マンドラゴラの絶望した顔を見るのがマンドラゴラ刈りの醍醐味だからね。……というわけで、これからも引き抜く役をよろしくね」
ネフィは妖しく笑いながらそう言った。
「え? で、でも引き抜かなくていいのなら引き抜く必要はないんじゃ――」
「私、君のこと助けたよね? ゲラングスの毒にやられた君を介抱してあげた……そうでしょ?」
「…………」
僕は何も言い返すことができなかった。ミサキやセネリーも面倒くさいと思ったのか、特に助け舟は出してくれなかった。
「せっかく助けてあげたのに君は――」
「だああ! わ、わかったよっ。引き抜けばいいんでしょ、引き抜けばっ!」
「ふふ、わかってくれて嬉しいよ」
……その後、僕はいくつものマンドラゴラを引き抜くことになった。耳栓のおかげで精神攻撃は受けることはなかったけど、正直、面倒くさかった。ネフィはというと嬉々としてマンドラゴラにナイフを刺していた。
「……結構取れたね」
ネフィがマンドラゴラの魔石でいっぱいな革袋を見て言った。あれから別の建物を探索したりして、ひたすらマンドラゴラを狩り続けたのだった。おかげで僕たちはかなり大量のマンドラゴラの魔石を手に入れることができた。ちょうど時間もいいところだったので、僕たちはマンドラゴラ狩りをやめてダンジョン入り口の広場まで戻ることにした。
入り口の広場まで戻ってくると、僕たちと同様にマンドラゴラ狩りを終えた冒険者たちが多くいた。
「それじゃ私は報告に行ってくるね。任務は魔石を渡した時点で終了だから、君たちはもう帰っても大丈夫だよ」
ネフィは魔石でいっぱいの革袋を抱えてそう言った。
「そ、そう? それじゃあ、僕たちはこのまま帰ることにするね」
僕はそう言ってミサキとセネリーを見る。……二人とも異議なしのようだった。
「さすがに、今日は疲れたわ……」
「私もおかげで試作型魔導具が全部なくなっちゃったよ。そろそろ量産化をすることを考えなきゃ……」
ミサキとセネリーがそう話していた。二人じゃないけど、僕も今日はかなり疲れたのでさっさと帰ってシャワーを浴びたいと思った。
「それじゃあ、ネフィ。僕たちはこれで失礼するよ」
「うん、バイバイ」
「また今度。それじゃ!」
僕はネフィに向かって軽く手を振った。すると、ネフィも僕に軽く手を振って返してくれた。ほぼ一日中、行動をともにしたせいか、ネフィとは結構仲良くなれた気がする。ネフィも冒険者だし、任務によってはまた一緒になることがあるかもしれない。
ちょっと変わった子ではあるけれど、僕は初めてクラン外での知り合いができて嬉しく思った。
46
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
嫁に来た転生悪役令嬢「破滅します!」 俺「大丈夫だ、問題ない(ドラゴン殴りながら)」~ゲームの常識が通用しない辺境領主の無自覚成り上がり~
ちくでん
ファンタジー
「なぜあなたは、私のゲーム知識をことごとく上回ってしまうのですか!?」
魔物だらけの辺境で暮らす主人公ギリアムのもとに、公爵家令嬢ミューゼアが嫁として追放されてきた。実はこのお嫁さん、ゲーム世界に転生してきた転生悪役令嬢だったのです。
本来のゲームでは外道の悪役貴族だったはずのギリアム。ミューゼアは外道貴族に蹂躙される破滅エンドだったはずなのに、なぜかこの世界線では彼ギリアムは想定外に頑張り屋の好青年。彼はミューゼアのゲーム知識をことごとく超えて彼女を仰天させるイレギュラー、『ゲーム世界のルールブレイカー』でした。
ギリアムとミューゼアは、破滅回避のために力を合わせて領地開拓をしていきます。
スローライフ+悪役転生+領地開拓。これは、ゆったりと生活しながらもだんだんと世の中に(意図せず)影響力を発揮していってしまう二人の物語です。
【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。
いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。
そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。
【第二章】
原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。
原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
社畜の異世界再出発
U65
ファンタジー
社畜、気づけば異世界の赤ちゃんでした――!?
ブラック企業に心身を削られ、人生リタイアした社畜が目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界。
前世では死ぬほど働いた。今度は、笑って生きたい。
けれどこの世界、穏やかに生きるには……ちょっと強くなる必要があるらしい。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる