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第一章
第21話 セネリーと一緒なダンジョン探索
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翌日、朝早くにクラン本部に出向くと、セネリーが応接室で遅めの朝食を取っていた。最近はセネリーは隣の研究室で夜遅くまで魔導具の開発をしているので、この時間に会うのは珍しかった。普通ならこの時間は応接室のソファですやすやと寝ているのだけども。
「おはよう、セネリー」
「おはようユイト! ねぇ、聞いてくれよ! 昨日遂に、開発中の魔導具が完成したんだ! まぁ完成と言ってもプロトタイプなんだけどね!」
「へ、へぇ、そうなんだ。よかったね」
僕は慣れたように、当たり障りのない答えを返す。
「それで、魔導具も完成したし、そろそろ私もダンジョン探索に繰り出そうかと思うんだよ! 今まで君たちばかりにダンジョン探索を任せっぱなしだったってこともあるしさ。ユイトは確か今日の午後は特に予定とかなかったよね? それなら、これから一緒にダンジョンに潜らない?」
セネリーはそう言った。……確かに今日は特に予定はないし、セネリーについていってダンジョンに潜るのもありだろうか。そう思った僕は、セネリーの提案を快諾した。
「いいよ。一緒にダンジョンに潜ろう」
僕はそうセネリーに言った。
……こうして今日、僕とセネリーは一緒にダンジョンに潜ることになった。
その後、僕たちは日帰りで帰って来られる距離にあるランク2のダンジョンに潜ることにした。ダンジョンは慣れている樹海タイプを選択した。
「……いやー久しぶりのダンジョンだからちょっと緊張するね!」
ダンジョンへの地下階段を降りて、入り口広場まで来ると、セネリーはそう言った。そして何やら準備体操をするように体を動かす。
「そう言えば、前から不思議に思ってたんだけど、セネリーって武器は何を使うの? えっと、魔導具だっけ? それを武器に使うの?」
「ん、あぁもちろんそうだよ。私は稀代の魔導具使いっ! 武器はもちろん魔導具さ。そう言えばまだ見せたことなかったっけ? ほら、これだよ」
そう言ってセネリーはローブを翻し、両脇に吊るしてあるホルスターのようなものから何やら『銃器のようなもの』を二丁取り出した。……それは形が何から何までいわゆる現代で使われる『銃』にそっくりだった。特にいわゆる回転式の拳銃に似ている気がする。
(……あれ、もしかして、この世界って普通に銃器があったりする?)
僕はふと疑問に思うも、セネリーが得意げに説明を始めたので、黙っていることにした。
「これは【魔導銃】といってね、魔石の力を利用して弾丸を射出する魔導具なんだ。魔石の中には他の魔石と反応させると爆発する特殊な性質を持つ魔石があってね……。その爆発力を利用して弾を飛ばす仕組みになってるんだ」
セネリーは得意げに言った。僕は銃に詳しいわけではないけれど、現代の銃の仕組みも確か火薬を爆発させて弾を飛ばす仕組みだった気がする。
(火薬の代わりに魔石を使う銃ってことなのかな……? 前から思ってたけど、この世界は結構文明レベルが高いような……)
僕も最初見たときはかなり驚いたけど、エリュシウスにはお湯を沸かす魔導具があったり、冷蔵庫のような魔導具もあった。高価なためかそこまで普及しているわけではないようだけど、それでもあるところにはあるようだった。これに加えてさらに銃となると現代まではいかないまでも、近代ぐらいまでは文明が来てる気がした。
「ちなみにこっちの名前が『カオスメイカー』でこっちが『ピースブリンガー』。私の愛しい魔導銃たちさ!」
そう言ってセネリーは両手に持った二丁の魔導銃を両頬でさする。正直、ネーミングセンスがちょっとアレだと思ったけど、僕は黙っていた。
「さ、それじゃそろそろ行こうか」
セネリーはそう言って慣れた手付きで魔導銃をくるくると回し、ホルスターに戻した。
僕たちが樹海に足を踏み入れると、さっそくセネリーの【索敵】に反応があった。木の影に隠れながら待っていると、大きな猿のようなモンスターが樹上に姿を現す。手には大きな石を持っていた。
「フォレストエイプね。――【識別】。……レベル15で【身体強化】持ちか。身体強化持ちは身体強化してから石を投げつけてくるから気をつけて。当たりどころが悪ければ怪我じゃすまない」
セネリーはそう言って魔導銃を抜き、フォレストエイプに向ける。そしてバンッ!っと一発撃つと、弾はフォレストエイプの頭に命中し、フォレストエイプは木の上からドサッと地面に落ちた。落ちたフォレストエイプのもとに行くと、フォレストエイプはまだ生きていてピクピクしていた。
「……当たりどころが悪かったかな?」
セネリーはそう言ってもう一発フォレストエイプの頭に撃ち込んだ。フォレストエイプは今度こそ息絶え、身体は霧のように離散し、魔石だけが残った。
「ふっ、私の前に立ちはだかる者はただ消え去るのみ……」
セネリーはそう言ってローブをバサッと翻す。……セネリーの挙動がいちいち芝居がかってるのはなんでなんだろうと僕は思いつつ、魔石を回収した。
「おはよう、セネリー」
「おはようユイト! ねぇ、聞いてくれよ! 昨日遂に、開発中の魔導具が完成したんだ! まぁ完成と言ってもプロトタイプなんだけどね!」
「へ、へぇ、そうなんだ。よかったね」
僕は慣れたように、当たり障りのない答えを返す。
「それで、魔導具も完成したし、そろそろ私もダンジョン探索に繰り出そうかと思うんだよ! 今まで君たちばかりにダンジョン探索を任せっぱなしだったってこともあるしさ。ユイトは確か今日の午後は特に予定とかなかったよね? それなら、これから一緒にダンジョンに潜らない?」
セネリーはそう言った。……確かに今日は特に予定はないし、セネリーについていってダンジョンに潜るのもありだろうか。そう思った僕は、セネリーの提案を快諾した。
「いいよ。一緒にダンジョンに潜ろう」
僕はそうセネリーに言った。
……こうして今日、僕とセネリーは一緒にダンジョンに潜ることになった。
その後、僕たちは日帰りで帰って来られる距離にあるランク2のダンジョンに潜ることにした。ダンジョンは慣れている樹海タイプを選択した。
「……いやー久しぶりのダンジョンだからちょっと緊張するね!」
ダンジョンへの地下階段を降りて、入り口広場まで来ると、セネリーはそう言った。そして何やら準備体操をするように体を動かす。
「そう言えば、前から不思議に思ってたんだけど、セネリーって武器は何を使うの? えっと、魔導具だっけ? それを武器に使うの?」
「ん、あぁもちろんそうだよ。私は稀代の魔導具使いっ! 武器はもちろん魔導具さ。そう言えばまだ見せたことなかったっけ? ほら、これだよ」
そう言ってセネリーはローブを翻し、両脇に吊るしてあるホルスターのようなものから何やら『銃器のようなもの』を二丁取り出した。……それは形が何から何までいわゆる現代で使われる『銃』にそっくりだった。特にいわゆる回転式の拳銃に似ている気がする。
(……あれ、もしかして、この世界って普通に銃器があったりする?)
僕はふと疑問に思うも、セネリーが得意げに説明を始めたので、黙っていることにした。
「これは【魔導銃】といってね、魔石の力を利用して弾丸を射出する魔導具なんだ。魔石の中には他の魔石と反応させると爆発する特殊な性質を持つ魔石があってね……。その爆発力を利用して弾を飛ばす仕組みになってるんだ」
セネリーは得意げに言った。僕は銃に詳しいわけではないけれど、現代の銃の仕組みも確か火薬を爆発させて弾を飛ばす仕組みだった気がする。
(火薬の代わりに魔石を使う銃ってことなのかな……? 前から思ってたけど、この世界は結構文明レベルが高いような……)
僕も最初見たときはかなり驚いたけど、エリュシウスにはお湯を沸かす魔導具があったり、冷蔵庫のような魔導具もあった。高価なためかそこまで普及しているわけではないようだけど、それでもあるところにはあるようだった。これに加えてさらに銃となると現代まではいかないまでも、近代ぐらいまでは文明が来てる気がした。
「ちなみにこっちの名前が『カオスメイカー』でこっちが『ピースブリンガー』。私の愛しい魔導銃たちさ!」
そう言ってセネリーは両手に持った二丁の魔導銃を両頬でさする。正直、ネーミングセンスがちょっとアレだと思ったけど、僕は黙っていた。
「さ、それじゃそろそろ行こうか」
セネリーはそう言って慣れた手付きで魔導銃をくるくると回し、ホルスターに戻した。
僕たちが樹海に足を踏み入れると、さっそくセネリーの【索敵】に反応があった。木の影に隠れながら待っていると、大きな猿のようなモンスターが樹上に姿を現す。手には大きな石を持っていた。
「フォレストエイプね。――【識別】。……レベル15で【身体強化】持ちか。身体強化持ちは身体強化してから石を投げつけてくるから気をつけて。当たりどころが悪ければ怪我じゃすまない」
セネリーはそう言って魔導銃を抜き、フォレストエイプに向ける。そしてバンッ!っと一発撃つと、弾はフォレストエイプの頭に命中し、フォレストエイプは木の上からドサッと地面に落ちた。落ちたフォレストエイプのもとに行くと、フォレストエイプはまだ生きていてピクピクしていた。
「……当たりどころが悪かったかな?」
セネリーはそう言ってもう一発フォレストエイプの頭に撃ち込んだ。フォレストエイプは今度こそ息絶え、身体は霧のように離散し、魔石だけが残った。
「ふっ、私の前に立ちはだかる者はただ消え去るのみ……」
セネリーはそう言ってローブをバサッと翻す。……セネリーの挙動がいちいち芝居がかってるのはなんでなんだろうと僕は思いつつ、魔石を回収した。
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