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誤解が解けた後も、喜介は俺に「どうなんですか?」としつこく聞いてくる。
「う……うるさい!//////////」喜介の視線を逸らしながら、俺はその場をしのごうとする。
「…………」
突然、後ろにいた喜介が静かになったので恐る恐る振り返ると、喜介が春画を見ていた。
「宗助さん、春画見るんですね」
「いや……それは………」と慌てて言い直そうとしたが、喜介に意地悪をしようと考えた。
「俺くらい読むさ」
「……。好きな女性はいるんですか?」と春画開いたまま見せられ、俺は適当に選んだ。
「……この女性…かなー」反応を見る為にやったのだが、喜介は反応をしなかった。
「ふーん…」
「…………?」
「……美しいですもんね、この女性……」と頬を膨らませながら、俺が選んだ女性をジッと見つめる喜介。思わず笑ってしまった。
「プッ……クククッ」
「何笑ってるんですか?」
「なーに、絵に対して妬いてんだよ。」と喜介の頭をポンポンと叩く。
「宗助さんが選んだ女性ですもん…。そりゃ、妬きますよ」とまたしても頬を膨らませて春画の中の絵を見る。喜介の横顔をチラッと見ると、額の端が少しだけ切れていた。
「おい、喜介……、額が切れてるがどうしたんだ?」と切れた部分を親指の腹で優しく撫でる。
「ん…切れてました?」
「気づいてたのか?」
「…まぁ、切れてる感覚はありましたが宗助さんの事に必死であまり気が付きませんでした。」
そう聞いた時、胸が不覚にも高なってしまった。
「俺の事は後回しでもいいから、自分の事を優先しろ…。」
「嫌ですよ…。宗助さんを第一に考えていますから!」と言うと、喜介は俺と目を合わせ優しく幸せそうに微笑んだ。
「っ……!!////……んで、どうしたんだよ?その傷」
「宗助さんのところに行こうとした時、菊助さんに思いきり殴られました。“あまり宗助を不安にさせるな”と……」
「…………痛くなかったか?」
「全然平気です!!稽古で慣れてるので!」
「そうか……」
傷口を撫でていた手をおろすと、壁際に背を預ける。
「……宗助さんこそ大丈夫なんですか?」
「……?何がだ…?」
「暴れ馬にぶつかりそうになったと一之助さんに聞きました。」
「あぁー、間一髪で助かったよ…」と言うと喜介は複雑そうな顔をした。
「……確認させてください」
「………は?」
「腕だけでも構わないので、確認させてください」
「どこも怪我してねーぞ?」
「痣になったりとかしていたら僕が嫌なので」と言うと、喜介は俺の腕を掴み頭上にあげた。
「なっ……!!」突然両腕をあげられ、俺は焦った。
「宗助さんの腕綺麗ですよね。」と言うと、喜介は俺の腕をジッと見つめる。
「う……うるさい!//////////」喜介の視線を逸らしながら、俺はその場をしのごうとする。
「…………」
突然、後ろにいた喜介が静かになったので恐る恐る振り返ると、喜介が春画を見ていた。
「宗助さん、春画見るんですね」
「いや……それは………」と慌てて言い直そうとしたが、喜介に意地悪をしようと考えた。
「俺くらい読むさ」
「……。好きな女性はいるんですか?」と春画開いたまま見せられ、俺は適当に選んだ。
「……この女性…かなー」反応を見る為にやったのだが、喜介は反応をしなかった。
「ふーん…」
「…………?」
「……美しいですもんね、この女性……」と頬を膨らませながら、俺が選んだ女性をジッと見つめる喜介。思わず笑ってしまった。
「プッ……クククッ」
「何笑ってるんですか?」
「なーに、絵に対して妬いてんだよ。」と喜介の頭をポンポンと叩く。
「宗助さんが選んだ女性ですもん…。そりゃ、妬きますよ」とまたしても頬を膨らませて春画の中の絵を見る。喜介の横顔をチラッと見ると、額の端が少しだけ切れていた。
「おい、喜介……、額が切れてるがどうしたんだ?」と切れた部分を親指の腹で優しく撫でる。
「ん…切れてました?」
「気づいてたのか?」
「…まぁ、切れてる感覚はありましたが宗助さんの事に必死であまり気が付きませんでした。」
そう聞いた時、胸が不覚にも高なってしまった。
「俺の事は後回しでもいいから、自分の事を優先しろ…。」
「嫌ですよ…。宗助さんを第一に考えていますから!」と言うと、喜介は俺と目を合わせ優しく幸せそうに微笑んだ。
「っ……!!////……んで、どうしたんだよ?その傷」
「宗助さんのところに行こうとした時、菊助さんに思いきり殴られました。“あまり宗助を不安にさせるな”と……」
「…………痛くなかったか?」
「全然平気です!!稽古で慣れてるので!」
「そうか……」
傷口を撫でていた手をおろすと、壁際に背を預ける。
「……宗助さんこそ大丈夫なんですか?」
「……?何がだ…?」
「暴れ馬にぶつかりそうになったと一之助さんに聞きました。」
「あぁー、間一髪で助かったよ…」と言うと喜介は複雑そうな顔をした。
「……確認させてください」
「………は?」
「腕だけでも構わないので、確認させてください」
「どこも怪我してねーぞ?」
「痣になったりとかしていたら僕が嫌なので」と言うと、喜介は俺の腕を掴み頭上にあげた。
「なっ……!!」突然両腕をあげられ、俺は焦った。
「宗助さんの腕綺麗ですよね。」と言うと、喜介は俺の腕をジッと見つめる。
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