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「俺の幼い頃はなー、清姉とよく遊んでいたなー。」と酒の入った飲みかけの酌を口から離し、空を見上げる浅黄さん。
「清姉…?」と俺は疑問に思い聞いてみた。
「あぁ、俺の2つ上の姉だ。」
「……。」
「今はもう、いないがな。」
「……どこに行ったんだ?」
「父さんが借金をしていたんだ。だから、借金をなくすために清姉は吉原へ売られたんだ。」
「会いには…」
「会いには行かない…。清姉と約束をしたからな。」と浅黄さんは空を見上げながら言った。
「……。悪い…」俺は、こんなこと聞かなきゃよかったという後悔で浅黄さんに謝った。
「なんで宗助が謝るんだ?」と浅黄さんから笑われた。
「聞いちゃいけない事聞いた…。」と俯きながら、ごめんと再度謝った。
 心の中で何度も、嫌な記憶を蒸し返してしまったな。と思い、反省する。
「なぁーに、昔の話だ!気にするな!」と浅黄さんは俺の頭に手を置き撫でながら、酒を豪快に飲む。
「まぁー、昔の話はこれくらいだ!」と浅黄さんは幼い頃の話を終えた。

「浅黄さんの父さんと母さんは元気なのか?」と俺は、浅黄さんに聞いた。
「んー?元気だよ~凄ぉーく元気ー」と酒の酔いのせいか浅黄さんは上機嫌になっている。
「そうか…。」と俺は浅黄さんの返答を聞き、安心し、胸をなでおろした。
 そしてまた俺は、酒を少しずつ口内に流し込む。
浅黄さんは、泥酔状態になり、柱にくっつきながら、独り言を言い始めた。
「浅黄さんはこうなると、手がつけられないんだよなぁ」と薄く笑いながら呟いた。
 俺も、だいぶ酔っていて、立ち上がろうとしたら足がおぼついて上手く立てない。
 柱に掴まってようやく立ち上がったが、既に浅黄さんは陽の光を浴びながら寝ていた。
「風邪引かないように羽織を着させておこう。」と思い、俺は自身の着ていた羽織を脱ぎ、浅黄さんにそっと被せた。
  俺は、1番陽の当たる所へおぼつかないふらふらの足で移動し、そこに寝転んだ。
 「んー、酔い醒ましにはいい所だな」と呟き、俺は背伸びをした後、そっと目を閉じた。
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