男に好かれすぎて困ってます!!!

暁千星U・x・U

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次の日から、俺と菊助は喜介を探しに町へ出た。思い当たるところを全て探したがなかなか見つからず、俺は焦っていた。
「なんで…居ないんだよ……。」と驚く程に小さい声で呟いていた。菊助は喜介を探す事を諦めておらず、町内を探すと言って俺と別れた。俺は、探し疲れて茶屋の椅子に腰掛けた。右、左、右、左と目を泳がせながら、茶を飲む。
だが、見つかる訳でもなく俺は肩を落とした。
「これで見つけれたら、苦労はしないか……」と呟き、ため息をついた。そして、を払うと、俺は茶屋を出た。
今度は何処を探そうか…と悩んでいると、空からポツリポツリと何かが俺の頬に落ちてきた。
 空を見上げると、曇り空が広がり辺りを暗くした。そして、曇り空から少しづつ滴が落ちてきた。
「……雨か…。」
運悪く雨が降ってきた。喜介を探す為、俺は手ぶらでいた。
「家から遠いな…。」
俺は、喜介を探すのに必死だった為、だいぶ遠くまで来てしまったようだ。
 走れば少しは濡れずに済むんじゃないか…?と思ったが、俺に長い時間走れるだけの体力は残っていなかった。
「……歩いて帰るか…。」俺はボソリと呟いた。
そして雨に濡れながら、俺は元来た道を歩いて帰った。





ザァー ザァー
 最初弱かった雨が、次第に強くなってくる。
着物と羽織はびしょびしょになり、とても気持ちが悪かった。
 最悪だ…。と思いながら、俺は歩く速さを上げて行った。

 そして、俺は家に帰り着いた。
「気持ち悪ぃ…。」着物が体に吸い付き、とても動きずらかった。
「火を焚いてから、着替えるか…。」と小さく呟くと、俺は風邪を引かない様に素早く行動した。

パチパチ…パチ…パチ
 火を焚き終えた俺は、濡れた着物と羽織を脱ぎ、新しい着物に着替えた。
 そして、火の近くで温まっていると、今度はウトウトと眠気が襲ってきた。
「…布団…ひか…ね…えと……。」と言い、動こうとしたが眠気が邪魔をし、俺はそのまま意識を手放した。

「ん……。」次に俺が目覚めた時は、次の日の朝方だった。上半身を起こそうとした時だった。
 ズキンッ ズキンッ
頭の痛みと吐き気、体の火照りに気づいた。
「…風邪か…?」俺は頭を抑え、ため息を零した。一番引きたくない風邪にかかってしまった俺は、マジか…。と呟いた。

そして、俺は布団を引こうと立ち上がると物凄い目眩がした。
「重症だな…。」と俺は、自分を嘲笑いながら呟いた。

きつい体に鞭を打ち俺はやっと布団を引き終えた。
「……。」毛布を被ると俺は、荒い呼吸を整え目を瞑る。
 
 寝ていれば何とかなるだろうと思いながら…。
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