上 下
18 / 39

17 ☆

しおりを挟む
ん……、飲みすぎたせいか頭が上手く回らない。
 少し目を開くと、視界がぼやけていた。
目の前には、喜介がいて「っ……宗助さん…!」と甘い声で俺の名を呼んでいる。
 俺は、布団の布に力を込めて手で握っていた。
尻に違和感を覚えた途端、何かが入ってくるのが分かった。その瞬間、俺は甘い声を出した。
尻の中の物が出たり入ったりと、繰り返し動いている。痛い筈なのに、何故か気持ち良かった。あまりの気持ち良さに俺は、意識を手放した。



「………ん…。」
朝日が顔にあたり、眩しさで俺は目を覚ました。
上半身だけを起こしてみると、昨日飲みすぎたせいか頭がズキズキとした。
「痛っ…!」思わず頭を抑える。
そして、チラリと横を見てみると、裸で喜介が寝ていた。
「…は?…なんで、裸…?」と俺は頬を引き攣らせた。
そして、自身も裸だということに気付き慌てた。
俺は、近くにあった浴衣を着ようと腰をあげようとした。

 だがー

ズキンッ
「痛って…!!!!」あまりの腰の痛さに俺は膝から崩れ落ちた。俺は、腰の痛みは喜介だと分かり顔を青ざめた。
「抱…かれ…たのか…?」と腰をさすりながら呟く。
「はい。抱きました」と後ろから声が聞こえ、俺は後ろをバッと振り返った。
「き…喜介…」
「おはようございます、宗助さん」と薄く微笑んだ喜介。
「なんで…抱いたんだ……?」と俺は、警戒しながら喜介に聞いた。
 喜介は下を俯き「宗助さんが、好き…なんです。」と言いきった。
「……っ!!??!?」俺は、絶句した。
「…一目惚れだったんです…。…僕は宗介さんの眼中に入ってないと分かっていましたが…振り向いて欲しかったんです…。」と言葉を、途切れ途切れにして喜介は言った。
そして、喜介は俯いていた顔をバッとあげ涙を流し笑いながら「すいませんでした…。…でも宗助さんを好きな気持ちは変わりません。」と言い、立ち上がると浴衣を着て、喜介は立ち去った。
 俺はあまりの展開に驚き硬直した。そして、我に返った俺は喜介が出て行った後、頭を抱え「言い逃げかよ…。」と呟いた。


腰の痛みを我慢しながらもようやく立ち上がり、浴衣を着た。
 俺は、喜介の言葉を考えていた。

確かに俺は、喜介の事なんか眼中になかった。寧ろ、第一印象は嫌味な奴だった。だが、何処か浅黄さんと似ていて、居心地も触られるのも悪くなかったし、心地よかった。だからといって、好きではない…。
 犯した後に逃げる奴は流石に腹立つ。
「くそっ…!!」
ドンッ
俺は、腹が立ち壁を殴った。
「次会った時は、もっと問い詰めてボコボコにしてやる…。…覚えてろよ…。」と不気味に微笑んだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

フルチン魔王と雄っぱい勇者

ミクリ21
BL
フルチンの魔王と、雄っぱいが素晴らしい勇者の話。

自称チンタクロースという変態

ミクリ21
BL
チンタク……? サンタクじゃなくて……チンタク……? 変態に注意!

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

処理中です...