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『四季』に着くと、俺と喜介は暖簾を潜り近くの席に座った。
「…いらっしゃ~い!!」と奥の扉から元気な梅さんの声が聞こえてきた。
俺は、梅さんに向かって「梅さ~ん!いつものお酒お願~い!」と叫ぶと、はーい。と返事が返ってきた。
「宗助さん…」と喜介が俺の名を呼んだ。
「…?なんだ?」と俺は頬杖をつきながらどうした?と聞く。
「どうして、男色が苦手なんですか?」
「どうしてって……男同士でするんだぞ?俺は、御免だよ。」と拒絶をすると、喜介は首を傾けた。
「…?今、江戸でも流行ってるそうですよ?」
「…知りたくない…。」
「なんでも……大名が流行らせたとか噂になっていますが…。」
「…そうなのか?俺は、修行僧の欲を晴らすために男色が生まれたと聞いているが…。」
「…どちらが正解なんでしょうかね?」と笑いながら喜介は言った。
「……なんで俺がこの話をしているんだ…。」と我に返った俺は、頭を抱えた。
「宗助さん、尋ねてもいいですか?」と喜介が片手を上げ俺に聞いてきた。
「………なんだょ…」と心底嫌そうに俺は聞いた。
「そんなに怒らないでくださいよ~」と少し苦笑しながら、喜介は尋ねた。
「少しも興味がないんですか?男色に…」
「興味ないよ…。よく、菊助から「気持ちいから一回やってみろよ?」と言われるが、俺はその度に断る。」
「…どうしてですか?」
「夜伽をするという事は、相手に隙を見せるのと同じなんだぞ?もし相手が裏切ったりしたら、殺されるじゃないか…。」
「そこまで、考えてるんですね…」と苦笑いをしながら喜介は言った。
「はい、お待ち!」と丁度会話をし終えた時に、酒がきた。
俺は、早く飲もうぜと言い喜介を急かした。
酌に酒を入れ、乾杯をした。
「ぷはぁっ!やっぱり酒はいいな~!!」と酒の美味さに感動する。
「そうですね!!」と喜介は俺を見て微笑んだ。
「昼間の礼なんだから、沢山飲めよ?」と言い、俺は酒を喜介の酌に注ぎ込んだ。
「あわわわっ!?宗助さん零れます!!」と慌てる喜介に俺は、気にせず注ぎ込み、自分の酌にも酒を注いだ。
ゴクゴクと酒を飲んでいると、喜介から「宗助さん!」と名を呼ばれた。
「…どうした?」と俺は聞いた。
「男色…経験しませんか?」
「っ…!!!」俺は、口の中に含んでいた酒を吹き出してしまった。
「ゲホゲホッ…何でだよ…?」
「宗助さんは、想像だけで男色を毛嫌いしていると思うんです!!一回宗助さんも体験してみませんか?…経験すれば何かが変わると思うんです!多分…」
「…絶対やらん!!」と俺は言いきった。
「気持ちいいらしいですよ?」と喜介は知ったふうに語り出した。
「喜介、なんでそんなに、詳しいんだよ?」と聞くと、喜介は「全て菊助さんから聞いたんです!」と自慢げに言い切った。
「あいつ……今度会ったら、許さん。」と殺気だてた。
「あっ!宗助さん!!次は、僕が酌注ぎますよ?」と言い、隣に来た喜介。
「俺…酒弱いからな?」と言うと、喜介は「浅黄さんと飲みに行った時に知りました!」と言う。
「……。」
俺は、喜介に「飲んで飲んで」と言われるがままに大人しく飲んだ。
そして、7杯目を飲み終えたところで俺の記憶は飛んだ。
「…いらっしゃ~い!!」と奥の扉から元気な梅さんの声が聞こえてきた。
俺は、梅さんに向かって「梅さ~ん!いつものお酒お願~い!」と叫ぶと、はーい。と返事が返ってきた。
「宗助さん…」と喜介が俺の名を呼んだ。
「…?なんだ?」と俺は頬杖をつきながらどうした?と聞く。
「どうして、男色が苦手なんですか?」
「どうしてって……男同士でするんだぞ?俺は、御免だよ。」と拒絶をすると、喜介は首を傾けた。
「…?今、江戸でも流行ってるそうですよ?」
「…知りたくない…。」
「なんでも……大名が流行らせたとか噂になっていますが…。」
「…そうなのか?俺は、修行僧の欲を晴らすために男色が生まれたと聞いているが…。」
「…どちらが正解なんでしょうかね?」と笑いながら喜介は言った。
「……なんで俺がこの話をしているんだ…。」と我に返った俺は、頭を抱えた。
「宗助さん、尋ねてもいいですか?」と喜介が片手を上げ俺に聞いてきた。
「………なんだょ…」と心底嫌そうに俺は聞いた。
「そんなに怒らないでくださいよ~」と少し苦笑しながら、喜介は尋ねた。
「少しも興味がないんですか?男色に…」
「興味ないよ…。よく、菊助から「気持ちいから一回やってみろよ?」と言われるが、俺はその度に断る。」
「…どうしてですか?」
「夜伽をするという事は、相手に隙を見せるのと同じなんだぞ?もし相手が裏切ったりしたら、殺されるじゃないか…。」
「そこまで、考えてるんですね…」と苦笑いをしながら喜介は言った。
「はい、お待ち!」と丁度会話をし終えた時に、酒がきた。
俺は、早く飲もうぜと言い喜介を急かした。
酌に酒を入れ、乾杯をした。
「ぷはぁっ!やっぱり酒はいいな~!!」と酒の美味さに感動する。
「そうですね!!」と喜介は俺を見て微笑んだ。
「昼間の礼なんだから、沢山飲めよ?」と言い、俺は酒を喜介の酌に注ぎ込んだ。
「あわわわっ!?宗助さん零れます!!」と慌てる喜介に俺は、気にせず注ぎ込み、自分の酌にも酒を注いだ。
ゴクゴクと酒を飲んでいると、喜介から「宗助さん!」と名を呼ばれた。
「…どうした?」と俺は聞いた。
「男色…経験しませんか?」
「っ…!!!」俺は、口の中に含んでいた酒を吹き出してしまった。
「ゲホゲホッ…何でだよ…?」
「宗助さんは、想像だけで男色を毛嫌いしていると思うんです!!一回宗助さんも体験してみませんか?…経験すれば何かが変わると思うんです!多分…」
「…絶対やらん!!」と俺は言いきった。
「気持ちいいらしいですよ?」と喜介は知ったふうに語り出した。
「喜介、なんでそんなに、詳しいんだよ?」と聞くと、喜介は「全て菊助さんから聞いたんです!」と自慢げに言い切った。
「あいつ……今度会ったら、許さん。」と殺気だてた。
「あっ!宗助さん!!次は、僕が酌注ぎますよ?」と言い、隣に来た喜介。
「俺…酒弱いからな?」と言うと、喜介は「浅黄さんと飲みに行った時に知りました!」と言う。
「……。」
俺は、喜介に「飲んで飲んで」と言われるがままに大人しく飲んだ。
そして、7杯目を飲み終えたところで俺の記憶は飛んだ。
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