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湯屋につくと、俺と浅黄さんはお金を払い暖簾を潜った。いつもと変わらぬ光景。
男臭を漂わせている空気感。鍛えている人や、ぽっちゃり体型の人、太っている人などがいた。いつにも増して、混んでいた。
「ほれ、宗助。入れ入れ」と暖簾の前に立ち尽くしていた俺を、浅黄さんは優しく誘導した。
そして、袴を少し脱いだ時、周りから視線が集まるのが分かった。
「なぁ、浅黄さん」
「ん?」
「夜じゃ駄目か?」
「ダメだダメだ!臭くなるぞ?」
「うっ…。だが……」
“周りからの視線が痛い”と言おうとしたが俺は口を閉ざした。小心者だと思われたくはなかった。
俺が何を言おうとしたのか察した浅黄さんは優しい口調で「大丈夫だ。俺がついてる。」と言ってきた。
「あ…さぎ……さん」俺は、浅黄さんのその言葉に安心感を持ち、脱ぎ掛けていた袴を思い切り脱いだ。
ゴクリ…
その場にいた浅黄さんを省く人全員が息を飲んだのが分かった。
痣一つ無い綺麗な肌。脂肪が少ない鍛えられた身体。綺麗な長髪が首元にかかり色気を誘う。
「………。」俺は、この空気感に耐えられず浅黄さんを急かした。
「あ…浅黄さん!早く行こうぜ……!」
「お…おう!」
まだ、脱ぎ終えてない浅黄さんを盾に俺は視線を逸らした。
そして、脱ぎ終えた浅黄さんを連れて風呂の中へ行った。風呂の中へ入った瞬間も感じる男女の視線。
「女ならまだしも、なんで男なんかに…」そう呟くと、浅黄さんは「これも人生だ!」と笑いながら言ってきた。
「………早く、入って出よう…」そう浅黄さんに言うと、浅黄さんは「おぉ。」と返事をした。
数分後ー
何もかも終わらせた俺は湯船の中に入った。浅黄さんは髪を洗っている。
「あのぉ?」と女から声をかけられ俺は「何だ?」と返事をした。
「いつも鍛えられているのでありんすか?///」
「そんな鍛えてないぞ?/////」
「そうなのですか?」
「そうそう/////」
「筋肉が凄いから驚いたでありんす/////」と言い寄ってくる女。
女に弱い俺は、デレデレだった。
俺が望んでたのは、こーゆーのなんだよぁー!と思いながら、筋肉を見せつける。
「俺は人並み体型だよ?/////」
「そんなことないでありんすよ?もしかして、無自覚でありんすか?/////」と女に言われ俺は、そうかなぁ~/////と返事をした。
そして、幸せも束の間ー
髪を洗い終えた浅黄さんは「お~い宗助、でるぞー?」と声を掛けてきた。
「おぉ。」と返事をすると、俺は女と別れた。
久し振りに若い女と喋れたせいか俺の気分は最高だった。
「宗助随分、機嫌がいいなぁ~」
「まあな、湯屋に来たからかな?」と返すと、浅黄さんは「???」という顔をしていた。
「なんでもないよ!浅黄さん、久し振りに稽古しないか?」と浅黄さんを誘うと、「おぉ!!いいな!!」と浅黄さんの元気な声が返ってきた。
そして、浴衣に着替えて羽織りを着ると、男達の視線を無視し、俺と浅黄さんは湯屋を出た。
男臭を漂わせている空気感。鍛えている人や、ぽっちゃり体型の人、太っている人などがいた。いつにも増して、混んでいた。
「ほれ、宗助。入れ入れ」と暖簾の前に立ち尽くしていた俺を、浅黄さんは優しく誘導した。
そして、袴を少し脱いだ時、周りから視線が集まるのが分かった。
「なぁ、浅黄さん」
「ん?」
「夜じゃ駄目か?」
「ダメだダメだ!臭くなるぞ?」
「うっ…。だが……」
“周りからの視線が痛い”と言おうとしたが俺は口を閉ざした。小心者だと思われたくはなかった。
俺が何を言おうとしたのか察した浅黄さんは優しい口調で「大丈夫だ。俺がついてる。」と言ってきた。
「あ…さぎ……さん」俺は、浅黄さんのその言葉に安心感を持ち、脱ぎ掛けていた袴を思い切り脱いだ。
ゴクリ…
その場にいた浅黄さんを省く人全員が息を飲んだのが分かった。
痣一つ無い綺麗な肌。脂肪が少ない鍛えられた身体。綺麗な長髪が首元にかかり色気を誘う。
「………。」俺は、この空気感に耐えられず浅黄さんを急かした。
「あ…浅黄さん!早く行こうぜ……!」
「お…おう!」
まだ、脱ぎ終えてない浅黄さんを盾に俺は視線を逸らした。
そして、脱ぎ終えた浅黄さんを連れて風呂の中へ行った。風呂の中へ入った瞬間も感じる男女の視線。
「女ならまだしも、なんで男なんかに…」そう呟くと、浅黄さんは「これも人生だ!」と笑いながら言ってきた。
「………早く、入って出よう…」そう浅黄さんに言うと、浅黄さんは「おぉ。」と返事をした。
数分後ー
何もかも終わらせた俺は湯船の中に入った。浅黄さんは髪を洗っている。
「あのぉ?」と女から声をかけられ俺は「何だ?」と返事をした。
「いつも鍛えられているのでありんすか?///」
「そんな鍛えてないぞ?/////」
「そうなのですか?」
「そうそう/////」
「筋肉が凄いから驚いたでありんす/////」と言い寄ってくる女。
女に弱い俺は、デレデレだった。
俺が望んでたのは、こーゆーのなんだよぁー!と思いながら、筋肉を見せつける。
「俺は人並み体型だよ?/////」
「そんなことないでありんすよ?もしかして、無自覚でありんすか?/////」と女に言われ俺は、そうかなぁ~/////と返事をした。
そして、幸せも束の間ー
髪を洗い終えた浅黄さんは「お~い宗助、でるぞー?」と声を掛けてきた。
「おぉ。」と返事をすると、俺は女と別れた。
久し振りに若い女と喋れたせいか俺の気分は最高だった。
「宗助随分、機嫌がいいなぁ~」
「まあな、湯屋に来たからかな?」と返すと、浅黄さんは「???」という顔をしていた。
「なんでもないよ!浅黄さん、久し振りに稽古しないか?」と浅黄さんを誘うと、「おぉ!!いいな!!」と浅黄さんの元気な声が返ってきた。
そして、浴衣に着替えて羽織りを着ると、男達の視線を無視し、俺と浅黄さんは湯屋を出た。
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