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第一章:僕らに慣れるまで
第一章:第四話【早起き】
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菜美の部屋を掃除するという予定ができてから、少しの間自室でベッドに横たわりながら思考を巡らせていた。
「なんで、いきなり掃除をしたいってなったんだ? いやまあ部屋を清潔に保つことは大切なんだが......それにしてもいきなりやしないか?」
なぜいきなり菜美が俺に掃除を依頼し、部屋に入ることを許諾したのか、幾ら思考をしても全く分からなかった。
だが、進歩で来たからいいか、と楽観的に考えて深く考えるのを辞める。
その後は特に何もなく、ただ睡魔に身を任せて眠りに就くのだった。
そして翌日。ベッドから起き、特にやることもなかったので一回にあるリビングへ向かい、電気ポットでお湯を沸かしてから『智美紀専用』と書かれたインスタントコーヒーの袋を手に取って、マグカップにコーヒーの粉を入れてからお湯を注ぎこむ。
そして少し冷めるまでダイニングテーブルの椅子に腰を掛ける。ふと時計を見てみるとまだ六時半だということに驚く。
いつも休日は九時だったり十時だったりと結構遅めの時間帯に起床するのだが、今日だけは何故か早くに起きることができたらしい。
それからはコーヒーを嗜みながら動画投稿サイトやSNSアプリで時間を潰す。早起きは健康に良いのだが、俺は特段休日にしたいことなんてないので早起きをしたところでただ暇を持て余すだけになってしまう。
一、二時間ほど経ったのだろうか、誰かが階段から降りてくる音が聞こえて来るが、特に気にすることはせず目の前のスマホに集中する。
そして後ろで扉の開く音と閉まる音が聞こえて来る。内心「どうせ母さんだろ」と決めつけて目の前で流れている動画の音量を少し下げる。
だが、もし智美紀だったとしても音がしなさすぎる。まるでリビングに入ってから立ち尽くしているような、そんな感じだった。
だけど、寝起きで寝ぼけているんだろうと考えることを放棄する。
それから十分ぐらいだろうか、またもや上から足音が聞こえ、その後すぐに扉が開く音と、ずっと聞いて来た声の素っ頓狂な、呆気に取られたかのような声が聞こえてきて、思わず俺は振り向く。
そこには扉の傍らで座り込み、膝を抱えている菜美の姿。それと菜美の姿を不思議そうに見つめる智美紀の姿。
「菜美ちゃん、どうしたの?」
「................」
「ま、まあ取り敢えずソファに座ったら? そこ寒いでしょ」
それに頷いて、ゆっくりと、ソファまで移動してから腰掛ける菜美。その一連の動きを見て、俺は菜美にどう言葉を掛ければいいのか分からなくなった。
ずっと後ろで俺の事を見ていて何故何も行動を起こさなかったのか分からなかった。一旦頭と心のざわつきを鎮めるためにコーヒーを口にしようとするも、マグカップは冷え切っていて、外側の白色の淵がコーヒーが渇いて薄い黒褐色になっていた。
どうすべきなのか、頭の中がぐるぐると、考えていることがグチャグチャなって考えているとが分からなくなった。
「な、なあ菜美。朝飯、何食いたい? 家になかったら俺が買ってくるからさ」
俺は逃げに出た。恐らく菜美はだんまりで何も言わない。そうしたら食べたいものがあるからと近くのコンビニに、家を離れることができるから。
だけど、その計画は予想外にも外れ、菜美は小さい声ながらも要求を伝えてくる。
「コーヒー......パン......」
それはいつも家に常備しているものだった。その言葉を耳にし、俺は本当にこの状況をどうしたらいいのか増々分からなくなったのだった。
「なんで、いきなり掃除をしたいってなったんだ? いやまあ部屋を清潔に保つことは大切なんだが......それにしてもいきなりやしないか?」
なぜいきなり菜美が俺に掃除を依頼し、部屋に入ることを許諾したのか、幾ら思考をしても全く分からなかった。
だが、進歩で来たからいいか、と楽観的に考えて深く考えるのを辞める。
その後は特に何もなく、ただ睡魔に身を任せて眠りに就くのだった。
そして翌日。ベッドから起き、特にやることもなかったので一回にあるリビングへ向かい、電気ポットでお湯を沸かしてから『智美紀専用』と書かれたインスタントコーヒーの袋を手に取って、マグカップにコーヒーの粉を入れてからお湯を注ぎこむ。
そして少し冷めるまでダイニングテーブルの椅子に腰を掛ける。ふと時計を見てみるとまだ六時半だということに驚く。
いつも休日は九時だったり十時だったりと結構遅めの時間帯に起床するのだが、今日だけは何故か早くに起きることができたらしい。
それからはコーヒーを嗜みながら動画投稿サイトやSNSアプリで時間を潰す。早起きは健康に良いのだが、俺は特段休日にしたいことなんてないので早起きをしたところでただ暇を持て余すだけになってしまう。
一、二時間ほど経ったのだろうか、誰かが階段から降りてくる音が聞こえて来るが、特に気にすることはせず目の前のスマホに集中する。
そして後ろで扉の開く音と閉まる音が聞こえて来る。内心「どうせ母さんだろ」と決めつけて目の前で流れている動画の音量を少し下げる。
だが、もし智美紀だったとしても音がしなさすぎる。まるでリビングに入ってから立ち尽くしているような、そんな感じだった。
だけど、寝起きで寝ぼけているんだろうと考えることを放棄する。
それから十分ぐらいだろうか、またもや上から足音が聞こえ、その後すぐに扉が開く音と、ずっと聞いて来た声の素っ頓狂な、呆気に取られたかのような声が聞こえてきて、思わず俺は振り向く。
そこには扉の傍らで座り込み、膝を抱えている菜美の姿。それと菜美の姿を不思議そうに見つめる智美紀の姿。
「菜美ちゃん、どうしたの?」
「................」
「ま、まあ取り敢えずソファに座ったら? そこ寒いでしょ」
それに頷いて、ゆっくりと、ソファまで移動してから腰掛ける菜美。その一連の動きを見て、俺は菜美にどう言葉を掛ければいいのか分からなくなった。
ずっと後ろで俺の事を見ていて何故何も行動を起こさなかったのか分からなかった。一旦頭と心のざわつきを鎮めるためにコーヒーを口にしようとするも、マグカップは冷え切っていて、外側の白色の淵がコーヒーが渇いて薄い黒褐色になっていた。
どうすべきなのか、頭の中がぐるぐると、考えていることがグチャグチャなって考えているとが分からなくなった。
「な、なあ菜美。朝飯、何食いたい? 家になかったら俺が買ってくるからさ」
俺は逃げに出た。恐らく菜美はだんまりで何も言わない。そうしたら食べたいものがあるからと近くのコンビニに、家を離れることができるから。
だけど、その計画は予想外にも外れ、菜美は小さい声ながらも要求を伝えてくる。
「コーヒー......パン......」
それはいつも家に常備しているものだった。その言葉を耳にし、俺は本当にこの状況をどうしたらいいのか増々分からなくなったのだった。
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