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第3話(後篇):事件な風邪
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■第3話(後篇):事件な風邪
(・・・あのアカネが・・・
こ、こんな素肌をしてるのか・・・)
さっきまで、彼女のみすぼらしさに
がっかりしていたはずだった。
彼女がどう思っているか分からない。
いや、おそらく後日まで覚えておいて、
とんでもない仕返しをされるかもしれない。
そうした恐怖感が湧き上がってくる。
・・・それでも、勃起してしまっていた。
痛いぐらいに。目の前のアカネに素直に興奮した。
もうスポンジなんか思いっきり投げ捨てて、
壁にでも押し付けて、滅茶苦茶にしてやりたかった。
もう風邪で弱っていることなんか関係ない。
どうしようもない興奮をぶつけたかった。
一瞬のうちに葛藤する。
滅茶苦茶にしてやりたいと思った。
それに罪悪感もある。
どんどん動悸が激しくなる。
止められないかもしれない。
(・・・いや、やっぱりダメだ・・・
・・・そうだ、バスタオルがボクのしかない・・・
大丈夫かな・・・まぁ何とかなるか・・・)
必死に他のことを考えるようにして気を紛らせようとした。
不意に今日一連のことが頭を過ぎる。
何でこんな面倒なことになったのか。
ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
彼女の身体は当たり障りの無いところは全て洗った。
後は髪といろいろ大事なところだけ。
ところが・・・
「・・・関係ねぇ」
声が震えた。
むにっ!
無造作におっぱいを洗う。
ぽんよぽんよしてて意外に洗いにくい。
「か、関係ねぇ!」
股の間にずぼっと手を入れる。
ごしごし洗う。
「関係ねぇんだよ!」
彼女は身体をびくびくさせながら、
それでも何も言わず、身を任せた。
――20分後
全身を洗い終えて、身体を拭くよう促した。
「・・・うん」
小さく声を発した後、浴室から出ていった。
半透明の戸越しに身体を拭いているのが見えた。
ほっとした彼は自分の身体を見た。
けっこうパンツは濡れていた。
あんなに格闘して、シャワーまで浴びせた。
パンツ姿になったのは仕方なかったが、
今になって恥ずかしくなってくる。
彼はちょっと気持ちが落ち着きつつあったが、勃起は収まらなかった。
見下ろす股間が妙に張っていて、何だか無様で仕方なかった。
あれだけ抵抗していたアカネは急に大人しくなった。
それが急に気になってしまう。
(・・・何なんだよ!急におとなしくなって・・・)
ワケが分からなかった。
ツンツンしているアカネしか知らなかった。
あんなに大人しくなるなんて思わなかった。
(・・・何でこんなに動揺してんだよ・・・)
幸尋は落ち着かせようと目を閉じて、
何度も深呼吸した。
それでも、閉じた目に浮かんでくるのは、
さっきまで見ていたアカネのハダカだった。
あのボディライン、あの感触・・・
(・・・ダメだ!)
思わず目を開けて上を見る。
シャワーが顔に降り注いでいる。
ようやく彼女のハダカを振り切る。
お風呂から上がると、アカネはボーッとしていた。
服は幸尋が用意したジャージを着ていたが、ダボダボである。
同じような背格好のはずだったのに、意外に華奢だった。
濡れたままの髪は、顔とのコントラストをくっきりさせて
いつもの彼女とは違う印象を与えた。
「髪・・・乾かさなきゃダメだよ・・・風邪酷くなるよ・・・」
そう言ってドライヤーを差し出した。
それを受け取ろうとせず、代わりに背中を向けた。
「お願い・・・」
小さくそう言うアカネに、幸尋は思わず溜息が出た。
無言のまま、ドライヤーを向けた。
・・・ブオオオオ・・・
目の前で、温風になびく長い髪。
いつの間にか、シャンプーの香りがたつ。
いつも使っているものだったが、
彼女の髪からは何だか違うように香ってきた。
「アカネ・・・風邪で弱ってるんなら早く言ってよね・・・」
彼女はコクリと頷くだけだった。
――15分後
髪もすっかり乾いたので、開いている一間に連れて行った。
この間、彼女が「部屋にするー」と宣言した一間である。
押入れから予備の布団を引っ張り出して、
目の前に無造作に敷いた。
「ここ・・・ずっと使っていいから・・・」
驚いた顔を幸尋に向けた。
充血した目。
潤んだ瞳。
驚いたというだけでは無かった。
初めて見る顔だった。
彼がさらに促すと、
とぼとぼ部屋に入っていった。
(・・・もうここはアカネの巣だな・・・)
ふとんに横になる彼女。
こちらに背中を向ける姿を見て、
彼が部屋から出ようとした。
そのとき、後ろから嗚咽が聞こえてきた・・・。
・・・それに、ハッとしたが、そのまま部屋を後にした。
その後、次々と家事をこなした。
ひとりで昼食を食べ、その後はダベって、うたたね。
目が覚めて、洗濯物を取り込む。
お茶を飲む。
漫画を読む。
ネットをする。
そうして家事をしているときも、ダラダラしているときも、
ずっとあの目が気になって、頭から放れなかった。
――ひとりの夕ごはん
今日の献立は、お手軽ロールキャベツ。
下味を付けた合い挽きミンチに、
刻んだ玉ねぎを混ぜてよく捏ねる。
キャベツを1枚1枚広げて、レンジで軽く温める。
柔らかくなったキャベツでミンチをくるんでいく。
ふた口ぐらいで食べられるような俵型サイズ。
チーズを一緒に入れたり、入れなかったり。
これをクッキングシートで包んで、ホチキス留めにする。
それを鍋に入れて、さらに少量の水を入れてフタをする。
あとは蒸すように15分ほど中火にして放置。
次はロールキャベツを入れるスープを作る。
缶詰のホールトマトを鍋にあけて煮込む。
ヘラを使って塊をぐいぐい押し潰す。
そこにコンソメとケチャップを加える。
グツグツ煮立ってきたら火を止める。
蒸し上がったロールキャベツを包みから取り出す。
たっぷりスープをかけて、ドライパセリを散らして完成。
アカネがおなかを空かせて、部屋から出てきてもいいように、
冷蔵庫にメモ付きで彼女の分も入れておいた。
夕ごはんが終わり、洗い物、お風呂、洗濯も済むと、
一日がやっと終わった感じがした。
どっと疲れを覚えて、早々にベッドに入った。
身体のあちこちが痛かった。
(・・・あぁ・・・変なことになったなぁ・・・)
(つづく)
(・・・あのアカネが・・・
こ、こんな素肌をしてるのか・・・)
さっきまで、彼女のみすぼらしさに
がっかりしていたはずだった。
彼女がどう思っているか分からない。
いや、おそらく後日まで覚えておいて、
とんでもない仕返しをされるかもしれない。
そうした恐怖感が湧き上がってくる。
・・・それでも、勃起してしまっていた。
痛いぐらいに。目の前のアカネに素直に興奮した。
もうスポンジなんか思いっきり投げ捨てて、
壁にでも押し付けて、滅茶苦茶にしてやりたかった。
もう風邪で弱っていることなんか関係ない。
どうしようもない興奮をぶつけたかった。
一瞬のうちに葛藤する。
滅茶苦茶にしてやりたいと思った。
それに罪悪感もある。
どんどん動悸が激しくなる。
止められないかもしれない。
(・・・いや、やっぱりダメだ・・・
・・・そうだ、バスタオルがボクのしかない・・・
大丈夫かな・・・まぁ何とかなるか・・・)
必死に他のことを考えるようにして気を紛らせようとした。
不意に今日一連のことが頭を過ぎる。
何でこんな面倒なことになったのか。
ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
彼女の身体は当たり障りの無いところは全て洗った。
後は髪といろいろ大事なところだけ。
ところが・・・
「・・・関係ねぇ」
声が震えた。
むにっ!
無造作におっぱいを洗う。
ぽんよぽんよしてて意外に洗いにくい。
「か、関係ねぇ!」
股の間にずぼっと手を入れる。
ごしごし洗う。
「関係ねぇんだよ!」
彼女は身体をびくびくさせながら、
それでも何も言わず、身を任せた。
――20分後
全身を洗い終えて、身体を拭くよう促した。
「・・・うん」
小さく声を発した後、浴室から出ていった。
半透明の戸越しに身体を拭いているのが見えた。
ほっとした彼は自分の身体を見た。
けっこうパンツは濡れていた。
あんなに格闘して、シャワーまで浴びせた。
パンツ姿になったのは仕方なかったが、
今になって恥ずかしくなってくる。
彼はちょっと気持ちが落ち着きつつあったが、勃起は収まらなかった。
見下ろす股間が妙に張っていて、何だか無様で仕方なかった。
あれだけ抵抗していたアカネは急に大人しくなった。
それが急に気になってしまう。
(・・・何なんだよ!急におとなしくなって・・・)
ワケが分からなかった。
ツンツンしているアカネしか知らなかった。
あんなに大人しくなるなんて思わなかった。
(・・・何でこんなに動揺してんだよ・・・)
幸尋は落ち着かせようと目を閉じて、
何度も深呼吸した。
それでも、閉じた目に浮かんでくるのは、
さっきまで見ていたアカネのハダカだった。
あのボディライン、あの感触・・・
(・・・ダメだ!)
思わず目を開けて上を見る。
シャワーが顔に降り注いでいる。
ようやく彼女のハダカを振り切る。
お風呂から上がると、アカネはボーッとしていた。
服は幸尋が用意したジャージを着ていたが、ダボダボである。
同じような背格好のはずだったのに、意外に華奢だった。
濡れたままの髪は、顔とのコントラストをくっきりさせて
いつもの彼女とは違う印象を与えた。
「髪・・・乾かさなきゃダメだよ・・・風邪酷くなるよ・・・」
そう言ってドライヤーを差し出した。
それを受け取ろうとせず、代わりに背中を向けた。
「お願い・・・」
小さくそう言うアカネに、幸尋は思わず溜息が出た。
無言のまま、ドライヤーを向けた。
・・・ブオオオオ・・・
目の前で、温風になびく長い髪。
いつの間にか、シャンプーの香りがたつ。
いつも使っているものだったが、
彼女の髪からは何だか違うように香ってきた。
「アカネ・・・風邪で弱ってるんなら早く言ってよね・・・」
彼女はコクリと頷くだけだった。
――15分後
髪もすっかり乾いたので、開いている一間に連れて行った。
この間、彼女が「部屋にするー」と宣言した一間である。
押入れから予備の布団を引っ張り出して、
目の前に無造作に敷いた。
「ここ・・・ずっと使っていいから・・・」
驚いた顔を幸尋に向けた。
充血した目。
潤んだ瞳。
驚いたというだけでは無かった。
初めて見る顔だった。
彼がさらに促すと、
とぼとぼ部屋に入っていった。
(・・・もうここはアカネの巣だな・・・)
ふとんに横になる彼女。
こちらに背中を向ける姿を見て、
彼が部屋から出ようとした。
そのとき、後ろから嗚咽が聞こえてきた・・・。
・・・それに、ハッとしたが、そのまま部屋を後にした。
その後、次々と家事をこなした。
ひとりで昼食を食べ、その後はダベって、うたたね。
目が覚めて、洗濯物を取り込む。
お茶を飲む。
漫画を読む。
ネットをする。
そうして家事をしているときも、ダラダラしているときも、
ずっとあの目が気になって、頭から放れなかった。
――ひとりの夕ごはん
今日の献立は、お手軽ロールキャベツ。
下味を付けた合い挽きミンチに、
刻んだ玉ねぎを混ぜてよく捏ねる。
キャベツを1枚1枚広げて、レンジで軽く温める。
柔らかくなったキャベツでミンチをくるんでいく。
ふた口ぐらいで食べられるような俵型サイズ。
チーズを一緒に入れたり、入れなかったり。
これをクッキングシートで包んで、ホチキス留めにする。
それを鍋に入れて、さらに少量の水を入れてフタをする。
あとは蒸すように15分ほど中火にして放置。
次はロールキャベツを入れるスープを作る。
缶詰のホールトマトを鍋にあけて煮込む。
ヘラを使って塊をぐいぐい押し潰す。
そこにコンソメとケチャップを加える。
グツグツ煮立ってきたら火を止める。
蒸し上がったロールキャベツを包みから取り出す。
たっぷりスープをかけて、ドライパセリを散らして完成。
アカネがおなかを空かせて、部屋から出てきてもいいように、
冷蔵庫にメモ付きで彼女の分も入れておいた。
夕ごはんが終わり、洗い物、お風呂、洗濯も済むと、
一日がやっと終わった感じがした。
どっと疲れを覚えて、早々にベッドに入った。
身体のあちこちが痛かった。
(・・・あぁ・・・変なことになったなぁ・・・)
(つづく)
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