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追跡
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老人は、ウォルトの方を見ると「何故、顧客リストが見たいんだ?」と引き出しをガタガタと開けながら話をした。
ウォルトは、ライトの方を見ながら「先日のモリス邸の事件をご存じですか?」と尋ねた。
老人はゆっくりとうなずくと、ライトに向かって指を差した。
「こいつが、犯人だろ?」
「あぁ?じじぃ。いい度胸だな」
カッカッカと笑うと「それとおんぼろ靴屋とどう関係があるんだ?」
ようやく引き出しから何かを取り出し聞き返した。
「ライトが、襲われて気絶する前に見た靴を探してるんです。限定品の靴だとか・・・」
「お主、敵にやられたのか?天下のノックのリーダーがか?!カッカッカ!!」
ライトは窓の方を向いてしまった。
窓の外をジーッと見つめるライトの背中を見ているウォルトは小さくため息をついた。
「限定品と言ったな?」
「はい。それで、靴屋を回ってるんですが、近年ではネットワークが充実したおかげで、顧客リストはすべてデータ化されたので、そっちは仲間が調べていて・・・」
「古い考えの店にはお前たちが直接足を運んでるってわけか?」
老人は、持っていた紙の束をウォルトに渡し、ライトの方へ行ってしまった。
「これ・・・」
「この店の数少ない客だ」
そう言って、ライトの頭をはたいた。
「いてぇな。くそじじぃ」
ふてくされているライトは、まるで子供のようだった。
ウォルトは、ライトの方を見ながら「先日のモリス邸の事件をご存じですか?」と尋ねた。
老人はゆっくりとうなずくと、ライトに向かって指を差した。
「こいつが、犯人だろ?」
「あぁ?じじぃ。いい度胸だな」
カッカッカと笑うと「それとおんぼろ靴屋とどう関係があるんだ?」
ようやく引き出しから何かを取り出し聞き返した。
「ライトが、襲われて気絶する前に見た靴を探してるんです。限定品の靴だとか・・・」
「お主、敵にやられたのか?天下のノックのリーダーがか?!カッカッカ!!」
ライトは窓の方を向いてしまった。
窓の外をジーッと見つめるライトの背中を見ているウォルトは小さくため息をついた。
「限定品と言ったな?」
「はい。それで、靴屋を回ってるんですが、近年ではネットワークが充実したおかげで、顧客リストはすべてデータ化されたので、そっちは仲間が調べていて・・・」
「古い考えの店にはお前たちが直接足を運んでるってわけか?」
老人は、持っていた紙の束をウォルトに渡し、ライトの方へ行ってしまった。
「これ・・・」
「この店の数少ない客だ」
そう言って、ライトの頭をはたいた。
「いてぇな。くそじじぃ」
ふてくされているライトは、まるで子供のようだった。
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