THIEF -シーフ-

SIVA

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大富豪、エリコム

7-4

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首をかしげながらも「そう、か・・・一緒に食べるって言ってたのに、先に食べたのか。社長秘書は大変だな」と言って肩を叩いて行ってしまった。



ライトは、しばらくその場で立ち尽くしていた。



「ふぅー。やばいな。さすがに」そう言って先ほどの社員たちの背中を見ていた。




社員たちは、階段を登りきると目の前にいるダンの姿に驚いていた。



「あ、こんなところに。お昼まだですよね?どこに行きますか?」



社員たちは、ダンの発言に首をかしげた。



それを不思議に思ったダンは「どうか、しましたか?」と尋ねた。




「どうかしたもなにも、お前さっき昼食は取ったっていったろ?」



「え?僕がそんな事言いました?」



「さっき、階段の下で・・・」



それを聞いたダンは、急いで階段を見下ろした。



一番下の段に人影が見える。


「兄さん?」


「え?」


「い、いえ。なんでもありません。きっと、人違いですよ。先輩たちはまだですよね?行きましょう」


ダンは、階段から社員を遠ざけ自分は、もう一度下を見た。




一番下にいる人物は、こちらを見上げていた。



「あ、あの。先に行っててください」



「お、おう」



ダンは、急いで階段を下りた。



「兄さん!!!」


誰もいない事を確認し、ダンは叫んだ。



男は立ち止まり、こちらを見た。



そして、人差し指を立て、口にもっていくと「シーッ」と言った。



「まって兄さん!まだ話があるんだ!」




男は、ダンの話を最後まできかずに姿を消した。



「兄さん・・・大事な話なんだよ・・・」




ダンは、唇をかみしめながら、姿を消した場所を見つめていた。





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