THIEF -シーフ-

SIVA

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再会

3-5

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スーツを着込んだ男三人は、互いの姿を見てニヤついた。



「チップ。お前が一番スーツ似合ってないな」


掴まれていた男は、手錠を外されながら言った。


「こういうのは着慣れてないいんだよ。あんたらと一緒にしないでくれよ」


チップはスーツの裾を引っぱりながら口を尖らせている。

「ライト。やっぱ君は様になるね」


「ウォルトだってなかなかだぞ?」


「そりゃどうも」


「さぁ。お遊びはそこまで。どうやって、ここを抜け出すんだ?あのまま、外に出た方がよかったんじゃないか?」

あたりを見回しながら逃げ道を考えているチップ。 


こめかみを人差し指で押しながら、頭の中でこの建物の図表を思い浮かべている。

「そうしたいが、取調室って言われたからな。作戦を変更した」


「ライト」


ライトは、ネクタイをほどきながらウォルトに目をやった。


「彼女、立派になってたね」


ウォルトが彼女、レニーを見たのは六年ぶりだった。


ライトは何も言わず上着も脱いだ。

「ウォルトとチップは先に出てくれ。俺といる所を見られたらまずいからな・・・。おいチップ。いい加減その仮面を外せ」


チップは、渋々仮面を外した。



顔にフィットしたその仮面は、リアルに作られている。


首の下からゆっくりとそれをひきはがし、徐々にチップ本来の顔が見えてきた。



「もうちょっと、味わいたかったな」


「チップはいつも、現場にはいかないからな」


ウォルトは、はがされた顔をリュックにしまいながら言った。


「準備は良いか?チップ。外に出たら、警報を鳴らせ。ウォルト、お前は、これを張ってから出てくれ」


「ライトは?」


「俺は、もう一度あの女のところへ行ってくる」


「無謀じゃないか?」


「少し、確認したい事がある」そう言って、一番に部屋を出て行った。


ウォルトとチップは互いに顔を合わせ、ゆっくりと部屋を出て行った。
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