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決着の時
10-21
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少し離れた場所から、オーエンがレニーに手錠をかけられているところ見届けていたライトとベスは、小さくため息を漏らした。
「なぁんか、あっさりね」
ベスは、ライトに言った。
ライトも同じことを思っていたらしく、あたりを見回し始めた。
「何か考えてるの?」
「ん?あぁ、なにも?レニーが言ってたろ?もう少しで他の警察官たちが来るって。だから逃げ道を確保しとかないとな?」
「あぁ、そっちの心配ね」
呆れた声を出すベス。
『逃げ道の確保は俺っちにまかせってよぉ』
イラつく声が耳に響いた。
『ルパン!!!』
耳にもう一人の声が聞こえた。
「だから、その名前で呼ぶなっつーの」
『声が近いってことは、近くにいるようね』
「だったら?」
あたりを見回していると、ベスがライトの肩を叩いた。
ライトは叩かれている方をみた。
『礼なんかいいたくないけど…』
走っているライトは足を止めた。
「ちょっとライト、急いで」
ベスは足を止めずにライトに言った。
「先に言っててくれ」
ライトは耳に手を当てながら反対側の手で先に行くよう指を指した。
「礼なんか言うつもりないんだろう?」
振り返ったライトの前に立っていたレニーは、銃口をこちらに向けていた。
「その自信のある表情。オーエンを捕まえたみたいだな」
「これで聞きながらその辺で見てたんでしょ」そう言って、耳についているインカムをはずしライトに投げ渡した。
「協力はここまで。今からでもあなたを捕まえようと思えばできるわ」
「せっかく協力したのに、今日は勘弁してもらえないのか?」
へらへらとしながら照準を合わせられないように左右に揺れている。
「大人しくあなたも逮捕されてください」
「そんなこと言われて、『はいどうぞ』って言えるかよ」
揺らっと大きく体が傾いたかと思うと、しゃがみ込み下の砂利をつかむと、レニーに投げつけた。
「っうっ……」
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