THIEF -シーフ-

SIVA

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決着の時

10-12

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ライトは、首を傾げながら、壁に沿って歩いていた。

インカムから、チップの声が聞こえてきた。


 『ライト。ダンが、奴と接触したぞ』


 「了解。俺ももう少しで到着だ。レニーは?」


 『レニーも向かってる。今のところ、順調だな』


 「今のところな……」


 物陰に隠れるように身をひそめたライトの視界には、ダンと、犯人を捕らえていた。


ダンの表情は、レニーと一緒にいた時とはまるで違っていた。


 「まさか、君が自ら接触してくるとは思わなかったよ」

 「あんたこそ」


 極力会話でばれないように、口数を減らしている。


 眉間にしわを寄せている相手は、ダンをじっと見ている。


 「いつから、自分が犯人だって気が付いたんだ?」


 「レニーと一緒にいた時、変なことを言ってたからな。それが気になってたんだ」


 「あぁ、そっかぁ。やっぱり彼女と一緒にいた時に変なこと言ってたんだなぁ。あとから気になってたんだ。でも、彼女は気づいてないだろ?」


 「さぁ。俺には関係ない」


ダンの額に薄らと汗がにじんできた。

 
『早いところ、核心をついてくれると助かるんだが』


インカムから、ライトの声がひっそりと聞こえてきた。


ダンはその声で、少し落ち着きを取り戻した。
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