THIEF -シーフ-

SIVA

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疑念

9-16

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レニーは、資料を手に取りしばらくそれを眺めた。




 「これで俺が犯人じゃないってわかってもらえたかな?」



レニーは、ライトをにらみながら「でも、これが正しいなら、犯人は…」と唇をかみしめた。



 「俺は犯人じゃないってわかったろ。むしろ、俺だって被害者なんだぜ?」



ととぼけながら言った。



その言葉にムッと来たレニーは「住居侵入、窃盗罪は免れないわ」とにらんだ。





 「だから俺を連れてけって言ってるだろ?」



ライトは両手を胸の前でくっつけた。



 大きくため息をついてライトの前に立つと「じゃ、行きましょう」といって、ダンの前を通り過ぎた。



 「兄さん…」




 「大丈夫だって。俺を誰だと思ってんの?」



 口角を上げ、ダンに向かってウインクをした。



ダンは、不安げな顔をして二人の背中を見送った。




レニーは少し歩いた後、振り返り「あなたにはまた後ほど、話を聞きたいので家にいてください」と言った。



 二人を見送ったダンは、しばらくしてフッと笑みをこぼした。





***


ダンは、誰もいなくなった事を確認してこらえていた笑いがフツフツと湧き上がり、人目をはばからずケラケラと笑いながら、携帯を取り出しどこかへ電話をした。




 「初めてだな。双子で感謝したいって思ったのは―――――」



電話の相手は、低く落ち着いた声で反応をしてきた。



 「あ、ダン?そろそろネタ証してやってもいいぜ?」そういって、電話を切った。



レニーと対面して、正直どうやって逃げようか、それだけを考えていた。



その時に、レニーがダンの存在に気が付きひらめいたのがこの作戦だった。

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