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2.遡る事、一年前……
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俺を横目で見ながら『もしもし』と言った有太の声は意外にも冷静だった。
(って、そんな分析はどーでもいいんだっ!)
手を必死に伸ばして奪い取りたい所なのに、有太の手が顔面に当てられそれが上手く出来ない。
(あぁ、ちきしょう)
何で力でこいつに勝てないんだ。
勉強では勝てる……あ、後多分顔も勝ってる……って今はそんなのどーでもいい!!何がなんでもスマホを奪い返さないと。
『なんで先生が、倫太郎の番号知ってんっすか』
雑念だらけの俺を置いて有太は話を始めた。
『あれ?相良?なんでお前が出るの?ってか生徒の携帯の番号はみんな知ってるけど?なんなら、お前の番号を言ってやろうか?』
電話越しにかすかに有栖川の声が聞こえてきた。
『有太っ!いいから返せって!!』
必死に手を伸ばす俺を見ながら有太は話を進める。
『武田は隣にいるんだな?変われよ。相良には用はないからさぁ』
『イヤだ。あんたに変わるくらいならこの電話切る』
『いいけど?お前のいない時間見計らってかけ直すから』
一枚も二枚も上手な相手。
言葉じゃきっと有栖川に敵う奴なんていない気がする。
(って、そんな分析はどーでもいいんだっ!)
手を必死に伸ばして奪い取りたい所なのに、有太の手が顔面に当てられそれが上手く出来ない。
(あぁ、ちきしょう)
何で力でこいつに勝てないんだ。
勉強では勝てる……あ、後多分顔も勝ってる……って今はそんなのどーでもいい!!何がなんでもスマホを奪い返さないと。
『なんで先生が、倫太郎の番号知ってんっすか』
雑念だらけの俺を置いて有太は話を始めた。
『あれ?相良?なんでお前が出るの?ってか生徒の携帯の番号はみんな知ってるけど?なんなら、お前の番号を言ってやろうか?』
電話越しにかすかに有栖川の声が聞こえてきた。
『有太っ!いいから返せって!!』
必死に手を伸ばす俺を見ながら有太は話を進める。
『武田は隣にいるんだな?変われよ。相良には用はないからさぁ』
『イヤだ。あんたに変わるくらいならこの電話切る』
『いいけど?お前のいない時間見計らってかけ直すから』
一枚も二枚も上手な相手。
言葉じゃきっと有栖川に敵う奴なんていない気がする。
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