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2.遡る事、一年前……
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『おい。いつまで抱きついてんだよ。苦しい』
言ったところで、離れようとしない。
ため息をついてから、頭をポンポンしてやった。
それが意外だったのか、勢い良く身体が離れまん丸とした目で俺を見下ろしてきた。
(何て顔してんだよ)
『倫太郎……』
甘い声で俺の名前を呼んだ有太は、顔を首に近づけるとスンッと匂いを嗅ぎ、そのままゆっくりと舌を這わせてきた。
ぞわりと鳥肌が立って思わず身を捩って逃げようとしたけど、動くのは肩だけ。
焦った俺は『ちょ、ストップストップ。何しようとしてんだ』声を張り上げて制止させようとした。
『黙れって─────『黙んねぇって!お前有栖川に触発されすぎ!!!』
『当たり前だろ!』
『いたっ……』
引き剥がそうと腕を伸ばしかけると、強引に押さえつけられ手首がヒリッと痛んだ。
余裕のないその表情は、たまにみせる欲求不満な顔とは違っていた。
何処か不安で、何処か焦りのある表情。
あいつの”宣戦布告”って言葉が、こいつを追い詰めた。
単純で面白い、けど、同時に恐怖も感じた。
有太がここまでになるなんて初めての事だった。
『キスしたい』
『は、はぁ?お前、だって、キスしたらそれ以上してくるだろ』
『 俺の方が倫太郎の事知ってるし、何処が弱いかなんてアリスは知らないだろ?』
(うん、うん?)
話の流れがおかしい。
『有太?』
『今日はキス以上の事をしたい。あいつに負けたくない』
『勝ち負けの問題?』
いよいよやばい状況に焦り始めた俺。
言ったところで、離れようとしない。
ため息をついてから、頭をポンポンしてやった。
それが意外だったのか、勢い良く身体が離れまん丸とした目で俺を見下ろしてきた。
(何て顔してんだよ)
『倫太郎……』
甘い声で俺の名前を呼んだ有太は、顔を首に近づけるとスンッと匂いを嗅ぎ、そのままゆっくりと舌を這わせてきた。
ぞわりと鳥肌が立って思わず身を捩って逃げようとしたけど、動くのは肩だけ。
焦った俺は『ちょ、ストップストップ。何しようとしてんだ』声を張り上げて制止させようとした。
『黙れって─────『黙んねぇって!お前有栖川に触発されすぎ!!!』
『当たり前だろ!』
『いたっ……』
引き剥がそうと腕を伸ばしかけると、強引に押さえつけられ手首がヒリッと痛んだ。
余裕のないその表情は、たまにみせる欲求不満な顔とは違っていた。
何処か不安で、何処か焦りのある表情。
あいつの”宣戦布告”って言葉が、こいつを追い詰めた。
単純で面白い、けど、同時に恐怖も感じた。
有太がここまでになるなんて初めての事だった。
『キスしたい』
『は、はぁ?お前、だって、キスしたらそれ以上してくるだろ』
『 俺の方が倫太郎の事知ってるし、何処が弱いかなんてアリスは知らないだろ?』
(うん、うん?)
話の流れがおかしい。
『有太?』
『今日はキス以上の事をしたい。あいつに負けたくない』
『勝ち負けの問題?』
いよいよやばい状況に焦り始めた俺。
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