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2.闇
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しおりを挟む「俺は―――――」と男が言いかけふと足元を見た。
水かさが 増してきている。
早さが尋常ではない。このままここにいるのは危険だ。
「早い所、出口を探そう。このままここで死ぬのはごめんだ」そう言って扉の所まで歩いた。
ドア付近まで来ると、すでに見えないドアノブを手探りで探し唐牛で当たった指を頼りに今度はしっかりとドアノブを握りしめた。
ドアノブを捻る事も出来ず押したり引いたりしてみたが・・・「開かない」
「ここにバールのようなものがあります!これ、これで開けられますか?」
沙耶香に言われ男が辺りを見回していると、バールを握りしめ、バシャバシャ音を立てながら男に近づいた。
「これ!」
男はそれを受け取り眺めた。
「なんだこれ・・・血痕か?」
ヒッと悲鳴をあげ紗耶香は、数歩下がった。
男は自分の頭を押さえたが、血が出ているところはなかった。
一緒にいる女性には外傷はない。
自分たち以外に誰かいる?
男はそう考えた。
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