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1.目覚め
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しおりを挟む「あの、違うの・・・無線から、声が聞こえたの」
莉子の言葉に、大樹は、急いで無線機を手にした。
先程の印の事など忘れてダイアルを回した。
「聞こえますか?聞こえていたら、応答してください」
《ザザザ》
《・・・》
《・・・ザザッ・・・こえますか?》
《ザザッ・・聞こえますか?聞こえますか?》
(やった!声が聞こえた!)
鮮明になった声の主は、女性だった。
二人は顔を合わせホッとした表情を浮かべた。
「はい!はい!聞こえます!はっきりと!ここは、何処ですか?わかりますか?どうぞ」
《・・・》
《・・・》
《わかりません。あの、私は、阿佐美といいます。どうぞ》
女性の名前は、阿佐美。
彼女は一人なのだろうか。
大樹は、莉子を見ながら「僕は、大樹です。もう一人、ここにいます。名前は、莉子さん・・・」と言った。
莉子は大樹を見ながら頷いた。
ややあってから、相手方にも男性が一人いる事がわかった。
名前は、義行。
「そこから、出られそうですか?どうぞ」
大樹はそう言いながら、辺りを見回し先程の印の所に向かった。
《わかりません。でも、早くしないと、部屋が水一杯に・・・》
《ザザザーッ》
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