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嫌いじゃないけど……
嫌いじゃないけど…… 4
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「これじゃ、あのグルメリポーターの言葉も満更じゃないよな」
丼を両手で抱えながら見た。
「だろ?ここのイクラとウニは兎に角絶品だから、早く食べよ」
いただきます、と隣で声が聞こえたかと思うと一気にかき込む姿が視界に入ってきた。
「ちょ、アリス!!!」
「相変わらず豪快ですね。有栖川様」
「ん、あぁ。ごめ……つい」
クスクスと笑われながらも、丼を抱え込んで大きな口で頬張る姿は、見ていてすがすがしい気持ちになってきた。
「すいません……」
代わりに俺が謝ると「いえいえ。良いんですよ。こうやって豪快に食べていただけるなんて、嬉しいです」
なんとも懐が深い若女将さん。
「さぁ、あなた様も」そう促され、割り箸を丁寧に二つに割ってから、好物のイクラ側から食べる。
言ってなかったけど、イクラとウニは、かなり好物。
一口口に入れただけでわかる。これはマジな奴だ。
目を開いて、隣でひたすらに食べ続けてる男の方を見れば、食べながら笑顔を向けてくる。
二人で一気に食べ終えて、俺は、一息つこうとお茶を飲んでいると「良かったよ。気に入ってくれたみたいだな」
若女将が最後にサービスですと言ってテーブルに置いていった、かぼちゃの形をしたクッキーとプリンを頬張りながら言った。
「あぁ、美味かったよ。俺、イクラとウニ好物なんだ」
「だったら、連れてきた甲斐があったな」
「ありがとう」
素直に口からお礼の言葉が出た。ほんとに美味かったし、恥ずかしかったけどあんな風に俺の事言ってくれたのが嬉しかったから……
「ん」
有栖川も何か察したのか、珍しく茶化す事なく俺の“ありがとう”を受け止めていた。
丼を両手で抱えながら見た。
「だろ?ここのイクラとウニは兎に角絶品だから、早く食べよ」
いただきます、と隣で声が聞こえたかと思うと一気にかき込む姿が視界に入ってきた。
「ちょ、アリス!!!」
「相変わらず豪快ですね。有栖川様」
「ん、あぁ。ごめ……つい」
クスクスと笑われながらも、丼を抱え込んで大きな口で頬張る姿は、見ていてすがすがしい気持ちになってきた。
「すいません……」
代わりに俺が謝ると「いえいえ。良いんですよ。こうやって豪快に食べていただけるなんて、嬉しいです」
なんとも懐が深い若女将さん。
「さぁ、あなた様も」そう促され、割り箸を丁寧に二つに割ってから、好物のイクラ側から食べる。
言ってなかったけど、イクラとウニは、かなり好物。
一口口に入れただけでわかる。これはマジな奴だ。
目を開いて、隣でひたすらに食べ続けてる男の方を見れば、食べながら笑顔を向けてくる。
二人で一気に食べ終えて、俺は、一息つこうとお茶を飲んでいると「良かったよ。気に入ってくれたみたいだな」
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「あぁ、美味かったよ。俺、イクラとウニ好物なんだ」
「だったら、連れてきた甲斐があったな」
「ありがとう」
素直に口からお礼の言葉が出た。ほんとに美味かったし、恥ずかしかったけどあんな風に俺の事言ってくれたのが嬉しかったから……
「ん」
有栖川も何か察したのか、珍しく茶化す事なく俺の“ありがとう”を受け止めていた。
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