15 / 26
015 潰瘍性大腸炎だった話②~専門病院で初診、採血~
しおりを挟む
夜寝る前に動画配信サイトで動画を見るのが日課の私は、おすすめにでてきた大腸ガンになった漫画家さんが描いた実録漫画の動画を見ていた。
動画で漫画が読める優れものである。
つらい検査や手術を明るく乗り越える漫画家さんに、とても勇気をもらった。
もし、私も大腸がんだったしても、この漫画家さんみたいに過ごしたいなと考えていた。
元々、統合失調症を患い、希死念慮もたまにあった私は死ぬのはあまり怖いと思わなかった。
天国にいる大好きなおじいちゃんやひいおばあちゃんやワンコに思いを馳せて涙を流したりもしていた。
まだ診断もされてないのに、センチメンタルな気持ちになっていた。
その日の夕方に、母に専門の病院へ連れて行ってもらうことになっていた。
きっと、大腸検査をするんだ。こわいな。
痔かもしれないなら、先生におしりをみせるのかなとも考えていた。
大学の勉強をすすめながら、母が帰ってくるのを待っていた。
そして、ようやく母が仕事から帰ってきた。
「お母さん!おかえり!病院いこう。疲れてるのにごめんね。」
なぜか母は驚いた様子で、
「もしかしたら行かないのかもと思っていた。怖がっていたから。わかったよ」
病院までバスで行くこともできるが、不安が強い私は、母に付き添ってもらうことに安心感を覚えるので、送迎をお願いすることにした。
病院につくと、その病院は土足厳禁なのに、スリッパがなかった。
「次来る時は靴下を履いてこないとね~」
私も母もサンダルを履いてきていたので、裸足のままあがった。
受付をして、問診票を書く。
17時過ぎだけど、患者さんがちらほらいる。
問診票を書き終わり、私のお薬手帳と一緒に受付に提出した。
「ふだん飲んでいる薬の説明の紙も持ってきたんだけど、これもいりますか?」
受付の人は、薬の名前さえ分かればいいんですよ~といって、お薬手帳をコピーしていた。
「本山さん、2番にどうぞ」
先生に放送で呼ばれて、いよいよ診察になる。
診察室のドアをノックして、開けると、若い男の先生が座っていた。
少しイケメンかもしれない。
荷物をカゴにおいて、先生の前に座る。
「下痢の症状は1年前からだね?」
問診票を見ながら質問する先生。
「えっと、お腹がゆるいのは3年前からで、下痢がひどくなって血便がでたのは1年前からです。血便は今まで3回あって」
おろおろしながら、事実を伝える私に、うーんと先生は考えていた。
問診票の症状を書くスペースが狭かったので、上手くかけてなかったかもしれない。
今言えてよかった。
「1度、大腸の検査した方がいいね。いつがいい?」
「平日は今日みたいな時間で夕方なら⋯⋯」
母の予定も聞かないといけないのに、母は待合室で待ってるしな。バスでこようかな。
「あっ、大腸検査は一日かかるよ。朝からだよ!そっちにカレンダーあるよ」
先生が教えてくれた。
カレンダーを振り返り、何日がいいかなぁ。と悩んでいると。
「27とか28日なんてどう?」
と来週の週末を提案してくれる先生。土曜日でもいいのか。でも土曜日は精神科に通院の日だし、金曜は作業所行く日だなぁ。
「26日でお願いします」
「わかったよ。貧血がないか、今日採血もするね。」
「はい!ありがとうございました」
そう言って、頭を下げて診察室を後にした。
待合室にいた母に、大腸検査になったよと。26日大丈夫?と聞いてみた。
「26日は、職場で休み取るのは言いづらいや。31日ならいいよ。休みは1週間前にいうことになってるの」
あわてて受付で、予約を変更してもらった。
受付の人は、
「うちはいつでもいいので~」
とやさしかった。
少し待ってると、また名前を呼ばれた。
採血だ。
部屋に入っていくと、看護師さんが、おいでおいでとしていた。
椅子にすわり、左腕を台に置くと、二の腕を縛られる。
「血便があるの?便秘もする?」
看護師さんが心配そうに声を掛けてくれる。
「便秘はなくて、ずっと下痢なんです」
私は血をとられる様子をじっと見ながら、答えた。
「それも辛いね~」
「血便は、痔なのかなとも思うけど、1度検査はした方がいいんだろうなと思って」
看護師さんはうんうんとうなずきながら、
「痔だと思ってたら、出口のすぐ近くに大きいポリープがあった人もいたのよ。検査はした方がいいよ!」
看護師さんの言葉にひえーとなる。
「そうなんだぁ!!はい!検査します!」
そんなことを話してると採血はあっという間に終わった。
受付でお金を払い、その日は母の運転で真っ直ぐ帰った。
動画で漫画が読める優れものである。
つらい検査や手術を明るく乗り越える漫画家さんに、とても勇気をもらった。
もし、私も大腸がんだったしても、この漫画家さんみたいに過ごしたいなと考えていた。
元々、統合失調症を患い、希死念慮もたまにあった私は死ぬのはあまり怖いと思わなかった。
天国にいる大好きなおじいちゃんやひいおばあちゃんやワンコに思いを馳せて涙を流したりもしていた。
まだ診断もされてないのに、センチメンタルな気持ちになっていた。
その日の夕方に、母に専門の病院へ連れて行ってもらうことになっていた。
きっと、大腸検査をするんだ。こわいな。
痔かもしれないなら、先生におしりをみせるのかなとも考えていた。
大学の勉強をすすめながら、母が帰ってくるのを待っていた。
そして、ようやく母が仕事から帰ってきた。
「お母さん!おかえり!病院いこう。疲れてるのにごめんね。」
なぜか母は驚いた様子で、
「もしかしたら行かないのかもと思っていた。怖がっていたから。わかったよ」
病院までバスで行くこともできるが、不安が強い私は、母に付き添ってもらうことに安心感を覚えるので、送迎をお願いすることにした。
病院につくと、その病院は土足厳禁なのに、スリッパがなかった。
「次来る時は靴下を履いてこないとね~」
私も母もサンダルを履いてきていたので、裸足のままあがった。
受付をして、問診票を書く。
17時過ぎだけど、患者さんがちらほらいる。
問診票を書き終わり、私のお薬手帳と一緒に受付に提出した。
「ふだん飲んでいる薬の説明の紙も持ってきたんだけど、これもいりますか?」
受付の人は、薬の名前さえ分かればいいんですよ~といって、お薬手帳をコピーしていた。
「本山さん、2番にどうぞ」
先生に放送で呼ばれて、いよいよ診察になる。
診察室のドアをノックして、開けると、若い男の先生が座っていた。
少しイケメンかもしれない。
荷物をカゴにおいて、先生の前に座る。
「下痢の症状は1年前からだね?」
問診票を見ながら質問する先生。
「えっと、お腹がゆるいのは3年前からで、下痢がひどくなって血便がでたのは1年前からです。血便は今まで3回あって」
おろおろしながら、事実を伝える私に、うーんと先生は考えていた。
問診票の症状を書くスペースが狭かったので、上手くかけてなかったかもしれない。
今言えてよかった。
「1度、大腸の検査した方がいいね。いつがいい?」
「平日は今日みたいな時間で夕方なら⋯⋯」
母の予定も聞かないといけないのに、母は待合室で待ってるしな。バスでこようかな。
「あっ、大腸検査は一日かかるよ。朝からだよ!そっちにカレンダーあるよ」
先生が教えてくれた。
カレンダーを振り返り、何日がいいかなぁ。と悩んでいると。
「27とか28日なんてどう?」
と来週の週末を提案してくれる先生。土曜日でもいいのか。でも土曜日は精神科に通院の日だし、金曜は作業所行く日だなぁ。
「26日でお願いします」
「わかったよ。貧血がないか、今日採血もするね。」
「はい!ありがとうございました」
そう言って、頭を下げて診察室を後にした。
待合室にいた母に、大腸検査になったよと。26日大丈夫?と聞いてみた。
「26日は、職場で休み取るのは言いづらいや。31日ならいいよ。休みは1週間前にいうことになってるの」
あわてて受付で、予約を変更してもらった。
受付の人は、
「うちはいつでもいいので~」
とやさしかった。
少し待ってると、また名前を呼ばれた。
採血だ。
部屋に入っていくと、看護師さんが、おいでおいでとしていた。
椅子にすわり、左腕を台に置くと、二の腕を縛られる。
「血便があるの?便秘もする?」
看護師さんが心配そうに声を掛けてくれる。
「便秘はなくて、ずっと下痢なんです」
私は血をとられる様子をじっと見ながら、答えた。
「それも辛いね~」
「血便は、痔なのかなとも思うけど、1度検査はした方がいいんだろうなと思って」
看護師さんはうんうんとうなずきながら、
「痔だと思ってたら、出口のすぐ近くに大きいポリープがあった人もいたのよ。検査はした方がいいよ!」
看護師さんの言葉にひえーとなる。
「そうなんだぁ!!はい!検査します!」
そんなことを話してると採血はあっという間に終わった。
受付でお金を払い、その日は母の運転で真っ直ぐ帰った。
10
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる