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イベント
イベント⑫
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登録を終えて三十分もすると、辺りは完全な夜となる。もう参加者の大多数は休息をとっているのだろう。 俺はそのまま進み続ける。
魔人と別れてからの一時間、ずっと最後の出来事を考察していた。あれは、単なる魔力の譲渡では無いと考える。彼にとっては魔力だけを渡したつもりだったのだろうが、それならば記憶も同時に流れてくる筈がない。死に際の生命は、誰にも予測できないものだ。例えそれが本人でも。
一時間かけて達した結論は、疑似的な融合ではないのだろうか?という答えだ。
俺は元々、今すぐにでも投げ出したいが魔眼を所持している。それがもしかしたら魔人に通じる点だったのかもしれない。
まあ、外見的には何も変わっていないのだが。
そのまま三十分程進み続ける。
精神力はポーションを時々服用していたので、まだ九割は残っている。
スキル一覧を確認しつつ、コンパスを頼りに進んでいると、異変を感じた。
眼前にではなく、ウィンドウの方にだ。登録のときは気付かなかったが、鈍化の魔眼と記されていたところに、【魔人化:5%】と新たに記されている。
なんじゃこりゃ。
取り敢えず【魔人化:5%】を発動してみる。百聞は一見にしかずだ。
「魔人化!チュウニミタイコレ・・・」
叫ぶと、魔眼と同じく目に異変を感じた。周りの景色が微妙にスローになっているが、魔眼のときより遙かに弱くなっているようだ。あれ?
その直後、こんなウィンドウが表示される。
”スキル解放、【影魔術】”
影魔術?以前ネットで調べたときはこんなもの無かったぞ。それに、魔法ではなく魔術と表示されているところも何か意味深だな。しかもスキルとして表示されているのか。夜中に跳ねつつ思案を巡らす。
「【影魔術】!」
こちらも取り敢えず発動。
スキル名が表すとおり影を操る魔術で、真夜中の空に一層濃い闇が伸び縮みしているのがうっすらと確認できる。真夜中で海上だったこともあり、辺りは真っ暗。そのためか精神力の消費が恐ろしく少ない。
その影は、こちらの意志で自由自在に動かすことが出来る。
魔人と別れてからの一時間、ずっと最後の出来事を考察していた。あれは、単なる魔力の譲渡では無いと考える。彼にとっては魔力だけを渡したつもりだったのだろうが、それならば記憶も同時に流れてくる筈がない。死に際の生命は、誰にも予測できないものだ。例えそれが本人でも。
一時間かけて達した結論は、疑似的な融合ではないのだろうか?という答えだ。
俺は元々、今すぐにでも投げ出したいが魔眼を所持している。それがもしかしたら魔人に通じる点だったのかもしれない。
まあ、外見的には何も変わっていないのだが。
そのまま三十分程進み続ける。
精神力はポーションを時々服用していたので、まだ九割は残っている。
スキル一覧を確認しつつ、コンパスを頼りに進んでいると、異変を感じた。
眼前にではなく、ウィンドウの方にだ。登録のときは気付かなかったが、鈍化の魔眼と記されていたところに、【魔人化:5%】と新たに記されている。
なんじゃこりゃ。
取り敢えず【魔人化:5%】を発動してみる。百聞は一見にしかずだ。
「魔人化!チュウニミタイコレ・・・」
叫ぶと、魔眼と同じく目に異変を感じた。周りの景色が微妙にスローになっているが、魔眼のときより遙かに弱くなっているようだ。あれ?
その直後、こんなウィンドウが表示される。
”スキル解放、【影魔術】”
影魔術?以前ネットで調べたときはこんなもの無かったぞ。それに、魔法ではなく魔術と表示されているところも何か意味深だな。しかもスキルとして表示されているのか。夜中に跳ねつつ思案を巡らす。
「【影魔術】!」
こちらも取り敢えず発動。
スキル名が表すとおり影を操る魔術で、真夜中の空に一層濃い闇が伸び縮みしているのがうっすらと確認できる。真夜中で海上だったこともあり、辺りは真っ暗。そのためか精神力の消費が恐ろしく少ない。
その影は、こちらの意志で自由自在に動かすことが出来る。
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