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始まり?の町
5 コロナ
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「おいコロナ、なんか変なの連れてきたな?」
「まあ、コロナさんですから大丈夫でしょうねえ。ああ見えて、人を見る目はありますし」
酒場、カルマータは酒場と呼ぶにはかなり静かであった。どちらかと言えばレストランのような独特の静けさを醸し出している。
「ああ、遅くなってすまない。こっちはさっき襲われていたプレイヤーで、ハヤテ君。二人も、自己紹介を頼むよ」
「ああ、あのプレイヤーか。あんな遅くまで狩ってんじゃねえよ」
「まあまあポプラさん、落ち着いて。私からいかせていただきましょう」
初老と思わしき男性がすっと立ち上がる。
「私はモラクス。コロナさんとは旧知の仲でしてね。どうぞよろしく」
モラクスさんの物腰は実に優雅なものであった。のほほんとした口調の裏腹に、上品な仕草が見え隠れする。しかし、どこか捕らえ所のない人でもあった。
次は、モラクスさんの隣の・・・女性が立ち上がった。
「私はポプラ。さっき言われちまったけどな」
そういうと、モラクスさんを一瞥する。
モラクスさんは、すいませんねぇと苦笑している。
「まあ、コロナと一緒にやらせてもらってるモンだ」
こちらの女性は、モラクスさんとは打って変わって豪快でぶっきらぼうである。だがその言動はどこかこちらのことを気遣ってくれているので、不思議と悪い印象は受けない。
「っと、そんなところかな。ところでハヤテ、聞きたいことって?」
「あ、はい。皆さんは、最初ドコに飛ばされました?」
「どこって・・・そりゃあ小高い丘みたいなところだよ」
なんと!どうやら俺達はエリア一つ超えてたみたいだ。
「それがどうかしたのか?」
「いえ、俺たちは森の中からスタートだったので・・・」
「ランダムということですかねぇ。」
なるへそ。
「ハヤテ君、聞きたいことはそれだけかい?」
「はい。ありがとうございました」
そそくさと立ち去ろうとすると・・・
「おいハヤテ、折角だから飲んでけよ」
「いや、遠慮しておきます」
「まーまーそういわずにさ!一杯だけ、一杯だけ」
「ちょ、本当に無理ですって。っていうかいつの間に酔ってたんですか貴女GYAAAAAAAA」
その後、ポプラに酒を飲まされ、いや注がれ、ほうほうの体でカルマータを出るとログアウトして、昼飯を食べた。
うう、昼から頭がいたいよう。
それにしても時間がたつのが遅いな。
気晴らしに三十分程散歩に出かけることにする。
「まあ、コロナさんですから大丈夫でしょうねえ。ああ見えて、人を見る目はありますし」
酒場、カルマータは酒場と呼ぶにはかなり静かであった。どちらかと言えばレストランのような独特の静けさを醸し出している。
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「ああ、あのプレイヤーか。あんな遅くまで狩ってんじゃねえよ」
「まあまあポプラさん、落ち着いて。私からいかせていただきましょう」
初老と思わしき男性がすっと立ち上がる。
「私はモラクス。コロナさんとは旧知の仲でしてね。どうぞよろしく」
モラクスさんの物腰は実に優雅なものであった。のほほんとした口調の裏腹に、上品な仕草が見え隠れする。しかし、どこか捕らえ所のない人でもあった。
次は、モラクスさんの隣の・・・女性が立ち上がった。
「私はポプラ。さっき言われちまったけどな」
そういうと、モラクスさんを一瞥する。
モラクスさんは、すいませんねぇと苦笑している。
「まあ、コロナと一緒にやらせてもらってるモンだ」
こちらの女性は、モラクスさんとは打って変わって豪快でぶっきらぼうである。だがその言動はどこかこちらのことを気遣ってくれているので、不思議と悪い印象は受けない。
「っと、そんなところかな。ところでハヤテ、聞きたいことって?」
「あ、はい。皆さんは、最初ドコに飛ばされました?」
「どこって・・・そりゃあ小高い丘みたいなところだよ」
なんと!どうやら俺達はエリア一つ超えてたみたいだ。
「それがどうかしたのか?」
「いえ、俺たちは森の中からスタートだったので・・・」
「ランダムということですかねぇ。」
なるへそ。
「ハヤテ君、聞きたいことはそれだけかい?」
「はい。ありがとうございました」
そそくさと立ち去ろうとすると・・・
「おいハヤテ、折角だから飲んでけよ」
「いや、遠慮しておきます」
「まーまーそういわずにさ!一杯だけ、一杯だけ」
「ちょ、本当に無理ですって。っていうかいつの間に酔ってたんですか貴女GYAAAAAAAA」
その後、ポプラに酒を飲まされ、いや注がれ、ほうほうの体でカルマータを出るとログアウトして、昼飯を食べた。
うう、昼から頭がいたいよう。
それにしても時間がたつのが遅いな。
気晴らしに三十分程散歩に出かけることにする。
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