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長旅と不安
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騎士団と別れ宿屋に一度寄宿したウィル達は今後の予定を再確認していた。
「それでグラズバの街には何をしに行くんですか?」
ロイは宿屋に置いてある自分の荷物を整理しながらウィルへと尋ねる。
「グラズバは王国内でも有数の鍛冶職人が多く在住している街だからな。まずはお前の武器を探しに行く」
「僕の武器ですか、でもこの剣まだまだ使えますよ? 捨てるのはもったいないなぁ…」
自分の剣を見ながら踏ん切りがつかない様子のロイだったがウィルの発言でそれが杞憂であったことを知る。
「何を言っている。お前の剣を捨てて新しい剣を買うわけではないぞ」
「え、じゃあ何を買うんですか?」
「それを決めにグラズバに行くんだ。さっきも言った通りグラズバの街には何を鍛冶職人が多数居るから売っている武器種も多彩だ」
「その中からお前に合った武器を最低でも一つは探しておきたい。剣を使えない状況になっても戦えるようにするためにな」
ウィルが今回グラズバに向かう理由を簡単に説明すると、剣しか使えないロイの新たな戦闘方法確立に向けた武器選定である。
本来であれば一つのものを極めるのが定石なのだが… 魔法や魔術が発達したこの世界では剣だけの戦闘方法はあまりにも不利なため、最低でも1~2種類の隠し玉を持つ事が剣士の常識となっていた。
「ああ、なるほどな」
そのことに納得したロイは早速自分に必要な物を考え出す。ここ最近のロイは暇があれば戦闘に関することを考えている。ウィル同様順調に戦闘狂への道を進んでいた。
「僕はあまり体格は良い方ではないのでやはり飛び道具とか使うのがいいんですかね。回帰石みたいなのを投げるとか」
現在のロイはまだ若く成長中という事もあり身長は160台後半と、この世界の平均的な身長である175cmを下回っている。
ちなみにウィルの身長は180cmを超えているが細かくは気にしない性格の為、詳細は不明である。
「回帰石はやめておけ」
「何故ですか?」
先日の効果を目の当たりにし、十分戦闘には使えると確信していたロイはウィルの否定に不思議そうな顔で首を傾げる。
「アレは希少価値が高いせいで価格も高い。戦闘で一々使っていたら無一文になるぞ」
「あぁ…じゃあ弓とかは」
「弓もやめておけ。弓は大人でも使うのに苦労する。それに動いている物に当てるのは高等技術だ。まず素人にはできない芸当だな」
「そんなに難しいんですか?」
イマイチ難しさを理解できないロイにウィルは巷で有名なとある話をする。
「よく言われる話だが…弓で動く標的の急所を的確に撃ち抜けるなら、それだけで一生食い扶持には困らないと言われている」
「そんなにですか…?」
「それくらい難しい技術という例え話だ。とにかく選ぶなら悪いことは言わないから他のものにするんだな」
「うーん…」
「別に今決める必要はない。実際に見て触り…そして手に馴染むものを探せば良い」
荷物を整理し終えたのかウィルは立ち上がりベッドに横になる。
「焦りは禁物だ。今はまず休んで英気を養いそして明日からの旅に備えるんだ」
「わかりました先生…」
そう言いウィルは目を閉じる。しばらくして寝息が聞こえ始めたので恐らくは眠ったのだろうとロイは判断する。
(そういえば先生って剣以外を使っている所見たこと無いな?)
回帰石や華仙香などの道具を除くとウィルはロイの前で剣以外を使ったことがなかった。
「先生もう寝ましたか?」
「…なんだ。お前も早く準備を済ませて寝ろ」
いつも以上にぶっきらぼうな口調で話すウィルに対してロイは疑問を口にする。
「いや、ちょっと気になったんですが…先生って剣以外にも武器ってあるんですか?」
「…オレはその剣以外は持っていないな」
その発言にロイは大袈裟なリアクションをする。
「ええ!? もってないんですか!?」
そんなロイの声に顔をしかめつつ何故剣以外の武器を使用しないのか、その理由をウィルは渋々いった感じで説明し始めた。
「オレは魔法もそうだが技術的な面で他の武器種を使う必要がないからな。お前はまだ技術も生半可だし、それが通用しなかったらどうすることもできなくなる」
「だから最低でも一つは隠し玉を用意しておくことがお前自身の命を救うことに繋がる」
「…わかりました!! じゃあ僕も先生のような技術を身につければ問題ないということでs…痛ったぁ!?」
いつもの様に顔面に布が高速で投げつけられる。寝ている状態でどうやったらこの様な速さで物が投げれるのか不思議で仕方ないが、きっと答えてくれないだろうと何となく理解しているロイはあえてこの事を口にしない。
「はぁ…くだらないこと言ってないで寝ろ」
「結構本気なんですけど…」
「…早く寝ろ」
「はーい…おやすみなさい先生!!」
「…ああ」
しばらくは魔道具の灯りが宿屋の窓から漏れていたが、それもすぐに消え静かな夜風と、草の揺れるのみが辺りに残った。
•
•
•
夜が明け辺りで働き始める商人や依頼の準備をするギルドマンが開拓村でチラホラと出始めた頃、ウィルとロイも荷物を持ちギルドの建物へ向かっていた。
「いやー今回はちゃんと朝に起きることができましたね!!」
「…どの口が言う。オレに蹴り起こされるのはちゃんと起きれるうちに入らんぞ」
「まあまあ、それでも以前に比べればいいほうじゃないですか!!」
開拓村へくる最中のロイは早朝に叩き起こされても道中に歩きながら眠るという器用な行動をしてウィルをドン引きさせたという実績がある。それを踏まえると眠らずに移動できている現状は進歩したとも言えなくはないのかもしれない…
「はぁ…」
「ちょっと先生!?なんでため息吐くんですか!?」
「…自分の胸に聞いてみろ」
これなら眠りながら着いてくる方が静かで良かったとウィルが考えているとギルドに到着した。
「あっ!?ウィル様にロイ様、おはようございます。お早いご到着ですね?」
ギルドの前には馬車の馬に手入れをしている中性的な見た目の若い騎士団員がいた。
「そういうお前も早いんだな」
ウィルの発言にレヴィルは苦笑いを浮かべながら頬を人差し指でポリポリとかく。
「わたくしが一番新参者ですのでこの子達の手入れを任されているんです。いつでも出れるように手入れするとこの時間になってしまうのです」
「はぁー騎士団も大変なんですねえ」
とても呑気に話すロイだったがここで自分の失言に気がつく。
「そうだな。このお嬢さんを見習って御前も明日からは俺より早く起きれるよう訓練するか?」
「あ、えーと…それは…アハハ」
「そこでなぜ即答できないんだ…まったく…」
二人のやり取りを見ていたレヴィルはクスリと笑う。その行動に二人は一度顔を見合わせ困惑した。
「これは失礼しました。余りにもお二方がまるで父と子のようだったもので…つい…」
二人に謝罪するレヴィルだったがその顔はまだ微笑ましいものを見る目をしていた。
「まあいい。それでオレたちは出発の準備ができているがお前たちはどうなんだ?」
「ええ、もちろん出発の準備はできております。行先は先日お聞きしたグラズバでよろしかったですね?」
「そうだ」
「かしこまりました。では他の団員を呼んで参りますので、そちらの馬車にお乗りになってお待ち下さい」
そう言って昨日見た妙に豪華な馬車に乗り込む用促される。ウィルとロイは促されるまま馬車へ乗り込むと、レヴィルは一度頭を下げ扉を閉める。
しばらくして馬車の外から騎士団と思われる声が複数聞こえ始めた。そしてしばらくすると馬車の扉からノックの音聞こえ再び扉が開く。
「ウィルさん、ロイさんおはようございます」
そう言いながら笑顔で話す怪し気な騎士団員…マーカスは出発の報告をしに来たようである。如何せん先日の件もありマーカスがやること為すことすべて怪しく見える二人だがここは大人しくその報告を聞き入れる。
「これから出発いたしますので、何かあったらこちらのベルを鳴らして下さい。例え話気分転換に外へ出たいだとかそういったことでも構いません」
「はえーなんかお貴族様になったみたいでワクワクしますね!!」
そんなロイにマーカスは笑顔で
「実際貴族への対応と同じですよ。先日のちょっとしたお詫びです」
そう言うと他に質問がないか確かめ、なにもないことを確認するとマーカスはお辞儀をして扉を閉めた。それからすぐに馬車が揺れる。
どうやら動き始めたようである。さすが貴族専用の馬車と言うだけあってのりごこちはとても良い。ロイに至っては初の馬車、初の貴族の体験にテンションがややおかしくなっている。
対してウィルは窓から外を無感情に眺めていた。これから十数日の長旅に一抹の不安を覚えたウィルは、この長旅が何事もなく無事に終わるようにと人生で初めて神に祈るのであった。
「それでグラズバの街には何をしに行くんですか?」
ロイは宿屋に置いてある自分の荷物を整理しながらウィルへと尋ねる。
「グラズバは王国内でも有数の鍛冶職人が多く在住している街だからな。まずはお前の武器を探しに行く」
「僕の武器ですか、でもこの剣まだまだ使えますよ? 捨てるのはもったいないなぁ…」
自分の剣を見ながら踏ん切りがつかない様子のロイだったがウィルの発言でそれが杞憂であったことを知る。
「何を言っている。お前の剣を捨てて新しい剣を買うわけではないぞ」
「え、じゃあ何を買うんですか?」
「それを決めにグラズバに行くんだ。さっきも言った通りグラズバの街には何を鍛冶職人が多数居るから売っている武器種も多彩だ」
「その中からお前に合った武器を最低でも一つは探しておきたい。剣を使えない状況になっても戦えるようにするためにな」
ウィルが今回グラズバに向かう理由を簡単に説明すると、剣しか使えないロイの新たな戦闘方法確立に向けた武器選定である。
本来であれば一つのものを極めるのが定石なのだが… 魔法や魔術が発達したこの世界では剣だけの戦闘方法はあまりにも不利なため、最低でも1~2種類の隠し玉を持つ事が剣士の常識となっていた。
「ああ、なるほどな」
そのことに納得したロイは早速自分に必要な物を考え出す。ここ最近のロイは暇があれば戦闘に関することを考えている。ウィル同様順調に戦闘狂への道を進んでいた。
「僕はあまり体格は良い方ではないのでやはり飛び道具とか使うのがいいんですかね。回帰石みたいなのを投げるとか」
現在のロイはまだ若く成長中という事もあり身長は160台後半と、この世界の平均的な身長である175cmを下回っている。
ちなみにウィルの身長は180cmを超えているが細かくは気にしない性格の為、詳細は不明である。
「回帰石はやめておけ」
「何故ですか?」
先日の効果を目の当たりにし、十分戦闘には使えると確信していたロイはウィルの否定に不思議そうな顔で首を傾げる。
「アレは希少価値が高いせいで価格も高い。戦闘で一々使っていたら無一文になるぞ」
「あぁ…じゃあ弓とかは」
「弓もやめておけ。弓は大人でも使うのに苦労する。それに動いている物に当てるのは高等技術だ。まず素人にはできない芸当だな」
「そんなに難しいんですか?」
イマイチ難しさを理解できないロイにウィルは巷で有名なとある話をする。
「よく言われる話だが…弓で動く標的の急所を的確に撃ち抜けるなら、それだけで一生食い扶持には困らないと言われている」
「そんなにですか…?」
「それくらい難しい技術という例え話だ。とにかく選ぶなら悪いことは言わないから他のものにするんだな」
「うーん…」
「別に今決める必要はない。実際に見て触り…そして手に馴染むものを探せば良い」
荷物を整理し終えたのかウィルは立ち上がりベッドに横になる。
「焦りは禁物だ。今はまず休んで英気を養いそして明日からの旅に備えるんだ」
「わかりました先生…」
そう言いウィルは目を閉じる。しばらくして寝息が聞こえ始めたので恐らくは眠ったのだろうとロイは判断する。
(そういえば先生って剣以外を使っている所見たこと無いな?)
回帰石や華仙香などの道具を除くとウィルはロイの前で剣以外を使ったことがなかった。
「先生もう寝ましたか?」
「…なんだ。お前も早く準備を済ませて寝ろ」
いつも以上にぶっきらぼうな口調で話すウィルに対してロイは疑問を口にする。
「いや、ちょっと気になったんですが…先生って剣以外にも武器ってあるんですか?」
「…オレはその剣以外は持っていないな」
その発言にロイは大袈裟なリアクションをする。
「ええ!? もってないんですか!?」
そんなロイの声に顔をしかめつつ何故剣以外の武器を使用しないのか、その理由をウィルは渋々いった感じで説明し始めた。
「オレは魔法もそうだが技術的な面で他の武器種を使う必要がないからな。お前はまだ技術も生半可だし、それが通用しなかったらどうすることもできなくなる」
「だから最低でも一つは隠し玉を用意しておくことがお前自身の命を救うことに繋がる」
「…わかりました!! じゃあ僕も先生のような技術を身につければ問題ないということでs…痛ったぁ!?」
いつもの様に顔面に布が高速で投げつけられる。寝ている状態でどうやったらこの様な速さで物が投げれるのか不思議で仕方ないが、きっと答えてくれないだろうと何となく理解しているロイはあえてこの事を口にしない。
「はぁ…くだらないこと言ってないで寝ろ」
「結構本気なんですけど…」
「…早く寝ろ」
「はーい…おやすみなさい先生!!」
「…ああ」
しばらくは魔道具の灯りが宿屋の窓から漏れていたが、それもすぐに消え静かな夜風と、草の揺れるのみが辺りに残った。
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夜が明け辺りで働き始める商人や依頼の準備をするギルドマンが開拓村でチラホラと出始めた頃、ウィルとロイも荷物を持ちギルドの建物へ向かっていた。
「いやー今回はちゃんと朝に起きることができましたね!!」
「…どの口が言う。オレに蹴り起こされるのはちゃんと起きれるうちに入らんぞ」
「まあまあ、それでも以前に比べればいいほうじゃないですか!!」
開拓村へくる最中のロイは早朝に叩き起こされても道中に歩きながら眠るという器用な行動をしてウィルをドン引きさせたという実績がある。それを踏まえると眠らずに移動できている現状は進歩したとも言えなくはないのかもしれない…
「はぁ…」
「ちょっと先生!?なんでため息吐くんですか!?」
「…自分の胸に聞いてみろ」
これなら眠りながら着いてくる方が静かで良かったとウィルが考えているとギルドに到着した。
「あっ!?ウィル様にロイ様、おはようございます。お早いご到着ですね?」
ギルドの前には馬車の馬に手入れをしている中性的な見た目の若い騎士団員がいた。
「そういうお前も早いんだな」
ウィルの発言にレヴィルは苦笑いを浮かべながら頬を人差し指でポリポリとかく。
「わたくしが一番新参者ですのでこの子達の手入れを任されているんです。いつでも出れるように手入れするとこの時間になってしまうのです」
「はぁー騎士団も大変なんですねえ」
とても呑気に話すロイだったがここで自分の失言に気がつく。
「そうだな。このお嬢さんを見習って御前も明日からは俺より早く起きれるよう訓練するか?」
「あ、えーと…それは…アハハ」
「そこでなぜ即答できないんだ…まったく…」
二人のやり取りを見ていたレヴィルはクスリと笑う。その行動に二人は一度顔を見合わせ困惑した。
「これは失礼しました。余りにもお二方がまるで父と子のようだったもので…つい…」
二人に謝罪するレヴィルだったがその顔はまだ微笑ましいものを見る目をしていた。
「まあいい。それでオレたちは出発の準備ができているがお前たちはどうなんだ?」
「ええ、もちろん出発の準備はできております。行先は先日お聞きしたグラズバでよろしかったですね?」
「そうだ」
「かしこまりました。では他の団員を呼んで参りますので、そちらの馬車にお乗りになってお待ち下さい」
そう言って昨日見た妙に豪華な馬車に乗り込む用促される。ウィルとロイは促されるまま馬車へ乗り込むと、レヴィルは一度頭を下げ扉を閉める。
しばらくして馬車の外から騎士団と思われる声が複数聞こえ始めた。そしてしばらくすると馬車の扉からノックの音聞こえ再び扉が開く。
「ウィルさん、ロイさんおはようございます」
そう言いながら笑顔で話す怪し気な騎士団員…マーカスは出発の報告をしに来たようである。如何せん先日の件もありマーカスがやること為すことすべて怪しく見える二人だがここは大人しくその報告を聞き入れる。
「これから出発いたしますので、何かあったらこちらのベルを鳴らして下さい。例え話気分転換に外へ出たいだとかそういったことでも構いません」
「はえーなんかお貴族様になったみたいでワクワクしますね!!」
そんなロイにマーカスは笑顔で
「実際貴族への対応と同じですよ。先日のちょっとしたお詫びです」
そう言うと他に質問がないか確かめ、なにもないことを確認するとマーカスはお辞儀をして扉を閉めた。それからすぐに馬車が揺れる。
どうやら動き始めたようである。さすが貴族専用の馬車と言うだけあってのりごこちはとても良い。ロイに至っては初の馬車、初の貴族の体験にテンションがややおかしくなっている。
対してウィルは窓から外を無感情に眺めていた。これから十数日の長旅に一抹の不安を覚えたウィルは、この長旅が何事もなく無事に終わるようにと人生で初めて神に祈るのであった。
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