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似た者同士の2人
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「いやぁ、これは詰みですね...参りました!!」
マーカスは剣を突き付けられた一瞬、驚愕の表情を浮かべる。しかしそれも数舜のちに消え失せ、先ほどまでと同じような笑みを浮かべる。
「まさかこれにも対応してしまわれるとは...お見事です」
素直に賞賛の言葉を述べるマーカスは剣を鞘に納めながら仲間の方へと移動するがそれをウィルは制止する。
「どこに行く?まずはロイに治癒魔法をかけてもらおうか」
そんなウィルに「わかっていますよ」と苦笑いを浮かべながら続けて話す。
「まずは準備が必要ですし、ここでは少々やりずらいので移動しましょう」
そういうとマーカスは仲間の騎士に準備をするよう指示を出す。それに返事をするとマーカスと一人の騎士を残して残り全員が訓練場から出ていく。残ったマーカスともう一人の騎士は一度二人の方へ向くと姿勢を正し頭を下げてくる。
「私共も仕事であるとはいえ...本件の功労者のお二方を試すような真似をしてしまい誠に申し訳ございませんでした。」
「気にするな...それがお前らの仕事なのだろう」
「ウィルさん。心遣い感謝します」
先ほどまでとはまったく違う雰囲気のマーカスの謝罪、それに当たり前のように対応するウィルを見てロイは困惑していた。
「あのー」
ロイは意を決しマーカスへ尋ねる。
「なぜ先生をあおるような真似をしたのですか?」
マーカスは笑みを浮かべながらロイの疑問に答える。
「あまり部外者にはおしえるのは良くないのですがお二方を試した手前、教えないのは無礼というものでしょうね」
そういうとマーカスは騎士から何か上のようなものを受け取るとこちらに渡してくる。
「これは...手配書のリストですか?」
「ええ。これは今この国で猛威をふるっている犯罪やその容疑がかけられている者たちのリストです」
「それと今回の件に何の関係があるんですか?」
一層謎が深まるロイだったが、同じく手配書を見ていたウィルはとあることに気が付く。
「これに書かれているのは...武術家だな?」
「その通り、付け加えるなら手配中の中でも特に危険度の高い武術家などが主に載っています。今回の報告でお二方は武術家であることは知っていましたので試させて頂いた次第です」
「え、それなら聞くだけでよかったんじゃあ...」
そういうロイに対し笑みを浮かべながらマーカスは...
「聞くよりも実際に戦った方が手っ取り早いですし、それに戦闘時は人の本性が垣間見えるものなのですよ」
「ええ、そういうものなんですか...?」
困惑するロイがウィルの方を向きながら尋ねると、さも当たり前のように、
「そういうものだ」
ウィルはそう言うが、ロイはいまいち納得できずに微妙な表情をする。そんなところに先ほど出ていった騎士のうちの一人が戻ってきた。
「マーカスさん。準備が完了しましたのでいつでも開始できます」
「了解です。では二人方、医務室へ移動願えるでしょうか?」
「わかった。ロイ行くぞ」
「...はい」
騎士団に連れられギルドの医務室へ向かう。
「ここです」
とある部屋の前で止まると扉を開け中に入るよう促される。中に入ると奥のベッドの横にはいかつい魔道具らしき箱と三大神信仰の正装を身にまとう数人の人が待機していた。
「ではロイさん早速治癒魔法をかけますので、そこのベッドで横になってください。ウィルさんは申し訳ありませんが外で待っていてもらえますか?」
「それは噂通り騎士団の治癒魔法が特殊だからか?」
ウィルの問いにマーカスは笑顔のまま答える。
「まあ、そんなところです。流石に覗くのは控えてくださいね?」
そういうとウィルを部屋から退出させ扉を閉める。
「ふむ仕方ない、あとでロイに聞くか...」
「「聞くのか...」」
たった今機密情報の漏洩は処罰の対象だということを遠回しに教えてくれたのだが、そのことをまったく気にせずロイから聞く気満々のウィルにドン引きするギルド職員たちであった。
マーカスは剣を突き付けられた一瞬、驚愕の表情を浮かべる。しかしそれも数舜のちに消え失せ、先ほどまでと同じような笑みを浮かべる。
「まさかこれにも対応してしまわれるとは...お見事です」
素直に賞賛の言葉を述べるマーカスは剣を鞘に納めながら仲間の方へと移動するがそれをウィルは制止する。
「どこに行く?まずはロイに治癒魔法をかけてもらおうか」
そんなウィルに「わかっていますよ」と苦笑いを浮かべながら続けて話す。
「まずは準備が必要ですし、ここでは少々やりずらいので移動しましょう」
そういうとマーカスは仲間の騎士に準備をするよう指示を出す。それに返事をするとマーカスと一人の騎士を残して残り全員が訓練場から出ていく。残ったマーカスともう一人の騎士は一度二人の方へ向くと姿勢を正し頭を下げてくる。
「私共も仕事であるとはいえ...本件の功労者のお二方を試すような真似をしてしまい誠に申し訳ございませんでした。」
「気にするな...それがお前らの仕事なのだろう」
「ウィルさん。心遣い感謝します」
先ほどまでとはまったく違う雰囲気のマーカスの謝罪、それに当たり前のように対応するウィルを見てロイは困惑していた。
「あのー」
ロイは意を決しマーカスへ尋ねる。
「なぜ先生をあおるような真似をしたのですか?」
マーカスは笑みを浮かべながらロイの疑問に答える。
「あまり部外者にはおしえるのは良くないのですがお二方を試した手前、教えないのは無礼というものでしょうね」
そういうとマーカスは騎士から何か上のようなものを受け取るとこちらに渡してくる。
「これは...手配書のリストですか?」
「ええ。これは今この国で猛威をふるっている犯罪やその容疑がかけられている者たちのリストです」
「それと今回の件に何の関係があるんですか?」
一層謎が深まるロイだったが、同じく手配書を見ていたウィルはとあることに気が付く。
「これに書かれているのは...武術家だな?」
「その通り、付け加えるなら手配中の中でも特に危険度の高い武術家などが主に載っています。今回の報告でお二方は武術家であることは知っていましたので試させて頂いた次第です」
「え、それなら聞くだけでよかったんじゃあ...」
そういうロイに対し笑みを浮かべながらマーカスは...
「聞くよりも実際に戦った方が手っ取り早いですし、それに戦闘時は人の本性が垣間見えるものなのですよ」
「ええ、そういうものなんですか...?」
困惑するロイがウィルの方を向きながら尋ねると、さも当たり前のように、
「そういうものだ」
ウィルはそう言うが、ロイはいまいち納得できずに微妙な表情をする。そんなところに先ほど出ていった騎士のうちの一人が戻ってきた。
「マーカスさん。準備が完了しましたのでいつでも開始できます」
「了解です。では二人方、医務室へ移動願えるでしょうか?」
「わかった。ロイ行くぞ」
「...はい」
騎士団に連れられギルドの医務室へ向かう。
「ここです」
とある部屋の前で止まると扉を開け中に入るよう促される。中に入ると奥のベッドの横にはいかつい魔道具らしき箱と三大神信仰の正装を身にまとう数人の人が待機していた。
「ではロイさん早速治癒魔法をかけますので、そこのベッドで横になってください。ウィルさんは申し訳ありませんが外で待っていてもらえますか?」
「それは噂通り騎士団の治癒魔法が特殊だからか?」
ウィルの問いにマーカスは笑顔のまま答える。
「まあ、そんなところです。流石に覗くのは控えてくださいね?」
そういうとウィルを部屋から退出させ扉を閉める。
「ふむ仕方ない、あとでロイに聞くか...」
「「聞くのか...」」
たった今機密情報の漏洩は処罰の対象だということを遠回しに教えてくれたのだが、そのことをまったく気にせずロイから聞く気満々のウィルにドン引きするギルド職員たちであった。
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