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第1話 告白
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「やっぱり可愛いな」
「おい、俺にも見せろよ」
「先輩かっこいいです!!」
大勢の生徒が、体育館の入り口に集まり、夢中になって見ている。何を見ているか、いや誰を見ているかは、体育館にいる全ての生徒が理解出来るほどの人物だ。
俺、永見 累(ながみ るい)は運動、顔、勉強、普通。パッとしない高校1年生のバレー部だ。そんな俺にも気になる人くらいいる。その人物こそ今、隣のコートでバスケをしている2年の神谷 明(かみや めい)。そう、入り口に集まっている生徒たちの視線の先にいる彼女だ。彼女は男女問わず人気で、運動、顔、勉強、全てをとっても完璧と言える人物だろう。そんな彼女のことを好きだと言う人は、数えきれないくらいいる。そんな人たちの1人が俺だ。
バレー部は、女バスとコートが隣になることが多く、よく明先輩のことを目にしていた。そんな彼女のことを見ているうちに、いつしか彼女のことが気になるようになっていった。
そして、今日!ついに!告白をする。
冴えない俺でも、可愛い彼女くらいほしい!!
~翌日~
「まあ、そんなにへこむなって」
俺に声をかけてきたのは、中学からの友達の海斗だ。
俺はあの後、意を決して明さんに告白をした。彼女の返事は、
「部活に集中したいから、恋愛をする気はないかな、ごめんね」
酷だ。これから俺がどう想いを伝えていったって、部活がある以上彼女とは付き合えない。
まあ、ダメ元で告白したから振られるのは覚悟してたけど、それでも辛い。
「あの人、今年入って何人から告白されたんだろう笑」
高校からの友達の優斗が言う。
「あの明先輩と付き合える人とか、この学校に居んのかよ笑」
高校からの友達の広樹が言う。
「そうだよな、やっぱり無理だよな~」
もしかしたらという思いで、告白してみたけど、冷静に考えてみたら、あの明さんだ。今更、自分の行動の恥ずかしさに気づき、後悔をする累。
「今日の隣、どこの部活?」
「今日も女バスだな」
同じ部活の条が答える。
「うわ、気まずっ。今日はまじで明さんと会いたくないわ」
「サボってみんなでカラオケいくか?」
「うん、行こっ」
~数時間後~
「はー、学校行きたくねーっ。喉痛いし」
「お前は歌いすぎなんだよ笑」
結局、カラオケでは嫌な思い出を吹き飛ばすかのように、大熱唱をした。
「じゃあ、俺こっちだから」
累が4人と別れる。
スマホを見てみるとメールが一通来ていた。
ー 今日は早く帰ってこいよ~ ー 父
「今日なんかあったかいな」
累は疑問に思いながら、家へと帰る。
家の駐車場には、見知らぬ車が止まっていた。
うちは父子家庭なため、父の知り合いの誰かが来ているのだろうと思い、累は玄関に入る。
「ただいまー」
「おかえりなさいー」
ん?女性の声?
不安と疑問を抱きつつ、おそるおそるリビングに入ってみる。すると、テーブルに父と累と同い年くらいの女子校生とその母?がいた。
状況が全く理解できない、そう思いながら父からの言葉を待つ。
「累、紹介するよ。政子さんと秋ちゃんだ。
今日から家族になる人たちだよ」
急すぎて、俺は唖然とした。
「急すぎない?」
俺は驚きながらも答えた。
「ちょっとサプライズをしてみたかったんだが、、やっぱり事前に言っといた方が良かったか」
父が答える。父が少し不安そうな顔になる。
「ちょっと急すぎて、びっくりしたけど、お父さんが幸せならそれでいいよ笑」
それは本心からの言葉だ。俺が幼少期の頃に母を交通事故で亡くし、男手1つで育ててくれた父には、とても感謝をしている。それを聞いた父は、安心したような顔になっていた。
ただ俺には1つ不安な事があった。それは再婚相手の子供の秋という人物だ。俺は彼女をよく知っている。なぜなら、彼女は俺ら1年生の中で学年のマドンナと言われている人物だからだ。あの、2年の明さんの次に人気があると言っても過言では無い人物だ。そんな彼女とこれから家族になることへの不安は尋常なほどにあった。
「は、初めまして。る、累といいます。」
驚きと焦りで噛み噛みの挨拶をしてしまった。秋がこっちを見る。
「よろしく」
、、、え?塩すぎないか?え、俺なんかした?
俺が動揺を隠せていない様子を見た政子さんは
「この子人見知りなのよ。あんまり気にしないでね。」
へー、人見知りなのか。学校では、まったくそんなふうには見えなかったけど。
「そういや、秋ちゃんと累は同じ学年だけど累の方が誕生日早いから、お前がお兄ちゃんだぞ」
父が言った。
なら、俺に妹が出来たということか。俺の妹があの世川 秋とは、なんとも漫画みたいな展開だ。これからの俺の生活、どうなっていくんやろ。
続く
「おい、俺にも見せろよ」
「先輩かっこいいです!!」
大勢の生徒が、体育館の入り口に集まり、夢中になって見ている。何を見ているか、いや誰を見ているかは、体育館にいる全ての生徒が理解出来るほどの人物だ。
俺、永見 累(ながみ るい)は運動、顔、勉強、普通。パッとしない高校1年生のバレー部だ。そんな俺にも気になる人くらいいる。その人物こそ今、隣のコートでバスケをしている2年の神谷 明(かみや めい)。そう、入り口に集まっている生徒たちの視線の先にいる彼女だ。彼女は男女問わず人気で、運動、顔、勉強、全てをとっても完璧と言える人物だろう。そんな彼女のことを好きだと言う人は、数えきれないくらいいる。そんな人たちの1人が俺だ。
バレー部は、女バスとコートが隣になることが多く、よく明先輩のことを目にしていた。そんな彼女のことを見ているうちに、いつしか彼女のことが気になるようになっていった。
そして、今日!ついに!告白をする。
冴えない俺でも、可愛い彼女くらいほしい!!
~翌日~
「まあ、そんなにへこむなって」
俺に声をかけてきたのは、中学からの友達の海斗だ。
俺はあの後、意を決して明さんに告白をした。彼女の返事は、
「部活に集中したいから、恋愛をする気はないかな、ごめんね」
酷だ。これから俺がどう想いを伝えていったって、部活がある以上彼女とは付き合えない。
まあ、ダメ元で告白したから振られるのは覚悟してたけど、それでも辛い。
「あの人、今年入って何人から告白されたんだろう笑」
高校からの友達の優斗が言う。
「あの明先輩と付き合える人とか、この学校に居んのかよ笑」
高校からの友達の広樹が言う。
「そうだよな、やっぱり無理だよな~」
もしかしたらという思いで、告白してみたけど、冷静に考えてみたら、あの明さんだ。今更、自分の行動の恥ずかしさに気づき、後悔をする累。
「今日の隣、どこの部活?」
「今日も女バスだな」
同じ部活の条が答える。
「うわ、気まずっ。今日はまじで明さんと会いたくないわ」
「サボってみんなでカラオケいくか?」
「うん、行こっ」
~数時間後~
「はー、学校行きたくねーっ。喉痛いし」
「お前は歌いすぎなんだよ笑」
結局、カラオケでは嫌な思い出を吹き飛ばすかのように、大熱唱をした。
「じゃあ、俺こっちだから」
累が4人と別れる。
スマホを見てみるとメールが一通来ていた。
ー 今日は早く帰ってこいよ~ ー 父
「今日なんかあったかいな」
累は疑問に思いながら、家へと帰る。
家の駐車場には、見知らぬ車が止まっていた。
うちは父子家庭なため、父の知り合いの誰かが来ているのだろうと思い、累は玄関に入る。
「ただいまー」
「おかえりなさいー」
ん?女性の声?
不安と疑問を抱きつつ、おそるおそるリビングに入ってみる。すると、テーブルに父と累と同い年くらいの女子校生とその母?がいた。
状況が全く理解できない、そう思いながら父からの言葉を待つ。
「累、紹介するよ。政子さんと秋ちゃんだ。
今日から家族になる人たちだよ」
急すぎて、俺は唖然とした。
「急すぎない?」
俺は驚きながらも答えた。
「ちょっとサプライズをしてみたかったんだが、、やっぱり事前に言っといた方が良かったか」
父が答える。父が少し不安そうな顔になる。
「ちょっと急すぎて、びっくりしたけど、お父さんが幸せならそれでいいよ笑」
それは本心からの言葉だ。俺が幼少期の頃に母を交通事故で亡くし、男手1つで育ててくれた父には、とても感謝をしている。それを聞いた父は、安心したような顔になっていた。
ただ俺には1つ不安な事があった。それは再婚相手の子供の秋という人物だ。俺は彼女をよく知っている。なぜなら、彼女は俺ら1年生の中で学年のマドンナと言われている人物だからだ。あの、2年の明さんの次に人気があると言っても過言では無い人物だ。そんな彼女とこれから家族になることへの不安は尋常なほどにあった。
「は、初めまして。る、累といいます。」
驚きと焦りで噛み噛みの挨拶をしてしまった。秋がこっちを見る。
「よろしく」
、、、え?塩すぎないか?え、俺なんかした?
俺が動揺を隠せていない様子を見た政子さんは
「この子人見知りなのよ。あんまり気にしないでね。」
へー、人見知りなのか。学校では、まったくそんなふうには見えなかったけど。
「そういや、秋ちゃんと累は同じ学年だけど累の方が誕生日早いから、お前がお兄ちゃんだぞ」
父が言った。
なら、俺に妹が出来たということか。俺の妹があの世川 秋とは、なんとも漫画みたいな展開だ。これからの俺の生活、どうなっていくんやろ。
続く
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