3 / 7
3
しおりを挟む
そうしますと、内装だけは、超、一流である事が却って癪に障り、目のやり場に、困らせておりますと、店員さんと会話をしておりました、常連の方と思しき男性が飲んでおられました、ミックスジュースを、ついうっかり目に入れてしまいましたので、わたくしは、それにも腹を立てる事となりました。
純喫茶の常連であるならば、ホット珈琲を飲まなくてはならぬ、というのは偏見ではなく、常識であり、お店に対する礼儀でもあるだろう。
と、そう思われた訳にございますが、よくよく考えてみますと、ミックスジュース、というのもひとつ、喫茶店の味、といえるのやも知れぬ、と思われて来てしまいましたからにはわたくしは、その常連の方へ、心のなかから、謝罪をせねばならなくなったのでございます。
そうして、一旦罪を覚えてしまいますと、八年越しのクレヨンを飲み干すまでは早くありました。
と、いうのは真赤な嘘でございまして、わたくしは、いつも優しく、誰かや何かの悪口など、これまでの人生で、一度も口にした事などないのではあるまいか、と思われてならない妻に倣いて、少しばかり優しい人間になろうとしておる真最中だったのでございます。
で、ありますから、注文したものを残してはならぬ、といった常識や、礼儀の問題は一切関係しておりませんで、あくまでも、彼女のおかげでございますから、あのお店は、あの珈琲の味を、早急に何とかせねばならぬ、という思いは、今をもってしても変わらずに、わたくしの心にあり続けておるのでございます。
純喫茶の常連であるならば、ホット珈琲を飲まなくてはならぬ、というのは偏見ではなく、常識であり、お店に対する礼儀でもあるだろう。
と、そう思われた訳にございますが、よくよく考えてみますと、ミックスジュース、というのもひとつ、喫茶店の味、といえるのやも知れぬ、と思われて来てしまいましたからにはわたくしは、その常連の方へ、心のなかから、謝罪をせねばならなくなったのでございます。
そうして、一旦罪を覚えてしまいますと、八年越しのクレヨンを飲み干すまでは早くありました。
と、いうのは真赤な嘘でございまして、わたくしは、いつも優しく、誰かや何かの悪口など、これまでの人生で、一度も口にした事などないのではあるまいか、と思われてならない妻に倣いて、少しばかり優しい人間になろうとしておる真最中だったのでございます。
で、ありますから、注文したものを残してはならぬ、といった常識や、礼儀の問題は一切関係しておりませんで、あくまでも、彼女のおかげでございますから、あのお店は、あの珈琲の味を、早急に何とかせねばならぬ、という思いは、今をもってしても変わらずに、わたくしの心にあり続けておるのでございます。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【ショートショート】おやすみ
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?
ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。
しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。
しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
JC💋フェラ
山葵あいす
恋愛
森野 稚菜(もりの わかな)は、中学2年生になる14歳の女の子だ。家では姉夫婦が一緒に暮らしており、稚菜に甘い義兄の真雄(まさお)は、いつも彼女におねだりされるままお小遣いを渡していたのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる