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深夜二時のインターフォンに不機嫌になるでもなく、即座に覚醒する自分が幾分悲しくも、身体が心を前へ前へと押し出して玄関まで早足にした。
ドアと対峙したところで抜けたベッドの掛布団の乱れを正さず、一目散に駆けた形跡に心のうちが無防備に開かれている猥雑さを想い、一度寝室へと返り、痕跡を消すことを考えたが、手は留まらず鍵へとのびてかちりと鳴らせた。
ゆるく開いた扉の隙間から、余裕の見えない獣の前脚のような厳めしい手が挿し込まれ、昼に訪れた男の気弱さが激情となって現れた。
たじろぐ暇もなく押し入られ、鋭い音で鍵がまわり、ドアは閉じられ、上がる声もなく仰向けに倒され、男の荒い息が耳許に掛かった。
不快な生ぬるさに背を寒くしたが男の力は強く、部屋着のワンピースの隙間から片手でショーツは剥がされ、いつの間に開いたのか知れないズボンのファスナーから夫とも電気屋の男とも比べようもない巨大な根があなたの股を割った。
窒息に似た圧迫感に身体は塞がれ、瞼が苦しみに歪み、眉間を深くさせ、上半身を軽く浮かせた。
腹筋に集約された力が男の根に刺激され、うちから解かれてゆくと、腿の硬さは弛まり足指の先に逃れていった。
男はあなたの上半身に身体を貼り付けるようにして抑え込む体勢を続けた。
あなたの視界に男の眼はなく、映るのは快楽に悶えている自身の爪先の悦びだった。
あなたの唇を割り、色のある息がひとつ昇ると男の動きがやみ、自尊心に満ち溢れた淫猥なにたりとしたふたつの眼があなたを覗いた。思わず顔を横へ倒したが、男の腰がひとつ動くと先程よりも輪郭のある声があがり、甘い陶酔が脳まで駆け抜けそこへ留まった。
何度も打ちつけられるうちにあなたの両手は男の背へまわり、拒否ではない姿勢を見せ、弓なりに背を反らせて、派手に気をやったところではらりと放たれた。
男は根を深く埋めたまま静止し、あなたは悦楽に遅れて参った屈辱に恥を覚え、汚れのない白い玄関の壁紙を怨めしく見つめた。煙草を喫わない夫を憎んだのは初めての事だった。
さぞかし蔑んでいることだろうとあなたは判じていたが、しばらく動かずにいる間に横顔で感じる男の視線の色味が変化していく気配があり、目を合わせたい心持ちにさえなった。
が、許しを得たと勘違いさせ得ることを想えば、あなたの横顔は更に頑なになった。
頬に雫が落ちた。涙であろうはずはないと思いながらも只の汗とも言い切れない静かな空気にそそのかされる情があった。
男の手がのび、髪に触れられると、想いも寄らなかった柔らかな心地が訪れ、あなたの陰は男を強く締め上げて包み込んだ。
ドアと対峙したところで抜けたベッドの掛布団の乱れを正さず、一目散に駆けた形跡に心のうちが無防備に開かれている猥雑さを想い、一度寝室へと返り、痕跡を消すことを考えたが、手は留まらず鍵へとのびてかちりと鳴らせた。
ゆるく開いた扉の隙間から、余裕の見えない獣の前脚のような厳めしい手が挿し込まれ、昼に訪れた男の気弱さが激情となって現れた。
たじろぐ暇もなく押し入られ、鋭い音で鍵がまわり、ドアは閉じられ、上がる声もなく仰向けに倒され、男の荒い息が耳許に掛かった。
不快な生ぬるさに背を寒くしたが男の力は強く、部屋着のワンピースの隙間から片手でショーツは剥がされ、いつの間に開いたのか知れないズボンのファスナーから夫とも電気屋の男とも比べようもない巨大な根があなたの股を割った。
窒息に似た圧迫感に身体は塞がれ、瞼が苦しみに歪み、眉間を深くさせ、上半身を軽く浮かせた。
腹筋に集約された力が男の根に刺激され、うちから解かれてゆくと、腿の硬さは弛まり足指の先に逃れていった。
男はあなたの上半身に身体を貼り付けるようにして抑え込む体勢を続けた。
あなたの視界に男の眼はなく、映るのは快楽に悶えている自身の爪先の悦びだった。
あなたの唇を割り、色のある息がひとつ昇ると男の動きがやみ、自尊心に満ち溢れた淫猥なにたりとしたふたつの眼があなたを覗いた。思わず顔を横へ倒したが、男の腰がひとつ動くと先程よりも輪郭のある声があがり、甘い陶酔が脳まで駆け抜けそこへ留まった。
何度も打ちつけられるうちにあなたの両手は男の背へまわり、拒否ではない姿勢を見せ、弓なりに背を反らせて、派手に気をやったところではらりと放たれた。
男は根を深く埋めたまま静止し、あなたは悦楽に遅れて参った屈辱に恥を覚え、汚れのない白い玄関の壁紙を怨めしく見つめた。煙草を喫わない夫を憎んだのは初めての事だった。
さぞかし蔑んでいることだろうとあなたは判じていたが、しばらく動かずにいる間に横顔で感じる男の視線の色味が変化していく気配があり、目を合わせたい心持ちにさえなった。
が、許しを得たと勘違いさせ得ることを想えば、あなたの横顔は更に頑なになった。
頬に雫が落ちた。涙であろうはずはないと思いながらも只の汗とも言い切れない静かな空気にそそのかされる情があった。
男の手がのび、髪に触れられると、想いも寄らなかった柔らかな心地が訪れ、あなたの陰は男を強く締め上げて包み込んだ。
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