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三章 炎は時に激しく、時に儚く、時に普遍して燃える
134話 『とある日の酷い朝』
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「……おぅェ……」
レイは朝、吐き気と頭痛の強烈な打撃を頭に喰らって目を覚ました。
今はトイレでえずいているだけに留まっているが、少し前に出した吐瀉物はトイレにまだ溜まっている。便座に手を当てて息を荒くし、口から糸を引いて唾液が落ちていく。
全身から汗を噴き出し、目を見開くレイは見当がついたとばかりに呟いた。
「風邪……かな……?」
ねっとりと口の中に残る吐瀉物が歯に纏わりついて、それが唾液に塗れてぽたぽたと唇を乗り越えて垂れそうになるのを手の甲で拭いながらそう言って顔を上げる。
水面に浮かぶ吐瀉物を見てからレバーを回して水を流した。
洗面所で顔と口内を洗ってから、起きた時から痛むお腹を水色ストライプのパジャマの上から片手で押さえながらリビングに向かい、入った所にある壁掛け時計を振り向き仰ぎ確認する。それは廊下へと繋がるドアの上にかけられていた、少しアンティーク調の仕様だ。
現在の時刻は四時十八分。
「大丈夫だった?」
ジュぅぅぅううう、と卵を引いたばかりの卵焼きフライパンが音を鳴らす。
手に持っている白身が糸を引いた卵の殻を三角コーナーにひょいっと投げ捨てて手を洗いながらレイの方を見て言ったのはネネだ。
「は、はい」とゆっくりとお腹から手を下ろす。「……もう、平気です」
変わらず感情の感じられない表情でネネの少し後ろを見ながら言うレイの顔色を伺いながら、ネネは箸を手に取る。カシャカシャと音を立てながら三つの黄身をかき混ぜていく。レイは止めていた足を動かす。
「あ、手伝います」
「うーん……まだだいぶ顔色悪いわよ? ちょっと、これが終わったら体温計を取ってくるから、ソファに座って大人しくしててね」
「……はい」
レイがソファに座って五分くらい、朝のニュース番組を見ていると、ほ、ほ、ほ、と声が聞こえた。見ると、卵焼き用のフライパン、所謂『卵焼き器』を持つ手を傾けていた。もう既に卵焼きが出来上がり、それを皿に移している最中だった。
「火を止めて、っと。……よしっ」エプロンで手を拭いて「よしょ」と吐くように洩らしながらレイの後ろを小走りするように通り過ぎて行く。
ぽつん、と一人残された気がして、お腹の底に鉛でも詰め込んだように重たくなった気がしたレイは、何もない右手を強く固く握り締めて、左手でへその辺りを押さえた。
その顔が、酷く辛そうに歪んで──、
「お姉ちゃん……」
──口から洩れた声に気が付いたのは口からその声が洩れて出て行ってから数秒後のことだった。
「レイくん」
後ろから聞こえてきて、レイは右手の力を弛めて左手を下ろす。それから右回りに後ろを仰ぎ見るとネネが後ろ手に立っていた。
ネネが「ん?」ときょとんとした目でレイを見詰める。「やっぱり辛い?」
何度かまじろいでから、息を呑む。
──泣いていた。
すぐに右目から溢れる涙を拭いて、もう一度ネネの方に向き直る。今度はちゃんと体を向けるため、立ち上がる。ソファを掴んで支えにして、伺うように回ってテレビを背にして、そうしてやっと、ネネの正面に立つ。
眉根が下がっていて、けれども何かを言おうともせず、レイの反応を待っているようだった。その目を見て、レイは「ぁ……」と悲しげに声を洩らす。
「……すみません。ちょっと……そうですね、まだちょっと、辛いかもです」
目を伏せて、はにかんだように目を瞑って笑って見せたレイの顔を、無表情でじっくりくっきり、目を見開いて見詰めているネネは、その微かな変化をも拾おうとしているようで、
「そう。……分かったわ。はいこれ、これを脇に挟んで──って、使い方は分かるか。はい、どーぞ」
長く続いたように感じられたその時間が呆気なく素っ気なく終わり、レイは見当がつかないとばかりに一度、瞬きをする。口は開いていないがそれでも、ネネが小さく吐息したのが分かった。
そんなレイを寵愛するように、親愛の籠もった微笑みを向けて片手を前に出す。
その手には体温計が握られていた。指くらいにか細い、簡単に折れてしまいそうな体温計が。
「ありがとうございます」
ぺこりとお辞儀をして、ネネが何も言わずにキッチンの方に行くのが気配で伝わり、伺うように顔を上げてソファに座る。
パジャマのボタンを幾つか外して体温計を挿して、少しの間目を閉じる。
その間に、再びあの子と話せないかと誰もいない所へ心の声で語りかける。
『聞こえる?』『君は誰?』『ボクに力を貸してくれてるのは、どうして?』幾ら語りかけてもその子は話しかけてこない。と言うより、誰もいない、何もない。少し前まで頻繁に話しかけてきた『あの子』ももう見えない、いない。
──足下に、花が咲いていた。
真っ白な、立方体の上。
でもそれは、その下に隠れていたミズキさんがいて。でも、もう……死んでいる。
ミズキさんと向き合おうと思った。けれど、信じたくなくて、あの日からあのお墓にはずっと行っていない。ボクは何もかもを見ないで過ごしてきた。
その中の一つに──……あの人のことも、お姉ちゃんのこともあった。
これからは忘れないでいようと思っている。
特に、お姉ちゃんとミズキさんのことを。『レイカちゃんを守る』と言うことを。
これだけを心の芯に置いておけば、きっとボクはボクでいられる。
──うるせぇよ。
微かに耳の奥から、そう聞こえた気がした。
ピピピピピッ、ピピピピピッ。
「ぁ……」
ハッと我に返ったレイは、体温計に目を向ける。
『三十九・八℃』と表記されていた。
「どーぉ? レイくん、見せてみて」
手を拭きながら、ネネが近づいて来る。レイは移しちゃいけない、と咄嗟に顔の下半分を両手で押さえた。それに驚いたネネは「……え? 嘘」と自分の腕を臭う。
「私、そんなに臭う……? 昨日もちゃんとお風呂に入ったのに……え、嘘、もしかして加齢臭!?」
「ごめんなさい。ボク、風邪を引いてしまったみたいで……。移しちゃダメだと思って……」
「なーんだ。良かったー……。加齢臭かと思ってびっくりしちゃったわよ。──って、高熱じゃない! レイくん、今日は学校休みなさい! あとで病院に行きましょ!」
体温計を両手で持ってそれをまじまじと見入ってネネは自分とレイ以外に誰もいないリビングを見回して助けを求めるが、もちろんレイ以外誰もいないので答える人物もいない。レイ以外は。
「だ、大丈夫です……! そこまで迷惑はかけられませんから……!」
ぶんぶんと頭痛の激しい頭を顔の横にまで上げた手を一緒に左右に振ってレイはそれを拒むが、ネネはビシッと指を突きつけて力強く言い放つ。
「大丈夫じゃありません! はいはい、今すぐ部屋に戻って戻って! あー、『冷えピタ』今切らしてるぅぅぅー……! と、とにかく絶対安静ね! いいっ!?」
「は、はい……!」
有無を言わせぬ睨みでレイを牽制したネネは溜め息を吐いて、その体温計をエプロンのポケットに入れて、さーさ、と廊下へと繋がるドアを指さす。
「今すぐ部屋に戻って! ご飯の時はレイくんように食べやすい物を作るからっ! ……あっ、何かリクエストある? こんなのが食べたいなーとか」
「なんでも大丈夫です。食べられます」
「そう? ──はい、なら部屋に戻る戻る!」
病人の前で大声を張り上げるネネは両手を胸の前で組んで少し胸を張る。しかしその態度も威厳を出せてはいない。出せているのは睨む眼光がキラリと光ったとレイに錯覚させたことくらいだ。
「──ネネさーん、お腹空いたー。朝ごはーん」
「あ……」
ネネが声を洩らした。
欠伸をかいて、むにゃむにゃと閉じた口の中で歯を動かしているレイカがぐしぐしと目を擦ってネネの方を見た。
レイの後ろでニュースが流れる。──先日、父と娘が失踪した事件が……、と女性のニュースキャスターが言った。
[あとがき]
最近、これが恒例になりつつある作者です。
現在、前々から言っていた『summerdays(IFストーリーのやつ)』の特別編を企画しております。特別編では、前回言っていた『シェイド』が少し出てきます。気になる方はどうぞご確認を。あと、IFストーリーもちゃんとあります。我ながら頭おかしいと思うものだらけです。
特別編の概要としては、レイくんとシェイドの出会いの話になります。
ハッキリ言って、読まなくても全くと言っていいほど影響はありません。作者の自己満足のためだけに書くので。
それでは、次回十月二十六日は『summerdays』と共に更新です。よろしくお願いします。
レイは朝、吐き気と頭痛の強烈な打撃を頭に喰らって目を覚ました。
今はトイレでえずいているだけに留まっているが、少し前に出した吐瀉物はトイレにまだ溜まっている。便座に手を当てて息を荒くし、口から糸を引いて唾液が落ちていく。
全身から汗を噴き出し、目を見開くレイは見当がついたとばかりに呟いた。
「風邪……かな……?」
ねっとりと口の中に残る吐瀉物が歯に纏わりついて、それが唾液に塗れてぽたぽたと唇を乗り越えて垂れそうになるのを手の甲で拭いながらそう言って顔を上げる。
水面に浮かぶ吐瀉物を見てからレバーを回して水を流した。
洗面所で顔と口内を洗ってから、起きた時から痛むお腹を水色ストライプのパジャマの上から片手で押さえながらリビングに向かい、入った所にある壁掛け時計を振り向き仰ぎ確認する。それは廊下へと繋がるドアの上にかけられていた、少しアンティーク調の仕様だ。
現在の時刻は四時十八分。
「大丈夫だった?」
ジュぅぅぅううう、と卵を引いたばかりの卵焼きフライパンが音を鳴らす。
手に持っている白身が糸を引いた卵の殻を三角コーナーにひょいっと投げ捨てて手を洗いながらレイの方を見て言ったのはネネだ。
「は、はい」とゆっくりとお腹から手を下ろす。「……もう、平気です」
変わらず感情の感じられない表情でネネの少し後ろを見ながら言うレイの顔色を伺いながら、ネネは箸を手に取る。カシャカシャと音を立てながら三つの黄身をかき混ぜていく。レイは止めていた足を動かす。
「あ、手伝います」
「うーん……まだだいぶ顔色悪いわよ? ちょっと、これが終わったら体温計を取ってくるから、ソファに座って大人しくしててね」
「……はい」
レイがソファに座って五分くらい、朝のニュース番組を見ていると、ほ、ほ、ほ、と声が聞こえた。見ると、卵焼き用のフライパン、所謂『卵焼き器』を持つ手を傾けていた。もう既に卵焼きが出来上がり、それを皿に移している最中だった。
「火を止めて、っと。……よしっ」エプロンで手を拭いて「よしょ」と吐くように洩らしながらレイの後ろを小走りするように通り過ぎて行く。
ぽつん、と一人残された気がして、お腹の底に鉛でも詰め込んだように重たくなった気がしたレイは、何もない右手を強く固く握り締めて、左手でへその辺りを押さえた。
その顔が、酷く辛そうに歪んで──、
「お姉ちゃん……」
──口から洩れた声に気が付いたのは口からその声が洩れて出て行ってから数秒後のことだった。
「レイくん」
後ろから聞こえてきて、レイは右手の力を弛めて左手を下ろす。それから右回りに後ろを仰ぎ見るとネネが後ろ手に立っていた。
ネネが「ん?」ときょとんとした目でレイを見詰める。「やっぱり辛い?」
何度かまじろいでから、息を呑む。
──泣いていた。
すぐに右目から溢れる涙を拭いて、もう一度ネネの方に向き直る。今度はちゃんと体を向けるため、立ち上がる。ソファを掴んで支えにして、伺うように回ってテレビを背にして、そうしてやっと、ネネの正面に立つ。
眉根が下がっていて、けれども何かを言おうともせず、レイの反応を待っているようだった。その目を見て、レイは「ぁ……」と悲しげに声を洩らす。
「……すみません。ちょっと……そうですね、まだちょっと、辛いかもです」
目を伏せて、はにかんだように目を瞑って笑って見せたレイの顔を、無表情でじっくりくっきり、目を見開いて見詰めているネネは、その微かな変化をも拾おうとしているようで、
「そう。……分かったわ。はいこれ、これを脇に挟んで──って、使い方は分かるか。はい、どーぞ」
長く続いたように感じられたその時間が呆気なく素っ気なく終わり、レイは見当がつかないとばかりに一度、瞬きをする。口は開いていないがそれでも、ネネが小さく吐息したのが分かった。
そんなレイを寵愛するように、親愛の籠もった微笑みを向けて片手を前に出す。
その手には体温計が握られていた。指くらいにか細い、簡単に折れてしまいそうな体温計が。
「ありがとうございます」
ぺこりとお辞儀をして、ネネが何も言わずにキッチンの方に行くのが気配で伝わり、伺うように顔を上げてソファに座る。
パジャマのボタンを幾つか外して体温計を挿して、少しの間目を閉じる。
その間に、再びあの子と話せないかと誰もいない所へ心の声で語りかける。
『聞こえる?』『君は誰?』『ボクに力を貸してくれてるのは、どうして?』幾ら語りかけてもその子は話しかけてこない。と言うより、誰もいない、何もない。少し前まで頻繁に話しかけてきた『あの子』ももう見えない、いない。
──足下に、花が咲いていた。
真っ白な、立方体の上。
でもそれは、その下に隠れていたミズキさんがいて。でも、もう……死んでいる。
ミズキさんと向き合おうと思った。けれど、信じたくなくて、あの日からあのお墓にはずっと行っていない。ボクは何もかもを見ないで過ごしてきた。
その中の一つに──……あの人のことも、お姉ちゃんのこともあった。
これからは忘れないでいようと思っている。
特に、お姉ちゃんとミズキさんのことを。『レイカちゃんを守る』と言うことを。
これだけを心の芯に置いておけば、きっとボクはボクでいられる。
──うるせぇよ。
微かに耳の奥から、そう聞こえた気がした。
ピピピピピッ、ピピピピピッ。
「ぁ……」
ハッと我に返ったレイは、体温計に目を向ける。
『三十九・八℃』と表記されていた。
「どーぉ? レイくん、見せてみて」
手を拭きながら、ネネが近づいて来る。レイは移しちゃいけない、と咄嗟に顔の下半分を両手で押さえた。それに驚いたネネは「……え? 嘘」と自分の腕を臭う。
「私、そんなに臭う……? 昨日もちゃんとお風呂に入ったのに……え、嘘、もしかして加齢臭!?」
「ごめんなさい。ボク、風邪を引いてしまったみたいで……。移しちゃダメだと思って……」
「なーんだ。良かったー……。加齢臭かと思ってびっくりしちゃったわよ。──って、高熱じゃない! レイくん、今日は学校休みなさい! あとで病院に行きましょ!」
体温計を両手で持ってそれをまじまじと見入ってネネは自分とレイ以外に誰もいないリビングを見回して助けを求めるが、もちろんレイ以外誰もいないので答える人物もいない。レイ以外は。
「だ、大丈夫です……! そこまで迷惑はかけられませんから……!」
ぶんぶんと頭痛の激しい頭を顔の横にまで上げた手を一緒に左右に振ってレイはそれを拒むが、ネネはビシッと指を突きつけて力強く言い放つ。
「大丈夫じゃありません! はいはい、今すぐ部屋に戻って戻って! あー、『冷えピタ』今切らしてるぅぅぅー……! と、とにかく絶対安静ね! いいっ!?」
「は、はい……!」
有無を言わせぬ睨みでレイを牽制したネネは溜め息を吐いて、その体温計をエプロンのポケットに入れて、さーさ、と廊下へと繋がるドアを指さす。
「今すぐ部屋に戻って! ご飯の時はレイくんように食べやすい物を作るからっ! ……あっ、何かリクエストある? こんなのが食べたいなーとか」
「なんでも大丈夫です。食べられます」
「そう? ──はい、なら部屋に戻る戻る!」
病人の前で大声を張り上げるネネは両手を胸の前で組んで少し胸を張る。しかしその態度も威厳を出せてはいない。出せているのは睨む眼光がキラリと光ったとレイに錯覚させたことくらいだ。
「──ネネさーん、お腹空いたー。朝ごはーん」
「あ……」
ネネが声を洩らした。
欠伸をかいて、むにゃむにゃと閉じた口の中で歯を動かしているレイカがぐしぐしと目を擦ってネネの方を見た。
レイの後ろでニュースが流れる。──先日、父と娘が失踪した事件が……、と女性のニュースキャスターが言った。
[あとがき]
最近、これが恒例になりつつある作者です。
現在、前々から言っていた『summerdays(IFストーリーのやつ)』の特別編を企画しております。特別編では、前回言っていた『シェイド』が少し出てきます。気になる方はどうぞご確認を。あと、IFストーリーもちゃんとあります。我ながら頭おかしいと思うものだらけです。
特別編の概要としては、レイくんとシェイドの出会いの話になります。
ハッキリ言って、読まなくても全くと言っていいほど影響はありません。作者の自己満足のためだけに書くので。
それでは、次回十月二十六日は『summerdays』と共に更新です。よろしくお願いします。
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