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17章 もう、後戻りは出来ないから……
282話 行動開始。セントラルにて
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「むふふふふ……」
部屋に木霊する声。嬉しそうにも聞こえるその声は暫くの間木霊し続ける
「ッ!?」
覚醒したレンゼは隣で笑い声を上げているリズを見ると顔を顰めて起き上がる。がすぐにリズに抱き寄せられ再び寝転がった
「ッ!? なんで寝転がってるの!?」
「少し前に来た時にね~。君達がテーブルで寝てたからこっちに運んだんだよ~?」
反対側から発せられた声に振り向く。そこには陰の掛かった笑みを浮かべて椅子に座りながらジッとレンゼを見詰めているリーザが腕を組んで、ふふふ……。と小さく漏らしている
「……貴女、誰ですか?」
「はぁッ!? この私を知らないって言うの!?」
椅子から強引に立ち上がり、グイッとレンゼに顔を近付けて、フンッ。と鼻から息を吐く
「まあ、はい」
リズの顔を両手で掴んで離れようとしながら顔をリズに向ける。するとバチッ! とレンゼの両頬を叩き、ぐぐぐ……。と引き寄せた
「本当に憶えてない?」
「……ええ。まあ、憶えてない、ですね」
リーザは大きく溜め息を吐き、手を離すと椅子に座り込む
「分かった……つまり私みたいな女子力低い奴なんか眼中に無いって訳ね……」
「……? いや、よく、分かりません」
未だめげずにリズから離れようとしているレンゼを苦笑して見詰める
「それで~? 貴方はなんでここに居るの~? アリサちゃんと一緒に居たんじゃないの~?」
「それがですね……まあ、その、ちょっと用事がありまして……」
「用事があってもここに来ちゃダメじゃな~い! 一つ教えておくとね~? ここ~、もうちょっとで大変なことになるんだよ~?」
「ッ……知ってたんですか?」
「……ちょっと来て」
リズの腕を軽々と引き剥がしてレンゼを玄関の方へと連れて行くと、大きく溜め息を吐く
「ねえ? どこまで知ってるの?」
「明後日に何かが起きるってことくらいしか……」
「そう……明後日、同時にとあるイベントが起こるの」
顎を引き、眉間にシワを寄せながら少し上目遣いでリーザの目を見詰める
「そのイベントって言うのがジェネットの所の半額セール」
「……は?」
拍子抜けしたような顔で眉間のシワが消えた
「その半額セールとなんの関係が……?」
「半額セールよ? 主婦達に取っちゃ凄いことよ。更に言えばそれのせいで人が集まるってこと。人を集めて何かをする。って所までが私が聞いた話」
目を瞑り、う~ん……。と唸りながら首を捻る
「この話はサラから訊いたんだけどね……。でも、最近の軍ってちょっとおかしくなって来てるのよ……特に上官共。『もう少し……』とか言ってるから予想だとあの子供と仲間な気もするのよね~……。ルートも私もそこまでは頭回らないしジョンさんは軍を辞退したしサラに任せるしかないんだけどね~……」
「あの~……因みにサラさんは?」
「ああ、サラなら今情報収集中でジェネットの所のデパートに居ると思うけど?」
それを訊くやすぐに外に出る。ありがとうございます! と叫びながら
「……デパート。色々と買わないと勝てないと思う。その中でサラさんと会えれば色々と訊く!」
走ってデパートに着くと、一先ず休憩を取った
「はぁ……はぁ……そうだな……手帳。ナイフは買えれば、無理ならペン。後は……水」
休憩し終わると歩いてデパートの中に入って行く。その中でめぼしい物を選び、買うと黙り込む
「普通に買い物して終わる気満々になってた……! くそっ……サラさんに色々と訊きたいことがあるのに~!」
あああ! と頭を掻き毟っていると周りが騒がしくなり始める
「ん? ……何か、あったのか?」
人が集まって行く方へ歩いて行くと、人が横から歩いて来てぶつかった
「ってぇな……気を付けろ!」
「あっ! ご、ごめんなさい!」
ペコリとお辞儀をして、え……。と漏らすとすぐに顔を上げる。そして歯軋りし、手帳を持っている手をギュッと握り締める
「やっと見付けたぞ……口ピアス……ッ!」
部屋に木霊する声。嬉しそうにも聞こえるその声は暫くの間木霊し続ける
「ッ!?」
覚醒したレンゼは隣で笑い声を上げているリズを見ると顔を顰めて起き上がる。がすぐにリズに抱き寄せられ再び寝転がった
「ッ!? なんで寝転がってるの!?」
「少し前に来た時にね~。君達がテーブルで寝てたからこっちに運んだんだよ~?」
反対側から発せられた声に振り向く。そこには陰の掛かった笑みを浮かべて椅子に座りながらジッとレンゼを見詰めているリーザが腕を組んで、ふふふ……。と小さく漏らしている
「……貴女、誰ですか?」
「はぁッ!? この私を知らないって言うの!?」
椅子から強引に立ち上がり、グイッとレンゼに顔を近付けて、フンッ。と鼻から息を吐く
「まあ、はい」
リズの顔を両手で掴んで離れようとしながら顔をリズに向ける。するとバチッ! とレンゼの両頬を叩き、ぐぐぐ……。と引き寄せた
「本当に憶えてない?」
「……ええ。まあ、憶えてない、ですね」
リーザは大きく溜め息を吐き、手を離すと椅子に座り込む
「分かった……つまり私みたいな女子力低い奴なんか眼中に無いって訳ね……」
「……? いや、よく、分かりません」
未だめげずにリズから離れようとしているレンゼを苦笑して見詰める
「それで~? 貴方はなんでここに居るの~? アリサちゃんと一緒に居たんじゃないの~?」
「それがですね……まあ、その、ちょっと用事がありまして……」
「用事があってもここに来ちゃダメじゃな~い! 一つ教えておくとね~? ここ~、もうちょっとで大変なことになるんだよ~?」
「ッ……知ってたんですか?」
「……ちょっと来て」
リズの腕を軽々と引き剥がしてレンゼを玄関の方へと連れて行くと、大きく溜め息を吐く
「ねえ? どこまで知ってるの?」
「明後日に何かが起きるってことくらいしか……」
「そう……明後日、同時にとあるイベントが起こるの」
顎を引き、眉間にシワを寄せながら少し上目遣いでリーザの目を見詰める
「そのイベントって言うのがジェネットの所の半額セール」
「……は?」
拍子抜けしたような顔で眉間のシワが消えた
「その半額セールとなんの関係が……?」
「半額セールよ? 主婦達に取っちゃ凄いことよ。更に言えばそれのせいで人が集まるってこと。人を集めて何かをする。って所までが私が聞いた話」
目を瞑り、う~ん……。と唸りながら首を捻る
「この話はサラから訊いたんだけどね……。でも、最近の軍ってちょっとおかしくなって来てるのよ……特に上官共。『もう少し……』とか言ってるから予想だとあの子供と仲間な気もするのよね~……。ルートも私もそこまでは頭回らないしジョンさんは軍を辞退したしサラに任せるしかないんだけどね~……」
「あの~……因みにサラさんは?」
「ああ、サラなら今情報収集中でジェネットの所のデパートに居ると思うけど?」
それを訊くやすぐに外に出る。ありがとうございます! と叫びながら
「……デパート。色々と買わないと勝てないと思う。その中でサラさんと会えれば色々と訊く!」
走ってデパートに着くと、一先ず休憩を取った
「はぁ……はぁ……そうだな……手帳。ナイフは買えれば、無理ならペン。後は……水」
休憩し終わると歩いてデパートの中に入って行く。その中でめぼしい物を選び、買うと黙り込む
「普通に買い物して終わる気満々になってた……! くそっ……サラさんに色々と訊きたいことがあるのに~!」
あああ! と頭を掻き毟っていると周りが騒がしくなり始める
「ん? ……何か、あったのか?」
人が集まって行く方へ歩いて行くと、人が横から歩いて来てぶつかった
「ってぇな……気を付けろ!」
「あっ! ご、ごめんなさい!」
ペコリとお辞儀をして、え……。と漏らすとすぐに顔を上げる。そして歯軋りし、手帳を持っている手をギュッと握り締める
「やっと見付けたぞ……口ピアス……ッ!」
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