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13章 前哨戦
219話 脱出
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「あっ! レン「ママ~!」」
ジョンの手を離すと軍人に押さえられているリズに向かって走って行き、飛び付いた
「えへへ~! ママもだいすき~!」
そう言って頬摺りしながら耳元まで口を持っていき小声で話し掛けた
「親子設定だから……」
「レンゼ! 良かった……本当に良かった……!」
「僕の心配はしてくれないのかい?」
苦笑しながら近付いて来るジョンを見て一瞬、石の様に固まった
「パパ~! ママ居たよ~!」
「……あ、貴方~!」
レンゼを抱き抱えたままジョンの胸に蹴りを入れた
「「「えぇ~!?」」」
倒れたジョンの金的を何度も踏み付け、ジョンは白目を向いた
「何レンゼを危険な目に合わせてんのよ! それに髪の毛も濡れて! お風呂に入ってたの!? 危険人物がこの建物に入ったって言うのに! 呑気にレンゼとお風呂に入ってたの!?」
我に返ったジョンは上体を起こして宥め始める
「わっ! ちょ! 周りの人に迷惑掛かるから……!」
「きゃはは! パパおもしろ~い!」
「あ、あはは……結構痛いんだけど……」
「こら! レンゼも何か言う事は無いの?」
ジョンの腹部を踏みながらレンゼの額を指で突いた
「うぅ……ごめんなさい……」
「良いでしょう! ……それで~……部屋はどうなってるの?」
「それが……物凄い散乱としてます……」
目を逸らしてそう言うとジョンは頭を踏まれてトドメを刺された
「軍人さん! 本当に……家の夫と娘が助かりました。ありがとうございます」
レンゼを降ろして深くお辞儀をするとレンゼも真似をしてお辞儀をした
「いえいえ! それより避難所の事なんですが……」
「どうかしたんですか?」
「場所を確保できず……何かお知り合い等は居ますでしょうか? 居なければこちらで保護……と言う形になりますが……」
「それはご心配なく……」
レンゼに聞こえない様に口元に手を当て、小声で軍人に話し掛けた
「私の部下の家に邪魔するので……」
「……そうですか。分かりました。ではこちらで調査が済み次第お荷物をお持ち下さい」
軍人達がそう言って建物内に入って行くとレンゼ達は一時保護と言う名目で事情聴取を受け、建物の外に用意された簡易ベンチでレンゼを間に挟んで並んで座っていた
「さて……どういう事かしら? それにレンゼくんは良いとしてジョンくんは人の家のお風呂、勝手に入って良いなんて教えられてたのかしら?」
「あぁ~……それは……ほら、非常時だったし……外に出ても目立つし?」
「ハァ……分かった。それは良いとして……その服、どこから持ってきたのよ……」
「これ? これは魔術で繊維を並び換えただけ」
「意味分かんない……それにレンゼくん?」
リズは半目でレンゼを見下ろす
「は、はい!?」
「傷は無いにしても無茶しちゃだめでしょ? 今回は運良くジョンくんが居てくれたお陰で助かったんだから……そんな無茶してるから好意より心配の方が勝るのよ……」
「すみません……」
男二人で俯いていると少し遠くから三人の男女が歩いて来た
「大佐~! 生きてますか~!」
ジョンが手を振ると声を掛けた男が笑った
「ナニナニ~? 大佐ったらこんな小さな女の子まで引っ掛けてたの~?」
「違うよリーザ。それにこの子は男だ」
そう言われるとリーザ達はブッ! と息を吹いた
「ギャハハハハ! 何? じゃあ君は女装趣味でも?」
膝を叩きながら爆笑している男の金的を蹴り上げると悶えて暫くの間その辺りを転げ回った
「アレは置いといて話を進めましょ。こっちは進展なし。大佐達の方は?」
「ああ。こちらは上々だ。とある協力者の協力も得られた上に敵の一人を倒したぞ? まあ、この話は後でとして……一先ずはこの子、レンゼくんを故郷へ帰すとしよう」
「え~! 大佐だけ安全圏に避難ですか~?」
「大丈夫大丈夫。君達も連れて行くよ。あそこにとある秘密が隠されているらしくてね」
ジョンが話し終えるとレンゼはハッとした
「ヤバい……」
ジョンの手を離すと軍人に押さえられているリズに向かって走って行き、飛び付いた
「えへへ~! ママもだいすき~!」
そう言って頬摺りしながら耳元まで口を持っていき小声で話し掛けた
「親子設定だから……」
「レンゼ! 良かった……本当に良かった……!」
「僕の心配はしてくれないのかい?」
苦笑しながら近付いて来るジョンを見て一瞬、石の様に固まった
「パパ~! ママ居たよ~!」
「……あ、貴方~!」
レンゼを抱き抱えたままジョンの胸に蹴りを入れた
「「「えぇ~!?」」」
倒れたジョンの金的を何度も踏み付け、ジョンは白目を向いた
「何レンゼを危険な目に合わせてんのよ! それに髪の毛も濡れて! お風呂に入ってたの!? 危険人物がこの建物に入ったって言うのに! 呑気にレンゼとお風呂に入ってたの!?」
我に返ったジョンは上体を起こして宥め始める
「わっ! ちょ! 周りの人に迷惑掛かるから……!」
「きゃはは! パパおもしろ~い!」
「あ、あはは……結構痛いんだけど……」
「こら! レンゼも何か言う事は無いの?」
ジョンの腹部を踏みながらレンゼの額を指で突いた
「うぅ……ごめんなさい……」
「良いでしょう! ……それで~……部屋はどうなってるの?」
「それが……物凄い散乱としてます……」
目を逸らしてそう言うとジョンは頭を踏まれてトドメを刺された
「軍人さん! 本当に……家の夫と娘が助かりました。ありがとうございます」
レンゼを降ろして深くお辞儀をするとレンゼも真似をしてお辞儀をした
「いえいえ! それより避難所の事なんですが……」
「どうかしたんですか?」
「場所を確保できず……何かお知り合い等は居ますでしょうか? 居なければこちらで保護……と言う形になりますが……」
「それはご心配なく……」
レンゼに聞こえない様に口元に手を当て、小声で軍人に話し掛けた
「私の部下の家に邪魔するので……」
「……そうですか。分かりました。ではこちらで調査が済み次第お荷物をお持ち下さい」
軍人達がそう言って建物内に入って行くとレンゼ達は一時保護と言う名目で事情聴取を受け、建物の外に用意された簡易ベンチでレンゼを間に挟んで並んで座っていた
「さて……どういう事かしら? それにレンゼくんは良いとしてジョンくんは人の家のお風呂、勝手に入って良いなんて教えられてたのかしら?」
「あぁ~……それは……ほら、非常時だったし……外に出ても目立つし?」
「ハァ……分かった。それは良いとして……その服、どこから持ってきたのよ……」
「これ? これは魔術で繊維を並び換えただけ」
「意味分かんない……それにレンゼくん?」
リズは半目でレンゼを見下ろす
「は、はい!?」
「傷は無いにしても無茶しちゃだめでしょ? 今回は運良くジョンくんが居てくれたお陰で助かったんだから……そんな無茶してるから好意より心配の方が勝るのよ……」
「すみません……」
男二人で俯いていると少し遠くから三人の男女が歩いて来た
「大佐~! 生きてますか~!」
ジョンが手を振ると声を掛けた男が笑った
「ナニナニ~? 大佐ったらこんな小さな女の子まで引っ掛けてたの~?」
「違うよリーザ。それにこの子は男だ」
そう言われるとリーザ達はブッ! と息を吹いた
「ギャハハハハ! 何? じゃあ君は女装趣味でも?」
膝を叩きながら爆笑している男の金的を蹴り上げると悶えて暫くの間その辺りを転げ回った
「アレは置いといて話を進めましょ。こっちは進展なし。大佐達の方は?」
「ああ。こちらは上々だ。とある協力者の協力も得られた上に敵の一人を倒したぞ? まあ、この話は後でとして……一先ずはこの子、レンゼくんを故郷へ帰すとしよう」
「え~! 大佐だけ安全圏に避難ですか~?」
「大丈夫大丈夫。君達も連れて行くよ。あそこにとある秘密が隠されているらしくてね」
ジョンが話し終えるとレンゼはハッとした
「ヤバい……」
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