ゴッドクエスト

紅蓮の焔

文字の大きさ
上 下
221 / 242
14章 終わりの序章

197話決着…その先にあるものは

しおりを挟む
(成功だ!)
ナタは少し口角を上げると目で女を見た
現在ナタは竜巻の上層部で全身の力を抜いて竜巻に揺られてぐるぐると回っていた
「おーほっほっほっ!中々面白い事をするじゃない!」
「…そんな話し方しなくていい…元の話し方に戻したらどうだ?」
「何を言ってるのか分かんないな~!」
「どれだけ騙そうとしても無駄だ、俺の人生を狂わせたお前だけは忘れるはずないだろ」
ナタは足の少し下を飛んでいる木の枝を蹴るとそれが下へ飛んでいき様々な色とぶつかり合う
まず黄色と当たり、一瞬稲妻が走った
次に青色が当たり、木の枝が濡れた
そして3回目には黒色に当たり、枝が黒くぼんやりした明かりに包まれた
最後に赤に当たり、枝は一瞬で燃え尽きた
「ふふふ…何をしだすかと思えばそんな事かい?」
「ああ、そんな事だ」
女の隣へ移動していたナタは女の肩を掴んで浮き上がるのを止めた
「忘れた?私に触れると「分かってる。だからこうするんだ」」
ナタは右手が溶けていく痛みに耐えながら左手で近くを飛んでいた赤色を掴むと女の頭に叩き付けた
「!?どうや」

ボウッ!

女の頭に火が付き、顔面の皮を焼いていく
「いや!いやぁ!熱い熱い熱い熱い!止めて!止めてぇ!」
女がナタから離れて走り出すと同時に竜巻に襲われた
「いや!いや!お願い!助け「俺が言った時にお前は助けたか?お前は俺を奴隷商に売り付けた…俺がどんな心境だったか分かるか?信頼していた者に裏切られた時のあの失望は誰にも拭えない…だから俺はお前を助けない
それに俺は今やただの奴隷だ
俺はあるじに買われた身、お前を助ける義理はない」」
竜巻の中で暴れている女に向かって放った冷たい言葉に女は暴れるのを止めた

ブシュッ!

そしてそれと同時に女の首に太い枝が突き刺さった。その時にはもう女の顔は筋肉と歯と目があった筈の所には穴が空いていた
「ごぷっ!」
大量の血を吐き出すとその枝と体を燃やしながていく
「わた…し…は…あな……た……を!」
女はナタへ手を伸ばした
「…一応感謝はしている」
ナタは嘆息して合掌し、冥福を捧げて呟いた
それを見ると女は少し目のあった穴から透明の液を流すと奥歯の周りの筋肉を少し動かした
「産んでくれてありがとう…」
そんなナタの目の前では竜巻が止んだ
黒い塵の雨がハラハラと降り、ナタの肩や頭に降り掛かった
そしてナタの手に何かが落ちてきた
それはナタの手に落ちると地面に転げ落ちた
「ん?」
ナタはそれを拾うと目の前まで黒い炭となった木の枝を見た
「これは…」
その先に着いた僅かに赤く染まった箇所を見逃さなかった
少し考えた後目を瞑ってそれを弱く上に放るとパシッと掴んで微妙に口角を上げた
「さて…戻るか」
ナタはその場で上を見上げたが不思議に思った
「俺って落ちてきたんだよな?」
上を見上げて視界に映ったのは木の枝が複雑に絡み合って天井を形成している姿だった
「…どうやって戻ろう」
ナタは大きく深呼吸すると周りを見渡した
「ん?あるじゃないか」
ナタが目を向けた先には上へ登る階段があった
「これが終わったら墓くらいは建ててやるかな…勿論、あるじに許可を貰ってからだがな」
ナタは階段に向かって足を動かし始めた





暫く階段を登っていると軈てドアが見えてきた
それを軋み音を立てながら開けて中を覗いた
「っ!?どうなっている!?」
ナタの視界に広がったのは太い線がレインの身体からだに繋がって、何かを流し込むかの様に青い光がその身体に向かって流れている後ろ姿だった
「おい!レイン!」
ナタが呼び掛けるが返事は無い
「くっ」
ナタはカオスに向かって足を動かし始めた
「邪魔…」
突然聞こえてきたその声に反応するかの様に突風が吹き荒れ、ナタを階段の下へ吹き飛ばした
「く…そ…」
ナタは頭をぶつけて痛みに頭に手を当てながら考えた
(レインと別れたのはあの神殿…何?つまりここはあの神殿か?だが外で見…あれは偽か!)
ナタは舌打ちをして階段を睨んだ
(行くしか…ないのか)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

なんだろう、婚約破棄の件、対等な報復を受けてもらってもいいですか?

みかみかん
恋愛
父に呼び出されて行くと、妹と婚約者。互いの両親がいた。そして、告げられる。婚約破棄。

【完結】ハッピーエンドのその後は・・・?

夜船 紡
恋愛
婚約者のいるアイザックに惹かれ、秘密の愛を育んでいたクリスティーヌ。 ある日、アイザックはクリスティーヌと生きることを決意し、婚約者であるイザベラに婚約破棄を叩きつけた。 障害がなくなった2人は結婚し、ハッピーエンド。 これは、ハッピーエンドの後の10年後の話。 物語の終わりが本当に幸せなのだという保証は、どこにもない。

ああ、もういらないのね

志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。 それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。 だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥ たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)

青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。 ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。 さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。 青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。

嘘つきと言われた聖女は自国に戻る

七辻ゆゆ
ファンタジー
必要とされなくなってしまったなら、仕方がありません。 民のために選ぶ道はもう、一つしかなかったのです。

(完)私を捨てるですって? ウィンザー候爵家を立て直したのは私ですよ?

青空一夏
恋愛
私はエリザベート・ウィンザー侯爵夫人。愛する夫の事業が失敗して意気消沈している夫を支える為に奮闘したわ。 私は実は転生者。だから、前世の実家での知識をもとに頑張ってみたの。お陰で儲かる事業に立て直すことができた。 ところが夫は私に言ったわ。 「君の役目は終わったよ」って。 私は・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風ですが、日本と同じような食材あり。調味料も日本とほぼ似ているようなものあり。コメディのゆるふわ設定。

処理中です...