ゴッドクエスト

紅蓮の焔

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13章 逃走!逃げた先は…?

188話突然の別れ

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朝ご飯を食べ終わるとリアトが頭から血を流して、頭を押さえながら手摺てすりに体重を掛けながら階段を降りてきた
「どうしたにゃ!?」
「え~と…朝、目を覚まして…それから…あれ?何があったんだっけ?」
(ほっ)
リアトが先程の事を覚えてない様子で心底安心している様子のルスハがいたのだが誰も気づいていない
「そうにゃ!そう言えばリアトの料理は食べられないのにゃ!?」
「あ…すまん、マニエルちゃん、今日は…勘弁…俺、少し、休…む…か…ら」
リアトは階段で倒れると頭を床に埋めて動かなくなった
「ん?リアト~、悪ふざけもいい加減にしてよ~」
ルスハが呼び掛けるが全く返事がない
「え?嘘…でしょ?」
ルスハがリアトに駆け寄って頭を床から引っこ抜く
「返事して!返事してよ!」
血を流しながら目を瞑り微動だにしないリアトを見て涙を流し始めた

ポタ…ポタッポタッ

「やだよ~…こんな時にリアトまでいなくなっちゃうなんて…言ったじゃない!いつでも傍にいるって!」
「どう…したにゃ?」
マニエルが近付こうとするのをレインは止めてリアトの後ろ首を触った
「なんだ?この感触…」
レインは髪を退かして見ると驚愕して目を見開いた
「い…し?」
石化していたのだ
「うわあぁぁぁあぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあああぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁあぁ!」
ルスハが抱き着いているリアトは四肢の先から灰色になっていくリアトと、それを抱いて泣きじゃくるルスハをただただレインは見詰めていた
「大丈夫にゃ?どこか痛いのかにゃ?」
「…ぐすっ…大…丈夫……はは、ははは、私…少し横になって来るね」
ルスハは渇いた笑いを浮かべて逃げるように2階へ上がっていった
「「っ!」」
そして今までルスハの背中で見えなかったリアトを見ると2人は固まった
「リア…ト、にゃか?」
「嘘……石…化、なの?」
「…ルスハさんの家に一回行ってみるよ」
レインは静かにリアトの家を立ち去りルスハの家の前へ来た
リアトの家の2倍近く大きく、更には少し豪華で緑色の屋根をしていた
レインはゴクリと唾を呑み込み、意を決してドアを開けた
「っ!」
中には年寄りや、致死量の怪我を負っている者、そして険しい表情をした者など、様々な石像があちこちに置いてある
その中に知っている顔があった気がしたがレインは目を擦るとそれも良く分からなくなったが全ての石像に、ある物が頭や尾てい骨の辺りから生えていた
「皆…獣人…リアトさんみたいに、石化した人達…」
レインが中に入るとある事に気が付いた
「埃が被ってる…つまり殆ど人が出入りしていない…」
なら足跡は?
レインはそう考えてルスハの足跡を探し始めたが、窓も閉まっており、暗くて全然見つからない。石像がある事は分かるのだが細かい部分までは分からない
「暗いと流石に見つからない…か」
レインは足跡を探すのを諦めてドアを閉めた
「一体どうなってるんだ?」
そんな疑問を胸にリアトの家へ戻ろうとすると後ろから肩を掴まれた
「何してたんだ」
「何って…て言うか誰ですか?」
「まずこっちの質問に答えろ、そしてこちらを向くな、動くな、動いた途端にお前の首を切る」
首にナイフを当てられるとレインそのナイフを見て溜め息を吐いた
「それで?なんの用?」
「だから!この家で何をしてたんだ!」
「少し見てただけだよ」
レインが立ち去ろうとするとナイフの先がレインの首筋に少し刺さり、血がツーッと1つの筋を描いて流れていった
「話せ」
「…分かった、リアトさんが石化した理由をリアトさん以外の知り合い、つまりルスハさんの家に何か無いか確かめに行ったんだけど石像しか見つからなかったよ」
「ルスハ?」
「うん、そうだよ」
「嘘を付くな!ルスハは…私の娘はもう2年前に石像に…!」
「え?…それじゃあ…」
レインは慌ててリアトの家に走った
「待て!まだ話は!」
レインが家に入るのを見て叫ぶのを止めた男はその後を追った

「リーナちゃん!マニエルちゃん!」
「なーに?」
「なんにゃ?」
「ルスハさんは!?」
リーナは寝室へ目を向けた
「まだ寝室にいるみたい」
「分かった」
レインは階段を走って登っていくと寝室にはもう、誰もいなかった。窓が開いている訳でもなく、ただ、ルスハの姿がそこには無かった
「…なら、あの料理は…」
レインは階段を全段飛びで降りるとルスハの朝ご飯が乗せられた皿を見たが、それにはしっかりと朝ご飯、パンくずや牛乳、スープの跡が残っていた
「…一体あれはなんなんだ?」
レインは話そうとリーナ達の方を向いて口を開くが、談笑している2人を視界に入れるとそれを思い止まった
(いや、黙っておこう…)
レインは石化したリアトを背負って寝室へ運んだ
(どうしよう…ここの事を知る前に2人がいなくなってしまった…)
突然の別れに、レインは頭を抱え込んだ
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