ゴッドクエスト

紅蓮の焔

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13章 逃走!逃げた先は…?

181話見知らぬ森での出会い

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突然リーナの頭から降りたマニエルが獣人に戻りクンクンと匂いを嗅ぎ始めた
「お母さん!あっちから良い匂いがするにゃ!」
「え?何も匂わないけど…」
「本当にゃ!早く行くにゃ!」
マニエルが鼻を頼りに匂いのする方へ、リーナの手を引っ張りながら走っていく






パチパチパチ…

「はあ、ぶえっくしょん!うぅ~寒い」
「あんた、こんな寒い日に川になんて飛び込むから風邪引くのよ!バカなの?」
焚き火の火に当たっている、ニット帽を被った男に女性は思わず毒舌を吐く
「いや…俺はバカじゃない…あ「良い匂いにゃ~!」は?な、なんだぁ!?」
突如として背後から聞こえてきた声に驚いて2人は思わず身構えた
しゃかにゃさかな~!」
男は魚を口にくわえた獣人の少女を見て鼻血を少し出したが女性にバレない内に拭き取った
「誰だか知らねえけどいくら可愛くても俺は「あんたロリコンですかぁ?」は?違うわ!」
2人が喧嘩をしている間に猫の獣人の少女は焼いている魚へ飛び込むと見事魚だけを回収して火には当たらなかった
「美味しいにゃ~!」
「マニエルちゃ…」
次は息を切らしながら走ってきた少女がこの状況を見て慌てふためいた
「あわわわ…ご、ごご、ごめんなさい!」
少女は謝ると未だ魚を頬張っている獣人の少女を連れて去ろうとした
「おい待てよ」
男の言葉にリーナは恐る恐る振り返る
「な、なんでしょうか~?」
「…すぅぅぅぅぅ!君名前は!?これからお茶しない?」
男がそう言うと隣で怒っていた女性が男の胸ぐらを掴んで前後に振りだした
「何言ってんのよ!まさかあんた本当にロリコ「違うからな?」」
「な、なんかごめんなさ~い!」
少女は慌ててその場から走って森の中へ消えていった
「あ~あ…折角の女の子が…」
「あんたには私と言う美人のがいるでしょ!」
「は?お前とはただの幼馴染みだろうが!」
「バカ!アホ!」
女性は男をポカポカ殴り付けた
「いてててててててててて!痛いわ!」
男が逃げるが、その後を女性は追い掛け回す





「はあ…はあ…お、追って来ないみたい…マニエルちゃん!人の物を盗んじゃいけません!」
「盗んでないにゃ!食べたんだにゃ!」
「人の物を勝手に食べる事は盗む事と同じなの!」
「ぐぅ…分かったにゃ…」
マニエルは反省したのだが一時間正座をさせられた

一時間後…
「やっと解放されたにゃ~!」
「ほら!早く行くよ!マニエルちゃんたら目を離すとすぐにいなくなるんだから…」
リーナは再びマニエルを引っ張ると森を出ようと歩いていくのだった

数分後…
「あっちからも良い匂いがするにゃ!」
リーナの手を振りほどいてその匂いがする方向へ走っていった
「あ!待ちなさい!マニエルちゃん!」
その後を追い掛けて暫くすると少し開けた場所に出た。それと同時にリーナはマニエルに飛び付いて押し倒した
「あちち!悪かった!許してくれ!」
「ふふふ、何を許して欲しいの?」
目の前で先程出会った男と女性がいた
男は棒に縛られて身動きが取れない状態となっていて、火で炙られていた
「良い匂いにゃ~…」
「え!?もしかしてこれが!?」
リーナが驚いている矢先で男と女性は話していた
「もう勘弁してくれ!」
「…分かったわ。そこの2人!ちょっとこっちに来て!」
「は、はい!」
「分かったにゃ」
リーナとマニエルは女性の前まで歩いていった
「はい、お皿」
「え?おい、待てよ!まさか俺を食う気じゃ…」
「その通り!さ、ご飯ですよ~」
女性は鼻歌を歌いながら近くに置いてあったリュックの中からノコギリを出してきた
「洒落になんねぇから!」
「美味そうにゃ…」
「そうよね!流石私のだん「違うからな?」さ~て、皆に均等に配分しましょう」
男が「悪かった!許してくれ!」と叫ぶが女性はノコギリを近付けていく
その時にニット帽が火に当たり、燃え始めた
「あつっ!ちょ!マジでヤバイって!」
男はニット帽を振り落とした
「え?獣人?」
リーナの声は聞かずに女性は笑っていない目で微笑んでノコギリをゆっくり足の方へ近付けていく
「熱い!本当に!許して!?なんでも1つ言う事聞いてあげるから!」
その瞬間女性は手の動きを止めた
「本当?」
「あ、ああ!本当だ!」
「それじゃあ結婚しましょ!」
「それだけは嫌だ!俺は可愛い女の子とイチャイチャするんだ!」
「あっそ、それじゃあ仕方無いわね」
女性は冷たい視線で獣人の男へノコギリを近付け始めた
「分かった分かった!結婚でもなんでもしてやるから!」
「それなら放してあげる」
女性は火を消して男を縛っていた縄をほどくと抱き着いた
「これでリアトと…」
女性はリアトと呼ばれた男に抱き着きながら鼻血を垂らしていた
「ご飯は?」
マニエルが寂しそうに言うとリアトは嘆息した
「ったく、そうだそうだ!これから昼飯でもどう?俺が奢るよ!」
「やったにゃ!食べるにゃ!」
リーナも嘆息してマニエルを見た
「あ、そうそう!ここってどこなの?私達迷子で…」
「え?それじゃあお父さんやお母さんは?」
「私のお母さんはここにいるリーナにゃ!」
「…え?子持ち?」
「そうだけど?」
「それじゃあお父さんは?」
「お父さんはレインって言うにゃ!…でも今は…」
マニエルが俯くとリアトはマニエルと目の高さを合わせた
「どうしたの?」
「今は魔王との戦いに負けちゃって私達を助ける為に…ある賭けをしたにゃ…」
マニエルとリアトが話していると女性は少し考え始めた
(レイン…?どこかで聞いた事あるような…無いような…魔王?…あ!あぁ~あの時の)
「賭け?」
「そうにゃ、そのせいで今は魔王と身体を入れ換えられてるのにゃ」
「マジで!?でもレインってどこかで聞いた事あるんだよな~…まあいっか!」
「え?あの、ここは「さあ!飯にするぞ!俺ん家に行こうぜ!こう見えても料理は上手いからよ!」…食べてからでも良いよね…」
リーナは1人で納得し、リュックを背負って女性に抱き着かれながら歩いていくリアトを追い掛けて行った










「ていや!はいや!」
その間レインは必死にどす黒いオーラを使いこなそうと木に向かって色々しているが全く何も出なかった
「…あ、そう言えば…え~と…たしか、迅雷の閃光?」
レインが言うと同時に全身に雷に当たった様な痛みが走った
「ぐぅ…!」
しかしレインが倒れそうな足を1歩前へ動かして体勢を立て直そうとするとその1歩で一気に数m先まで移動した
「おお!すげぇ!」
レインはもう一度迅雷の閃光を使って木に足を叩き付けた
するとまるで斧に伐られた様に木は倒れた
「おお!これは凄いな!」
レインは同じ様に近くの木を数本薙ぎ倒した
「次は…食べ物!」
レインは伐った木を四角の形に並べて大きな椅子のようにして、食べ物を探しに行った
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