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第四章
三十七話
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どうしたんだろう。
体がなんか軽い。
リオに状態異常の耐性魔法をかけてもらってから、もう1日以上経つのに、今でも全然船酔いしていない。
リオからもらった指輪は、窓からの陽の光が当たって、不思議な煌めきを魅せている。
こうやって形になっているものがあると、やっぱり嬉しいな。
ずっと首から下げていた『女神のメダル』は、昨日リオと結ばれた時にいきなり消えてしまった。
代わりにリオの名前が入った文字が私の胸元に残っているけど、金糸みたいな線で描かれているこの聖痕はまさに『紋章』のようだった。
もうお昼近いのだけど、リオはまだ横で寝ている。
疲れたのかな……昨日は色々とあったしね。
色々か……。
昨夜でのことを思い出したら、今頃恥ずかしくなってきた。
こういう時って、どんな顔をしていればいいのだろう。
と、とりあえず服を着ようかな。
あ、先にシャワー……浴びたいかも。
私はベッドから立ち上がろうとすると、パシッと腕を掴まれた。
「ソア、どこに行く? まだいいだろ」
リオは起きたのか、眠たそうな目を擦りながら、私を自分の元へと引っ張った。
明るいところで見えるリオの裸体は、ちょっと目のやり場に困るね。
まぁ、今の私も下着姿なんだけど……君もパンツくらい履こう?
「リ、リオもう起きる? そろそろお昼になるし、私はこれからシャワーでも浴びようかと」
「そんなことより、また昨日の続きしねぇ?」
「続きって……」
おま……昨日にもう充分致しただろ。
若いからって体を過信したらダメだぞ。
「まぁ、まだ無理しねぇ方がいいか」
そうだそうだ、無理は絶対にやめたまえ。
「ソアの体の調子はどうだ?」
「調子は中々良いよ。不思議なんだけど、船酔いもない」
リオは「まじか……」と呟いてから体を起こし、私の顔をじっと見つめた。
「……顔色が良い。たぶん『女神の恩恵』のパッシブ効果が効いている。この感覚だと、状態異常の完全無効効果が付与されているな」
「なんか、すごいね。これが女神の加護の流れが変わった状態なの?」
「そう。それにまだある。おそらくだが、全パラメータが1.5倍ほどになっている」
わぉ、そこまで来るともうゲームみたい。
「範囲効果:俺とお前の血族」
もはやチートやん。
「だから、ナターリアの子孫たちは、誓いの成就を成した人間を早々にくっつけたがる。この意味、今ならよく分かるだろ?」
「うん、これは確かにすごい。『女神の恩恵』に、一族の人たちが肖りたくもなるわね」
「そうそう、これもすべてソアのおかげ」
リオはそう言って、私に軽くキスした。
このキスは「ありがとう」という意味かい?
嬉しいけどさ。
「前年の成就者も死んで、ここ10年くらいは王家も含めて誰も成就されなかった。つまり一族の念願が、今ここに来てやっと叶ったわけだ。離れると起こるマイナスの付与も、状態異常完全無効のスキルでたぶん無効になっている。俺たちが死なねぇ限りは、この『女神の恩恵』は続くはずだ」
え、なんか色々と解決している?
今更だけど『女神の恩恵』ってご利益ありすぎじゃない?
何が起きるのかちょっと不安だったけど、これなら全然良いことばかり。心配ご無用だったかも。
「そういえば、腰の方はどうだ?」
「腰?」
「……その様子だと、大丈夫そうだな。痛みとか」
そ、そうだ。
そういえば最初は痛かったんだっけ。
初めてだから仕方ないけど、いつのまにかそれすらも消えてた。
「……全然平気みたい」
「これも女神の恩恵か……」
私とリオはシャワーをそれぞれ浴びた後、食事を取りにいこうと外に出る準備をした。
昨日の夜からずっと二人で部屋に閉じこもっていたから、クラークさんたちが心配しているかもしれない。
部屋を出ようとする直前、リオが「そうだ!」と何かを思い出したように、急にドアの前で立ち止まった。いきなり何事か?
「ソア、もう一つ! この恩恵の効果を持続させるには、毎日セックスしねぇとダメかもしれねぇ! 明日から覚悟しておけよ?」
「は、はぁ?!」
お、お前、さっき「そうだ」って言ってなかったか? 「そうだ」って。
絶対に今、思いついただろ!
そういうことって、普通は昨日みたいにムードとかが高まってから始まるもんじゃないの?!
発情期のエロガキめ……そんな義務みたいに毎日なんかできるかー!
体がなんか軽い。
リオに状態異常の耐性魔法をかけてもらってから、もう1日以上経つのに、今でも全然船酔いしていない。
リオからもらった指輪は、窓からの陽の光が当たって、不思議な煌めきを魅せている。
こうやって形になっているものがあると、やっぱり嬉しいな。
ずっと首から下げていた『女神のメダル』は、昨日リオと結ばれた時にいきなり消えてしまった。
代わりにリオの名前が入った文字が私の胸元に残っているけど、金糸みたいな線で描かれているこの聖痕はまさに『紋章』のようだった。
もうお昼近いのだけど、リオはまだ横で寝ている。
疲れたのかな……昨日は色々とあったしね。
色々か……。
昨夜でのことを思い出したら、今頃恥ずかしくなってきた。
こういう時って、どんな顔をしていればいいのだろう。
と、とりあえず服を着ようかな。
あ、先にシャワー……浴びたいかも。
私はベッドから立ち上がろうとすると、パシッと腕を掴まれた。
「ソア、どこに行く? まだいいだろ」
リオは起きたのか、眠たそうな目を擦りながら、私を自分の元へと引っ張った。
明るいところで見えるリオの裸体は、ちょっと目のやり場に困るね。
まぁ、今の私も下着姿なんだけど……君もパンツくらい履こう?
「リ、リオもう起きる? そろそろお昼になるし、私はこれからシャワーでも浴びようかと」
「そんなことより、また昨日の続きしねぇ?」
「続きって……」
おま……昨日にもう充分致しただろ。
若いからって体を過信したらダメだぞ。
「まぁ、まだ無理しねぇ方がいいか」
そうだそうだ、無理は絶対にやめたまえ。
「ソアの体の調子はどうだ?」
「調子は中々良いよ。不思議なんだけど、船酔いもない」
リオは「まじか……」と呟いてから体を起こし、私の顔をじっと見つめた。
「……顔色が良い。たぶん『女神の恩恵』のパッシブ効果が効いている。この感覚だと、状態異常の完全無効効果が付与されているな」
「なんか、すごいね。これが女神の加護の流れが変わった状態なの?」
「そう。それにまだある。おそらくだが、全パラメータが1.5倍ほどになっている」
わぉ、そこまで来るともうゲームみたい。
「範囲効果:俺とお前の血族」
もはやチートやん。
「だから、ナターリアの子孫たちは、誓いの成就を成した人間を早々にくっつけたがる。この意味、今ならよく分かるだろ?」
「うん、これは確かにすごい。『女神の恩恵』に、一族の人たちが肖りたくもなるわね」
「そうそう、これもすべてソアのおかげ」
リオはそう言って、私に軽くキスした。
このキスは「ありがとう」という意味かい?
嬉しいけどさ。
「前年の成就者も死んで、ここ10年くらいは王家も含めて誰も成就されなかった。つまり一族の念願が、今ここに来てやっと叶ったわけだ。離れると起こるマイナスの付与も、状態異常完全無効のスキルでたぶん無効になっている。俺たちが死なねぇ限りは、この『女神の恩恵』は続くはずだ」
え、なんか色々と解決している?
今更だけど『女神の恩恵』ってご利益ありすぎじゃない?
何が起きるのかちょっと不安だったけど、これなら全然良いことばかり。心配ご無用だったかも。
「そういえば、腰の方はどうだ?」
「腰?」
「……その様子だと、大丈夫そうだな。痛みとか」
そ、そうだ。
そういえば最初は痛かったんだっけ。
初めてだから仕方ないけど、いつのまにかそれすらも消えてた。
「……全然平気みたい」
「これも女神の恩恵か……」
私とリオはシャワーをそれぞれ浴びた後、食事を取りにいこうと外に出る準備をした。
昨日の夜からずっと二人で部屋に閉じこもっていたから、クラークさんたちが心配しているかもしれない。
部屋を出ようとする直前、リオが「そうだ!」と何かを思い出したように、急にドアの前で立ち止まった。いきなり何事か?
「ソア、もう一つ! この恩恵の効果を持続させるには、毎日セックスしねぇとダメかもしれねぇ! 明日から覚悟しておけよ?」
「は、はぁ?!」
お、お前、さっき「そうだ」って言ってなかったか? 「そうだ」って。
絶対に今、思いついただろ!
そういうことって、普通は昨日みたいにムードとかが高まってから始まるもんじゃないの?!
発情期のエロガキめ……そんな義務みたいに毎日なんかできるかー!
応援ありがとうございます!
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