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第三章
二十九話
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体が筋肉痛。
腰も痛いし、今日はもう動けない。
シンラとの行為中に気を失ってから、どれだけ時間が経ったのかは知らないが、私は意識が戻っても布団から出れないでいる。
(ベニモモちゃんもあれから全然起きませんし……)
「奥方、大丈夫でございますか?」
「サノメ……全然大丈夫じゃありませぇん」
お日様がだいぶ上がっているので、もう昼に近いのだろう。
目が覚めたらすでにシンラの姿はなかったが。
「サノメ、シンラは……?」
「数時間前に燈倭様と村を見回りに……」
本当になんて元気なんだろう。
このままシンラに体を合わせていたら、私はいつか衰弱死しそうだ。
そして、またトウワさんに要らぬ艶話をしているんでしょうね……あぁ、もう! 恥ずかしいったらない!
私は体を綺麗に流した後、サノメの用意してくれた、かな~り久しぶりの食事をとっていると、昇降機の方で音がした。
どうやら問題のシンラが帰ってきたようだ。
「志帆、起きたの?」
「……遅おうございます。おかげさまで体中がだるくてあちこちが痛いです」
私はむすっとした表情をしてシンラの方を見た。
シンラは少し照れながら、済まなそうな顔をしているが、私の辛さが本当にわかっているかは疑問だ。
「昨日は、志帆の体が良すぎで止まらなかった」
「なっ!」
サノメがいる前で、恥ずかしげもなくそういうこと言うのは、本当にやめてください。
私は昨晩のことを思い出して、シンラの顔をまともに見れず、思わず顔を背けてしまった。
シンラはそんな私の様子を気にして横に座ってくると、今度は私の手の甲に自分の口に当てながら、上目遣いで顔を覗いてくる。
「ねぇ、志帆……本当だよ?」
「そ、そういうことが言いたいのではなくてですね……」
だから、その顔はダメですってば。
無駄に胸がきゅんきゅんしてしまうんです。
そして、サノメは気を遣ってくれたのか、気づくともうこの場にはいなかった。
「紅百が起きない今しかないしさ。ご飯食べて体力つけて?」
「うぅ、ベニモモちゃんは当分起きないのでしょうか……」
思ったより長く寝ているので、少し心配になってしまいます。
シンラは私の腹に耳を当てて、中の様子を伺っている。
「……寝ているね。昨日のことで随分と消耗したようだ。まだエネルギーをうまく蓄えられないんだろう」
シンラたちは基本的に山からエネルギーをとっているんでしたっけ?
そこのコントロールが、ベニモモちゃんにはまだうまく出来ないのかもしれませんね。
このまま寝かせてあげましょう。
ベニモモちゃんが休んでいることで、ストッパーのないシンラの行動が気がかりではありますが。
今も太ももの辺りで何かゴソゴソしていますし……。
食事が終わっても、シンラは私の膝の上に頭を乗せながら、床の上で仰向けに横になっていた。
そして、子どもみたいに甘えてくる。
「志帆、いい匂いがするね」
「……一応、体は流しましたから」
シンラ、今日はもう出かけないのでしょうか。
今のシンラは昨日と違って、なんか可愛いですけどね。
昨晩は性欲にとめどない男性そのものでしたから、終わりが見えなくて少し怖かったです。
実際、気を失うまで何度突かれたことか……うぅ、思い出したら恥ずかしくてシンラの顔が見れません。
「志帆ぉ、ご飯食べたら……さぁ」
「……言っときますが、昼間から致しませんよ?」
「えぇー?」
はい、前言撤回です!
やはりシンラはシンラでした。
「志帆が途中で寝てしまったから、まだ物足りなかった……」
「あれだけ致して……信じられません……」
……性欲お化けかな?
それとも狐神というのは皆、そういう感じなのでしょうか。
「人間の女を娶ったら、みんな自分の階層から出てこなくなるわけだよねぇ……」
ひゃぁ……やはり狐神は、みな性欲お化けなんですね。狐の神は恐ろしいです。
「ハァ、なんで志帆はこんなにエロいんだよ」
「別にエ、エロくなんか……!」
服装だって今はきちんとしてますし、そんな破廉恥な格好していた覚えは……まぁ少し前に裸で床に四つん這いになっていたこともありましたが、とにかくいつもは露出をきちんと控えているはずです!
「……自覚ないの? 俺の目を見るたびに顔赤らめてさ、もう呼吸してるだけでエロいんだよ」
「息しているだけでエロいとか言われてしまったら、どうしょうもありませんよっ!」
それに顔が赤くなってしまうのは、それもこれもシンラがとてつもなく綺麗だから……目が合うたびに無駄にドキドキしてしまうんです。
「どうもしなくて良いよ。奥さんがエロいとか最高……あぁ、もう我慢できない」
「ちょっ……もう昼間からダメですって!」
たった二週間抑えただけで、普通こうなってしまうものなんですか?!
この後の私は、シンラにパンツを取られまいと必死でした。
もう、本当昼間から何をやっているんだかっ!
腰も痛いし、今日はもう動けない。
シンラとの行為中に気を失ってから、どれだけ時間が経ったのかは知らないが、私は意識が戻っても布団から出れないでいる。
(ベニモモちゃんもあれから全然起きませんし……)
「奥方、大丈夫でございますか?」
「サノメ……全然大丈夫じゃありませぇん」
お日様がだいぶ上がっているので、もう昼に近いのだろう。
目が覚めたらすでにシンラの姿はなかったが。
「サノメ、シンラは……?」
「数時間前に燈倭様と村を見回りに……」
本当になんて元気なんだろう。
このままシンラに体を合わせていたら、私はいつか衰弱死しそうだ。
そして、またトウワさんに要らぬ艶話をしているんでしょうね……あぁ、もう! 恥ずかしいったらない!
私は体を綺麗に流した後、サノメの用意してくれた、かな~り久しぶりの食事をとっていると、昇降機の方で音がした。
どうやら問題のシンラが帰ってきたようだ。
「志帆、起きたの?」
「……遅おうございます。おかげさまで体中がだるくてあちこちが痛いです」
私はむすっとした表情をしてシンラの方を見た。
シンラは少し照れながら、済まなそうな顔をしているが、私の辛さが本当にわかっているかは疑問だ。
「昨日は、志帆の体が良すぎで止まらなかった」
「なっ!」
サノメがいる前で、恥ずかしげもなくそういうこと言うのは、本当にやめてください。
私は昨晩のことを思い出して、シンラの顔をまともに見れず、思わず顔を背けてしまった。
シンラはそんな私の様子を気にして横に座ってくると、今度は私の手の甲に自分の口に当てながら、上目遣いで顔を覗いてくる。
「ねぇ、志帆……本当だよ?」
「そ、そういうことが言いたいのではなくてですね……」
だから、その顔はダメですってば。
無駄に胸がきゅんきゅんしてしまうんです。
そして、サノメは気を遣ってくれたのか、気づくともうこの場にはいなかった。
「紅百が起きない今しかないしさ。ご飯食べて体力つけて?」
「うぅ、ベニモモちゃんは当分起きないのでしょうか……」
思ったより長く寝ているので、少し心配になってしまいます。
シンラは私の腹に耳を当てて、中の様子を伺っている。
「……寝ているね。昨日のことで随分と消耗したようだ。まだエネルギーをうまく蓄えられないんだろう」
シンラたちは基本的に山からエネルギーをとっているんでしたっけ?
そこのコントロールが、ベニモモちゃんにはまだうまく出来ないのかもしれませんね。
このまま寝かせてあげましょう。
ベニモモちゃんが休んでいることで、ストッパーのないシンラの行動が気がかりではありますが。
今も太ももの辺りで何かゴソゴソしていますし……。
食事が終わっても、シンラは私の膝の上に頭を乗せながら、床の上で仰向けに横になっていた。
そして、子どもみたいに甘えてくる。
「志帆、いい匂いがするね」
「……一応、体は流しましたから」
シンラ、今日はもう出かけないのでしょうか。
今のシンラは昨日と違って、なんか可愛いですけどね。
昨晩は性欲にとめどない男性そのものでしたから、終わりが見えなくて少し怖かったです。
実際、気を失うまで何度突かれたことか……うぅ、思い出したら恥ずかしくてシンラの顔が見れません。
「志帆ぉ、ご飯食べたら……さぁ」
「……言っときますが、昼間から致しませんよ?」
「えぇー?」
はい、前言撤回です!
やはりシンラはシンラでした。
「志帆が途中で寝てしまったから、まだ物足りなかった……」
「あれだけ致して……信じられません……」
……性欲お化けかな?
それとも狐神というのは皆、そういう感じなのでしょうか。
「人間の女を娶ったら、みんな自分の階層から出てこなくなるわけだよねぇ……」
ひゃぁ……やはり狐神は、みな性欲お化けなんですね。狐の神は恐ろしいです。
「ハァ、なんで志帆はこんなにエロいんだよ」
「別にエ、エロくなんか……!」
服装だって今はきちんとしてますし、そんな破廉恥な格好していた覚えは……まぁ少し前に裸で床に四つん這いになっていたこともありましたが、とにかくいつもは露出をきちんと控えているはずです!
「……自覚ないの? 俺の目を見るたびに顔赤らめてさ、もう呼吸してるだけでエロいんだよ」
「息しているだけでエロいとか言われてしまったら、どうしょうもありませんよっ!」
それに顔が赤くなってしまうのは、それもこれもシンラがとてつもなく綺麗だから……目が合うたびに無駄にドキドキしてしまうんです。
「どうもしなくて良いよ。奥さんがエロいとか最高……あぁ、もう我慢できない」
「ちょっ……もう昼間からダメですって!」
たった二週間抑えただけで、普通こうなってしまうものなんですか?!
この後の私は、シンラにパンツを取られまいと必死でした。
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