蜜より甘いキスをして

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第1章 出会い編

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「ごきげんよう!ニーナ。会いたかったわ。」


「私もよトリシア、元気だった?あっそうだわ。新作のパンがあるのよ。良かったら感想ちょうだい?」


約一ヶ月ぶりにあったニーナはいつも通り元気で私を歓迎してくれた。

途中、懐かしさの余り、昔の言葉使いになって少しウィンディの目線が痛かったけれどとても楽しかった。

「トリシアの婚約者は決まったの?早くしないといい人は売り切れちゃうわよ?」


やっぱり女子が会話をすると始まるのは恋愛話。


「売り切れちゃうってちょっとニーナその言い方は……。」



「真面目に考えなきゃだめよ?トリシアは可愛いんだから、だまっとけばちゃんといい人と結婚できるはずだから。」


「だまっとけばって……もう。まぁ、そうね。そろそろ真面目に考えるわ。」


「はやく見つかるといいわね。」


「うん。」



その後はほとんどニーナの夫ののろけでおひらきとなった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あー楽しかったわ。さっき会ったばかりだけど来月が楽しみだわ。」


「……お嬢様、楽しかったのは良いことですがもう少しティノ・リーンベルト家の自覚をお持ち下さい。」


「んもう!!ニーナだから別にいいじゃない。」


「お嬢様!」



「……わかったわよ。」

ウィンディを怒らせたら恐いと言うのは大分前から知っていたので怒る前にしぶしぶ返事をする。


ん?…………なんだろあそこ。


妙に精霊達が群がってる。


ちょっと行ってみよう。



「ちょっ、お嬢様?何処へ行かれるのですか!?」



ウィンディを置いて近づいてみる。




近づく程に精霊たちが群がっているのがわかる。


何匹か孤児の時よく話してた精霊達もいる。


その中の一匹が、私に気づく。


途端、こっちまで来てすごい勢いで引っ張る。

精霊は小さいし可愛く見えるけれど凄い力を持っている。

現に私は引っ張られるように走っている。

「ちょっ…………。」



側から見れば変な人だろう。



見えない何かに引っ張られるようにして走っているのだから。



トスッ


精霊にしっぱられる勢いのまま走っていたら誰かにぶつかったようだ。


私は精霊が見えているので目の前にいる精霊でよく前が見えなかった。


「ご、ごめんなさい。」


慌ててあやまる。


はっと顔を上げるとそこには









.









.









この国の第3王子、ラファエル・アルチュール様がいた。
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