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極悪非道の放火魔を捕まえろ

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『ホモの大脱走! 次期公爵ガイア氏の後宮が何者かによって放火!』

 その記事を見ていくとガイア氏を取材とか言う謎のコーナーがあり、

 ガイア氏「燃やした奴は八つ裂きですね」

 身に覚えないコメントとともに、「温厚なガイア氏もこれには激怒!」とか書かれていた。

「言ってないよ……。そんなこと」

 俺が捏造されたコメントに苦言を呈すると、部屋の壁が割れた。

「国家転覆を企てる何者かによって、お前の後宮が放火された! 国王の名のもとにあぶりだして公開処刑してやろう! 処刑方法はなにがいい?」

 ホモ御殿の常連の兄マンティーが気色ばんでいる。
 あの中に気にいったガチムチでいたのだろう。
 どうやらとんでもない奴の怒りを買ってしまったらしい。
 バレたらヤバい。

「落ち着いてください、アダルトさん!」

「落ち着く? 何を言っている、貴様正気か! あれには国家予算の3割がつぎ込まれているのだぞ! 国の権威の失墜だ! これが落ちついていられるか!」

 国家予算なんてどっから持ってきたんだこの変態。
 国王もホモで、予算3割こいつにやって立てさせたっていうのか。
 ホモ御殿オウゾクも御用達かよ。
 勘弁しろよ。

「もう捜索は始まっている! 盗賊騎士団が集めた情報によると犯人は貴様と著しく似通った容姿をしているらしい! こちらを挑発するために貴様に変装でもしてたのだろう!」

「……」

 もう姿特定してるのかよ、早すぎだろ。
 幸い、俺とはバレていないようだが。

 しかし、それも時間の問題だ。俺に似通った容姿の奴らが全員調べられたら流石にバレる。
 このままでは怒り狂ったホモたちに公開処刑されかねん。

「……その件すべて僕に一任させてもらえないでしょうか」

「貴様自ら出向くというのか?」

「僕の変装で挑発するとはさすがの僕もこれには我慢の限界ですからね」

 俺は適当なことをほざいて、雰囲気作りの為に魔力を開放する。
 すると部屋の外側の壁が全部吹っ飛んで、部屋が馬鹿に開放的になった。
「魔力を放出しただけでこれか」と驚いた顔で兄マンティーはなくなった壁を見つめる。

「放火魔、貴様は飛んでもないものの逆鱗に触れたな。そこまで本気と言うのなら貴様に一任しよう」

 よし、うまくいったようだ。
 あとはスケープゴートにイノセントな何者かを、ギルティ認定するだけだ。
 それで俺の処刑は逃れられる。

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