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狡猾な罠! ホモ御殿!
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おじいちゃんたちは聖国式タンカーに一週間磔にしたのち、何かしら国民を集めた会議で沙汰を決定することが決まると俺はささっと聖国から立った。
ドンブラコドンブラコされること早二日。
俺はアイズ村に到着した。
ドロネコは俺と幼女、なぜかついてきたビッチを下すと、「聖国で新たなビジネスをしてきます」とか言って、馬車を聖国方向に向けて走り出した。
「ここの気候は寒暖差の激しい気候だと聖国では聞いていたのですが。暑くもなく、寒くもなく、ちょうどいい気温ですね」
ビッチは長い髪を耳にかけると、そんな言葉を口ずさむ。
仕草があざとい。
さしづめ早速村をヨイショして、若者たちの好感度を上げて、食おうという算段だろう。
「ええ、ここにはガイアが企画した気候を制御する機構がありますから、温度は常に適温になっているんですよ、聖女様」
聞き覚えのある嫌に涼しい声が聞こえると思うと、目の前に人好きのしそうなニコニコした顔が現れた。
俺のママだ。
何でこんなところにいるんだこの人は。
「なんでもできるんですね、魔王は……」
少しすねたような顔をしてこちらを見つめてくる。
ビッチを遠目に眺めている若者たちの瞳はビッチのあざとさに釘付けだ。
悲しいことだが、あれはもうビッチの洗脳に掛かってしまっているからもう手遅れだ。
過ぎたことは忘れて、この人がなぜここにいるか聞くか。
「そんな機構のことよりも、なぜ母上がここにいるのかが気になりますね」
「あら、不満ですか? ただノースクラメルの旗色が悪くなったのでここに鞍替えしただけのことで、なにもあなたに都合の悪いことはありませんよ。それよりも見事聖国を落としたあなたにご褒美があります」
前半まで聞いてなんか嘘臭いなあとか思ったが、後半のご褒美ですべてがどうでもよくなった。
ご褒美なんぞこの国に来て始めてだ。
究極の美少女でももらえるのだろうか。
「私のあとをついて来て下さい」
俺はワクワクしながら、刷り込みを行われたアヒルのように母の後についていた。
―|―|―
俺の目の前には大きな建物と、ショタ、ガチムチ、老人、様々なバリエーションをそろえたオス臭い男たちの大群が並んでいた。
「これがあなたへのご褒美――ホモ御殿。アダルト王、アダルマンティー王女、ヘルメス男爵全面協力のもと建造されたニューハーフ――あなたにとっては至高の建築物です」
「……」
俺はそれを見つめて絶句するしかない。
「ガイア、今まで苦しめて悪かったね。まさかあんたが男好きだったなんて。あたしもアンタが誘っても全然乗ってこないことで気づけばよかったんだけどね……」
「ガイア……。類まれない自制心で約束を守ろうとしてくれたのはうれしいけど、ムリはダメだよ。僕もガイアが時折、兵士の方をチラチラ見てることから察すれば」
「人の性癖の事をどうのこうのとは言わん。だが、貴様に苦を強いるのも考えものだからな。
アダルマンティーの婚姻は形だけのものにとどめておこう」
アダルマンティー、ホモ、兄マンティー――この呪いの館を作るのに手を貸した面々が、わけのわからん謝辞を述べてくる。
この国奴らがホモばっかだから、俺もホモだろうという先入観でこんなものを作ったということか。
なんて嘆かわしい連中なんだ。
期待させてからのこの仕打ち。涙が止まらねえ!
「あらあら、ガイアたら泣くほど喜んで、よほどホモ御殿が気に入ったんですね」
打ちひしがれる俺に、慈悲のないままの言葉が耳を打つ。
その夜、俺はホモ御殿に火をつけて、この世から抹消した。
ドンブラコドンブラコされること早二日。
俺はアイズ村に到着した。
ドロネコは俺と幼女、なぜかついてきたビッチを下すと、「聖国で新たなビジネスをしてきます」とか言って、馬車を聖国方向に向けて走り出した。
「ここの気候は寒暖差の激しい気候だと聖国では聞いていたのですが。暑くもなく、寒くもなく、ちょうどいい気温ですね」
ビッチは長い髪を耳にかけると、そんな言葉を口ずさむ。
仕草があざとい。
さしづめ早速村をヨイショして、若者たちの好感度を上げて、食おうという算段だろう。
「ええ、ここにはガイアが企画した気候を制御する機構がありますから、温度は常に適温になっているんですよ、聖女様」
聞き覚えのある嫌に涼しい声が聞こえると思うと、目の前に人好きのしそうなニコニコした顔が現れた。
俺のママだ。
何でこんなところにいるんだこの人は。
「なんでもできるんですね、魔王は……」
少しすねたような顔をしてこちらを見つめてくる。
ビッチを遠目に眺めている若者たちの瞳はビッチのあざとさに釘付けだ。
悲しいことだが、あれはもうビッチの洗脳に掛かってしまっているからもう手遅れだ。
過ぎたことは忘れて、この人がなぜここにいるか聞くか。
「そんな機構のことよりも、なぜ母上がここにいるのかが気になりますね」
「あら、不満ですか? ただノースクラメルの旗色が悪くなったのでここに鞍替えしただけのことで、なにもあなたに都合の悪いことはありませんよ。それよりも見事聖国を落としたあなたにご褒美があります」
前半まで聞いてなんか嘘臭いなあとか思ったが、後半のご褒美ですべてがどうでもよくなった。
ご褒美なんぞこの国に来て始めてだ。
究極の美少女でももらえるのだろうか。
「私のあとをついて来て下さい」
俺はワクワクしながら、刷り込みを行われたアヒルのように母の後についていた。
―|―|―
俺の目の前には大きな建物と、ショタ、ガチムチ、老人、様々なバリエーションをそろえたオス臭い男たちの大群が並んでいた。
「これがあなたへのご褒美――ホモ御殿。アダルト王、アダルマンティー王女、ヘルメス男爵全面協力のもと建造されたニューハーフ――あなたにとっては至高の建築物です」
「……」
俺はそれを見つめて絶句するしかない。
「ガイア、今まで苦しめて悪かったね。まさかあんたが男好きだったなんて。あたしもアンタが誘っても全然乗ってこないことで気づけばよかったんだけどね……」
「ガイア……。類まれない自制心で約束を守ろうとしてくれたのはうれしいけど、ムリはダメだよ。僕もガイアが時折、兵士の方をチラチラ見てることから察すれば」
「人の性癖の事をどうのこうのとは言わん。だが、貴様に苦を強いるのも考えものだからな。
アダルマンティーの婚姻は形だけのものにとどめておこう」
アダルマンティー、ホモ、兄マンティー――この呪いの館を作るのに手を貸した面々が、わけのわからん謝辞を述べてくる。
この国奴らがホモばっかだから、俺もホモだろうという先入観でこんなものを作ったということか。
なんて嘆かわしい連中なんだ。
期待させてからのこの仕打ち。涙が止まらねえ!
「あらあら、ガイアたら泣くほど喜んで、よほどホモ御殿が気に入ったんですね」
打ちひしがれる俺に、慈悲のないままの言葉が耳を打つ。
その夜、俺はホモ御殿に火をつけて、この世から抹消した。
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