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迫りくる暴走老人
しおりを挟む聖教区に旅立った俺だったが、早速誤算が発生した。
俺、ビッチ、幼女という少人数の布陣で行こうとしていたのだが、おっさんたちも大量についてきたということだ。
お陰で、大群で聖教区に訪れるという迷惑この上ない状況になっている。
「オラぁ、教会落とすぞオメエら!」
昼間から酒を飲みまくるおじさんたちたちが道端で叫びまくり、道は俺を担ぐ神輿みたいなもので、すっかりふさがっている。
これは近所の住民から通報待ったなしだ。
大量のおっさんたちと共に、豚箱行きはごめんだ。
だけどなあ、おっさんたち最高にハイになってこっちの言うことが伝わるのか分からんしな。
ジェネレーションギャップというのもあるだろう。
微々たるものだと思うが、おっさんもおっさんの言葉の方が耳を傾けそうだ。
ダメ元で近くのドロネコにおっさんたちを黙らせるように頼んでみるか。
「ドロネコさん、彼らを静かにさせてください」
ドロネコはこちらの意を了承したようで、徐にうなづくと口を開けた。
「魔王様が教会を黙らせろとお達しです。皆さん、砲撃を行ってください」
……。
どうやらドロネコのこころは俺が思うよりもずっと荒れ果てていたらしい。
バン、バン、バンという砲弾が打ち出される音がすると、向こうに見えるデカい教会がバカーンと崩壊していく。
俺はあそこに幼女のママが居ないことを祈ることしかできない。
「魔王おおお! 許せん、許せぬ!」
教会の瓦礫の中から、神々しい翼を広げたおじいちゃんが出てきた。
余生の楽しみの家庭菜園を荒らされた時並みに激高している。
ドロネコの無情な砲撃によって老人の大切な何かが壊れてしまったらしい。
おじいちゃんはドロネコにダイレクトアタックを仕掛けるかと思ったが、俺に向かてスカイダイブを決め込んできた。
今はやりのアクセル全開暴走老人という奴だろう。
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