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海底ダンジョンへの誘い
しおりを挟む「手伝いをして差し上げます。条件としては私たちダンジョン協会のメンツと慰安旅行も兼ねた親睦会を海底ダンジョンの近くで行いましょうか」
『あら、うちの社員をまだ難易度の推定もできてないダンジョンに潜らせるってことでいいかしら?』
「ふふふ、確約して頂けなくて結構ですよ。お気持ち次第ですから」
『いい性格してるわね。慰安旅行は過重労働させていることのイメージ回復に繋がるからこっちも都合がいいけど。……OK? 一度断ろうかと思ったけど、本人からOKが出たからそっちもOKよ』
「色の良い返事をありがとうございます。詳細については後ほど連絡しますね」
手元にある伊藤淳のタイムカードをひらひらさせながら、新ダンジョン協会長ーー阿倍野稲穂はダンプロ社長の神崎アリサとの電話を切る。
「うおおお……。たまらんもっとご褒美をくれ……」
「大臣、ダンプロの報道規制の方はしっかりとお願いしますね」
都合のいい幻覚を見て、白目を向いて床の上で痙攣する大臣ーー名目上稲穂の父親とされる男を見下ろしつつ、命令する。
「ほう、お願いか。殊勝な態度を取った方が良いじゃないか? おお、こ、これはたまらん!」
稲穂の命令に欲目を出すと、幻覚でよほど良い目に遭ってるのか、大臣は床の上で激しく痙攣し始めた。
きちんとやることは認識したからいいかと思いつつ、無駄に大きな阿倍野邸を出てダンジョン協会に向かうことにする。
「もう私がリークしたってバレてるかな? まあバレても私の手を借りるしかないから関係ないですけど」
ちょっとした疑問を口にすると、幻覚を見せるために構成した水魔法と火魔法の混合魔法を解いて、稲穂は阿倍野邸の扉を閉めた。
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