かつてダンジョン配信者として成功することを夢見たダンジョン配信者マネージャー、S級ダンジョンで休暇中に人気配信者に凸られた結果バズる

竜頭蛇

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配信者の流儀

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「圧倒的ね」

先んじてモンスターを狩っていくディヤリさんの姿を見てエルメスCEOが呟く。
俺にはコラボという体をとっているのにそれをめちゃくちゃに破壊しているようにしか見えない。

配信に長く携われるものとして考えると下手だ。
エルメスCEOは下のものに現場を任せているので、見せ場を取るのを邪魔された配信者がどういう行動に出るかわかっていないのだろう。

「惨劇が起きるな」

『うおおおお!?』

俺がそう確信すると、ちょうどアスカさんの風魔法で造られた竜巻でディヤリさんが吹き飛ばされていくのが見えた。

「クレイジーよ、何をやっていくのよこの女は!? 人に魔法を向けるなんて!」

「配信ではよくあることですよ。それに彼は全くの無傷なので問題はありません」

「魔法がよく当たるとは聞くけどこれは明らかにわざとじゃない」

「それは本人に聞かないとわからないですし、怪我がない以上は責任は問えません。現場にいる人間ならあんなコラボ相手を潰すような配信をすればこうなることはわかるでしょう」

 ・ヤリチンくんぶっ飛んで草
 ・キッズの世話をしないから
 ・アスカスブッチで草

チャット欄も盛り上がると、縮まった同接数がまた離れ、またアスカさんの同接数がディヤリさんの2倍になった。


ーーー


「くそ、覚えてなさいよお!!」
 
そこからディヤリさんが巻き返すことなく、配信が終わるとエルメスCEOは走ってその場から退散し、後から機材を持ったスタッフが後を追っていく。

「はあ、なんかすんごい疲れた」

「このアマ許せねえ」

CEOの姿を見送ると、2人が上がってきた。
やったことはどっちもどっちだと思うが、おそらくディヤリさん様子からすると特に気にせず攻略の時通りでいいなどと言われていたかもしれない。

「2人ともお疲れ様です」

とりあえずの彼らの労を労ってから、スタッフが消えて足のないディヤリさんとアスカさんを送迎することにした。

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